胡蝶蘭の葉に穴が開く原因と対処方法

胡蝶蘭を育てていると、葉っぱに穴が開いているのを見つけてしまうことはありませんか? 胡蝶蘭の葉っぱに穴が開いていると、気になってしまいますよね。悪い病気かな? それともこのまま放置しても問題ないのかな? って悩んでしまいますよね。

実際胡蝶蘭の葉に穴が開いてしまったとき、どのようにすればいいのか見ていきたいと思います。

胡蝶蘭の葉っぱに穴が開く主な4つの原因

胡蝶蘭 葉 穴

Alexandra_Koch / Pixabay

胡蝶蘭の葉っぱに穴が開く原因で、一番考えられるのがやはり「カビ」です。カビが葉っぱについてしまうと、葉っぱに穴が開いてしまうことがあります。

胡蝶蘭の葉が穴あいてしまう多くの原因は、カビの一種である菌が原因です。

次に考えられるのが「病気」です。穴が開いている周りが黒っぽくなっていると、病気の可能性があります。

胡蝶蘭の葉に穴が開いてしまう病気の一例として、「褐斑細菌病」も考えられます。こちらは葉っぱがところどころ黒くなってきて、穴が開いてしまいます。

実は胡蝶蘭の葉は少し柔らかいため傷がつきやすいことがあります。そのため外的要因で穴が開く可能性もあります。何かが葉っぱに当たって、胡蝶蘭の葉に穴が開いてしまうことがあるのです。

また、による被害も考えられます。虫は葉や根について胡蝶蘭を食べてしまうものがいるので注意が必要です。

このように、原因は主に4つに分けることが出来ます。しかし、見分け方が分からなければ、対処が出来ませんよね。見分け方と対処方法をお伝えしていきます。

胡蝶蘭の葉に穴が開くときの見分け方と対処法

胡蝶蘭 葉に穴 原因と対策

Telsche / Pixabay

カビでの穴あきの見分け方

カビで胡蝶蘭の葉に穴が開いてしまっていたら、小さな穴が開いて、胡蝶蘭の葉自体の色が少し黄色く薄くなることがあります。

他の胡蝶蘭にも穴が開くことがありますし、穴が開かないこともあります。毎年似たような時期に穴が開くことが多いようです。

カビが原因でなる炭疽病の可能性もあります。茶褐色の小さな斑点から始まり、大きく広がって穴が開くこともあれば、葉先が枯れてくることもあります。

対処方法

有効な成分【マンネブ水和剤】エムダイファーなど

カビや真菌に効果があるエムダイファーを少し濃い目に溶いて、葉の表面に塗ります。穴が開いているなら穴の部分にも塗っておくとよいでしょう。塗り方は、筆などを使って塗ると一番葉に優しく塗ることが出来るのでおすすめです。

病気での穴あきの見分け方

病気で穴が開いているとき、見分け方として穴の周りが黒くなっている可能性が高くなります。先ほどもお伝えした褐斑細菌病の可能性もあります。褐斑細菌病(かっぱんさいきんびょう)は、軟腐病に近いウイルス性の病原菌なので感染力が高く見つけたらすぐに対処をする必要があります。葉っぱなどが茶褐色や、水に濡れたような斑点が広がります。淡褐色の場合は軟腐病です。その水にはウイルスが沢山入っているので対処をするときは他のものに触れないように別の場所で行ってくださいね。

対処方法

有効な成分【台所用塩素系漂白剤】キッチンハイターなど

ウイルスが原因の場合、その部分を消毒したはさみで切って、その部分にキッチンハイターを原液で塗布していきます。

根っこからの病気の可能性

もう一つ、根っこからの病気でも穴があいてしまうことがあります。

穴が開いて、穴の周りが黄色い場合、病気であることが考えられます。他の葉も黄色くなってしまいやすいので他の葉の様子も見てみてください。

対処方法

有効な成分【マンネブ、ベノミル、ダイセン】エムダイファー水和剤、ベンレート水和剤

殺菌剤を葉の部分に塗布して様子を見ます。根っこを見て黒くなっている場合、根っこを取り出し消毒したはさみで切り取り、その部分に殺菌剤を塗ります。そのまま植え替えを行って様子を見てください。

食害での葉に穴が開く見分け方

ナメクジなど胡蝶蘭の葉を食べてしまいます。しかも、新芽や新しい葉の方が好みで食べてしまうため、新しい葉に穴が開いていたら、ナメクジからの食害を疑ってもよいでしょう。

