胡蝶蘭に必要不可欠なものは鉢だと思います。その鉢の中でも駄温鉢という鉢の種類があることをご存知ですか?
いろいろな鉢の種類がある中で、胡蝶蘭にとって駄温鉢は相性がいいのでしょうか?駄温鉢で育てる場合はどのようなところに注意して育てればいいのかなど、見ていこうと思います。
そもそも駄温鉢ってなに?胡蝶蘭でよく使われている鉢とは
駄温鉢(だおんばち)とはいったいどういった鉢なのでしょうか?
鉢というのは、植物に必要な土と根っこを支えてくれる大切な役目です。
しかも、鉢といっても駄温鉢をはじめ、素焼き鉢、陶器、プラスチック、ポリポットなどいろんな種類があります。
しかも鉢によって特性が違ってきます。
胡蝶蘭に使われているのは、素焼き鉢、プラスチック、ポリポットが主になってきています。
素焼き鉢は乾きやすい特徴を持っているので、ミズゴケ栽培が主流の胡蝶蘭では特に相性が良い鉢です。
プラスチックとポリポットは通気性が悪いのですが、胡蝶蘭にとって最近相性が良いといわれるバークチップ(木の皮)の植え込み材は乾きやすいので、乾きにくいプラスチックとポリポットは水分の調節がしやすくなり相性がよくなります。
その中で駄温鉢は、素焼き鉢をもっと高温で焼いたものです。素焼き鉢は薬も塗らないで焼くのに対し、駄温鉢は高温で焼くので、鉢自体が丈夫になり、素焼き鉢に比べて通気性は悪くなります。
駄温鉢は一般的な植物に対して幅広く使われています。
駄温鉢と素焼き鉢、テラコッタ鉢との違いは、素焼き鉢は何も塗装されていないものなのに対して、駄温鉢は鉢の上部に薬を塗られているので色が変わります。上の部分だけつるつるしているように感じて色が濃くなっているのは駄温鉢です。
素焼き鉢との違いや駄温鉢の注意点とは
素焼き鉢とは見た目はあまり変わらないのですが、駄温鉢との大きな違いは先ほども言った通気性です。
素焼きは700から800度の高温で焼いていて、表面に小さい穴が無数に開いています。
そのため水が乾きやすい特性を持っています。
駄温鉢は上部にだけ釉薬を塗って素焼きよりも200度から300度高い1000度の高温で焼いていきます。
先ほど言った通り駄温鉢の通気性はよくありません。素焼き鉢と同じようにみえますが、実際は違うものです。
しかし駄温鉢はプラスチックの鉢と素焼き鉢の間くらいの特性をもっていますのでとても使いやすいです。
しかし相性がいい植物が多いので使われていることも多いのですが、頑丈になっている分重いという特性があります。
素焼き、駄温鉢、プラスチックで比べると
- 通気性
素焼き>駄温鉢>プラスチック
- 吸水性
素焼き>駄温鉢>プラスチック
- 撥水性
素焼き>駄温鉢>プラスチック
- 頑丈度
駄温鉢>プラスチック>素焼き
駄温鉢と胡蝶蘭の相性とは
胡蝶蘭にとって駄温鉢は相性がいいのでしょうか。
胡蝶蘭と駄温鉢は素焼き鉢よりは相性はよろしくないといえます。
しかし駄温鉢はとても幅広く使える鉢なので、胡蝶蘭にとって素焼き鉢でないといけないということはありません。
駄温鉢でも育てていくことはできます。
先ほどもお伝えした駄温鉢の習性を理解できれば、駄温鉢で育てていくこともできます。
まず、胡蝶蘭にとって相性がいいのは、素焼きの鉢にミズゴケです。ミズゴケの吸水力と保水力を素焼きの鉢がうまく発散してくれるので、胡蝶蘭にとっていいバランスで乾いたり濡れたりしてくれます。
胡蝶蘭にとって根っこが乾いたり濡れたりすることが重要です。
しかし駄温鉢ですと、素焼きの鉢よりは乾きにくくなります。
ミズゴケが乾いているのを確認してから下からあふれるほどの水を与えます。
受け皿にたまったお水はすぐにとるようにしてくださいね。
しかし素焼き鉢でも安定するまでは時間がかかるので、駄温鉢で育てるのは難しいと思ったほうがよいでしょう。
コツは乾かし気味に育てることです。
しかしミズゴケもバークも、乾きすぎてしまうと次の水を吸収しにくくなってしまいます。
水をあげても吸収しないので、あげた水がそのままダダ漏れになってしまいます。一度濡らして吸水させてあげる必要があります。
水をためてそこにミズゴケを入れて10分ほどおいて吸収させるようにしてくださいね。
また、駄温鉢でバークにすると今度は乾かし気味になりやすいので水やりの頻度が上がる可能性があります。
水をあげてもあげても足りないことも出てきます。
特に水をよく吸収する夏場なんかだと、毎日あげても乾いてくるなという印象を受けてしまうこともあるでしょう。
バークを素焼きで植えると、毎日水をやっても足りないくらいです。そのためプラスチックやポリポットなどの乾きにくい素材の鉢は相性がいいのですが、駄温鉢だと少し乾きやすくなってしまう印象があります。
ミズゴケもバークも乾き具合を確認しないといけません。
駄温鉢で育てる場合は、育てるのが難しいことを十分に理解してから育てるようにしてくださいね。
まとめ
駄温鉢はいろんな植物と相性がよくて、植物を育てやすい鉢です。
しかし胡蝶蘭には少し相性がよろしくないことが多いようです。胡蝶蘭を育てる初心者は相性いい鉢に変えたほうが良いでしょう。もし駄温鉢で胡蝶蘭を育てないといけない場合は胡蝶蘭の根っこが根腐れを起こさないように注意してあげる必要があります。