胡蝶蘭の根腐れの原因は何?症状と対処法について

最近、育てている胡蝶蘭が、「元気がないな。」と感じた事はありませんか?

もしかしたら根腐れを起こしているのかもしれません。

胡蝶蘭は正しいお水のやりかたをしないと根腐れを起こして、枯れてしまいます。せっかく綺麗に咲いている胡蝶蘭ですから、なるべく長くいい状態を保ちたいですよね。

では、一度、枯れてしまった胡蝶蘭は根腐れから回復することはできるのでしょうか。また、新しい花を咲かせる事はできるのでしょうか。

そこで今回は、胡蝶蘭の根腐れを起こしてしまう原因から対処法についてお話していきます。

根腐れの原因

根っこ

胡蝶蘭が根腐れしてしまうのには、いくつかの原因があります。その原因は主に2つあります。順にあげていきたいと思います。

水のやりすぎ

胡蝶蘭は一般的な植物のように水やりを頻繁にすると、根が腐ってしまいます。胡蝶蘭の性質は、少し他の植物とは異なり、光合成の仕組みが違うため、水やりは気を付けなければいけません。

胡蝶蘭は、本来、熱帯・亜熱帯のジャングルで高い木の枝のコケの上などで生育する着生植物です。木陰の乾燥したわずかな栄養と水分で生育し、美しい花を咲かせる植物なのです。

元々、昼間のエネルギーも消費が少なく、最小限のエネルギーで光合成ができる植物です。

そのため、水は控えめに、タイミングは10日に1度ぐらいを目安に水やりをして下さい。
水苔が乾いてから3日後ぐらいがちょうどいいでしょう。

肥料のやりすぎ

胡蝶蘭は、元々、栄養の少ない環境で自生する植物です。そのため、肥料のやりすぎには注意しましょう。

ただ、肥料は暖かくなってきた春から必要になります。花が咲く5月頃に向けて栄養が必要になってきますので、この時期から肥料をあげる事が大切になってくるのです。

そして、この時の肥料が、花を咲かせる養分になっていくので、花が咲いている時に多くの肥料は必要ありません。

根腐れの症状

葉っぱ

胡蝶蘭の根は蒸れに弱い為、常に鉢の中の水苔に水分があり、蒸れた状態が続くと、多湿を好む細菌に感染し根腐れを起こしてしまいます。根腐れを起こすと枯れてしまう原因となります。

胡蝶蘭の根腐れの初期症状は、葉や花などに現れます。

では、具体的にどのような症状が出るのか見ていきましょう。

葉のツヤがなくなりシワが目立ってくる

葉のツヤがなくなりシワが目立ち始めるのが、根腐れの代表的な症状です。葉のシワ以外には、茎のシワも出てきます。

根腐れを起こした胡蝶蘭は、すぐには枯れませんが、葉が黄色くならずに根元から落ちたりもします。

花が咲かない、花が枯れ始める

「花が咲かない。」「または咲いていた花が以前に比べて枯れるのが早い気がする。」というのも根草の症状のひとつです。

頂き物の胡蝶蘭の鉢植えで多いのが、水のやりすぎにより、花が早々に枯れてしまいます。

本来2ヵ月ほど開花し続ける花が、しおれるように弱って生気をなくす為、水が足りてないのかとよけい水やりをしてしまい、根腐れを加速させてしまいます。そして、花だけでなく葉を含めた全体をも枯らしてしまいます。

植え込み材に変化がある

胡蝶蘭の植え込み材を観察してみて、その植え込み材に白っぽいものが確認できたら注意が必要です。水苔の表面に白いカビが発生したり、カビ臭いかったりなどの症状が現れると根腐れが起きる原因となります。

根腐れした時の対処法

植木道具

根腐れした胡蝶蘭の対処法は、「植え替え」です。

根腐れを起こした根は、黒く変色してスカスカしており、栄養が吸収できなくなっている為、古い水苔とともに早急に植え替えの対処をする必要があります。

胡蝶蘭は根腐れでは急に枯れはしないものの、そのままにしておくとやがて根全体が腐り、茎までもむしばんでしまい手遅れとなってしまいます。

根腐れしているとわかったら、できるだけ早く傷んだ根を取り除いて、新しい鉢に植え替えて下さい。

植え替えの準備

新しい水苔・洗って清潔な鉢・消毒した園芸用ハサミを準備します。ハサミの消毒には、焼く方法と漂白剤の塩素消毒があります。

鉢は最近少なくなりましたが、プラスチック製ではなく素焼きの通気性の良い鉢が胡蝶蘭には良いです。

植え替え方法

古い鉢から胡蝶蘭を取り出し、古い水苔を取り去り、傷んだ根をハサミで切り落とします。

新しく健康な根は白っぽい緑色をしており、つまむと張りと弾力があります。

傷んで根腐れを起こした根は、黒く変色をしておりつまむとスカスカ、ブヨブヨとしていす。

根の処理が終わったら、新しい水苔を根に巻き付けるようにして鉢に埋め込みます。

この時、水苔は、切り口からの細菌感染を防ぐ為に乾燥した水苔を使う方法と、軽く湿らせた水苔を使う方法があります。

植え替え後の注意

植え替え2、3日~2週間の水やりと肥料は、細菌感染防止と株の負担になる為、不可です。植え替え時期は根腐れを認めた時期ですが、何も異常がない場合の植え替え時期は、春がベストと言われています。

根腐れの為、健康な根がほとんどなくなってしまった胡蝶蘭でも、株に細菌感染が及んでいなければ手入れと植え替え次第では助かる場合があります。

稀ですが、このような状況に陥る前に、胡蝶蘭が危機を察知して、本体株とは別に新芽のような枝分かれした株別れをしている事があります。その際には分けて植えると良いでしょう。

まとめ

胡蝶蘭の花が素晴らしいものだけに、このような状況に陥った時はショックが大きい事でしょう。

しかし、正しい対処法を早急に行えば、手遅れにはならずに新しい花を再度咲かせる事ができるのです。

もし、育てている胡蝶蘭に根腐れの症状が出ていたら、これらを参考にして、また新しい命を吹き込んであげましょうね。