ナメクジは夜に活動することが多いので、夜に胡蝶蘭をのぞいてみると姿を見せることがあります。

対処方法

有効成分【メタアルデヒド】マイキラー

マイキラーが一番有効で駆除に適しています。出来るだけ見つけ次第割りばしで取り除いてください。銅イオンが苦手なので、周りを銅イオンで囲むと近づいてこなくなりますし、ビールが入ったコップなどを胡蝶蘭から少し離れたところに置いておくとビールに吸い寄せられます。

胡蝶蘭の葉に穴を開けないため普段からできること

葉に穴が開かないために環境を整える

p_kennedy123 / Pixabay

胡蝶蘭の葉に穴を開けないためにも、環境を整えることが大事になってきます。

今の環境と照らし合わせてみながら、胡蝶蘭に正しい環境を整えてあげてくださいね。

温度

夏は30度以下、冬は18度以上を保つようにします。

夏場の注意点:35度までは耐えることが出来ますが、それは風がある場合です。室内ではほとんど空気が循環しないため、室内で置く場合は風がなくてもギリギリ耐えられる温度である30度を目安においてあげてください。

冬場の注意点:胡蝶蘭は温かい地域で育っている植物で、温かい温度である程度の湿度(60~80%)も必要です。胡蝶蘭の葉は7度で凍ってしまいます。胡蝶蘭は寒さに弱いので、15度以下にならないように工夫してくださいね。18度以下になると成長が止まってしまいます。

日当たり

日当たりは直射日光に当たらない、レースのカーテン越しなど淡い光の中で育てます。直射日光が当たらない明るい室内の真ん中でもよいです。直射日光に当てると葉焼けしてしまい元気がなくなってしまいます。

湿度

湿度は60~80%を保つのが一番いいのですが、室内の湿度を常に保つとなるとそれは難しいですよね。うまく加湿器や霧吹きを使って湿度が多い環境を作ってあげてください。湿度が上がりやすくなる為、湿度計を胡蝶蘭の隣に置いて湿度が上がりすぎるのを防ぎます。

加湿器を使う時は胡蝶蘭に直接かからないように注意して、霧吹きは出来れば一日4~5回ほど葉の裏と表にかけてあげます。するとハダニなどの虫の予防にもなります。出来れば夕方に一番多くかけてあげてくださいね。

水やり

水やりは、乾き気味にあげてください。ミズゴケの表面が乾いていてしたから触った時に少し濡れているときがベストなタイミングです。胡蝶蘭は水のやりすぎて枯らしてしまうことが多いので、水を与える頻度は本当に少なめで大丈夫です。しかし水をあげるときは常温の水をコップ一杯たっぷりとあげます。鉢の中の空気を入れ替えるように、たくさんの水を使ってくださいね。

風通し

胡蝶蘭を育てるうえで風が通ることが大切です。空気が循環するようにしてください。風の強さはそよ風が最適です。エアコンや扇風機の風が直接当たらないように注意して、胡蝶蘭の周りの空気を動かしていくようにすると胡蝶蘭の負担が少なくすみます。

また、風通しとは少し違いますが、胡蝶蘭の根っこも空気を含むようにする工夫が必要です。先ほどお伝えした水やりの仕方でも、たくさんの水を与えてあげることで中の空気が入れ替わります。胡蝶蘭の根っこは空気が好きですので、できるだけ空気が当たるように工夫してくださいね。ミズゴケと素焼き鉢で育てると一番空気が入りやすく管理がしやすいのでおすすめです。

【胡蝶蘭を育てるためのポイント】

  • 温度:15度から30度の間で育てる
  • 日当たり:直射日光を避けた明るいところが最適
  • 湿度:60~80%必要。加湿器や霧吹きで近い環境を作る
  • 水やり:水やりは、乾かし気味の頻度であげる。あげるときはたっぷりと
  • 風通し:そよ風ほどの風を胡蝶蘭の周りで流してあげる。エアコンや扇風機の風は直接当たらないように注意

以上に気を付けるだけでだいぶ胡蝶蘭を育てやすくなります。

まとめ

胡蝶蘭の葉に穴が開くのは、菌やウイルス、虫などが原因でなることが多くありました。しかし胡蝶蘭は常に菌と一緒に暮らしています。そこで自分の生命力などで菌とのバランスをとって生きているのですが、環境が少し変わってしまうとバランスが保てなくなってしまうと病気になりやすくなってしまいます。

胡蝶蘭はとても繊細です。胡蝶蘭自身の生命力は強い方なので、環境を整えることはその生命力を最大限に引き出すことと同じです。

育てる環境を整えて胡蝶蘭の生命力を最大まで引き出して、胡蝶蘭の花を毎年咲かせてあげたいですね。