胡蝶蘭の植え替えをした後にどのような管理をすればいいのか分かりにくいですよね。あまり管理を必要としないとされる胡蝶蘭でも、二年に一回は植え込み材の植え替えを行うことは必要です。
しかし、植え替えの仕方を見て完璧にしても、植え替え後って細かくどんなお世話をすればいいのか分からない方に向けて、植え替えの仕方と植え替え後の様子の見方に付いてお伝えしていきます。
胡蝶蘭の植え替えで気を付ける三つのこととは

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胡蝶蘭のお花はとても大きくて見ごたえがありますよね。その存在感の高いお花をたくさん堪能することができてお花が咲いている間とても満足できると思います。
しかし、満足させてくれていた胡蝶蘭も花が終わったら大事な作業が待っています。
次の時季にもお花を咲かせてくれるようにするためには植え替えはとても大切です。
植え替えを行うのは、春から夏にかけてです。できれば4月頃が一番といわれていますが、基本的に花が咲き終わってから行います。
冬の植え替えは行いません。株が弱っている時期ですので、緊急性がない限りはやめておいたほうが良いでしょう。
- 頂いたり買ったりした胡蝶蘭の花が終わったあと
- 2年に一度
- 病気になってしまったとき
以上が胡蝶蘭の植え替えをするタイミングです。
胡蝶蘭の植え替えで気を付けることは、3つあります。
- 株を一つずつ分ける
- 胡蝶蘭の植え込み材を合わせる
- 根を傷めないように植え込み材から優しく離し、枯れている根は切っておく
胡蝶蘭は最初寄せ植えの状態になっているので、一つずつ株を離して管理してあげます。
ミズゴケを使っていたものをバークで育てる、またはその逆などをする場合は、胡蝶蘭にとって環境がとても変わってしまうため、枯れやすくなってしまうので注意が必要です。
ミズゴケならミズゴケ、バークならバークと合わせてあげましょう。
その時の植え替えの時の注意点はこちらに書いています。
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根は清潔な手とはさみで触ってくださいね。鉢から根を取り出すと根っこが植え込み材と絡まっています。特にミズゴケは絡まりやすいのですべて外してあげます。黒かったり弾力がなかったりしているものは枯れている可能性が高いので切ってあげます。
黄色くても太くて弾力があるものは元気なので、そのままでも大丈夫です。
バークもミズゴケもすべて新しいものを水に浸してから胡蝶蘭の根を包み鉢に入れていきます。
植え替えた後にする大切なこと

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胡蝶蘭の植え替えで気を付けることなどは、こちらにまとめていますのでご覧になってくださいね。
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しかし、不安なのは植え替えを行った後からですよね。
胡蝶蘭の植え替えでは、2週間ほどは水やりは様子を見たほうがいいといわれていますが、春や夏などの胡蝶蘭が成長する時期は胡蝶蘭の水を吸収する量が多いです。そのため一週間ほど様子をみて水を与えてあげます。
根が腐っていた時に植え替えを行う時は、株が弱っている状態です。
株が弱っていると根が水を吸えなくて胡蝶蘭にはつらい状況ですので、落ち着くまでに2週間ほど様子を見ます。
水を吸っていないためミズゴケなども一週間たっても濡れている可能性もあります。
そこにまた水を足してしまうと、蒸れてまた病気になってしまう可能性があります。
病気が原因で植え替えを行った場合、心配ですが気長に様子を見守ることも必要になってきます。
また、水やりをしない間、霧吹きなどで葉っぱに水を与えてあげるのは大丈夫です。
朝晩行ってくださいね。
植え替え後の環境
植え替えをした後は胡蝶蘭をどういった場所に置くのが良いのでしょうか。
胡蝶蘭は直射日光が苦手なので、直射日光が当たらない明るいところにおいてください。窓辺のレースのカーテン越しが良いと思います。
また、風が流れている場所にもおいてくださいね。風がなくてよどんでいる場所を胡蝶蘭は好みません。
強い風は逆効果になってしまいますので、エアコンや扇風機の風があたるところはよくありません。胡蝶蘭が息をすることができなくなってしまいます。
窓やドアを頻繁に開けるリビングが一番だといわれていますが、その家によって環境が変わってきますのでご自身のお宅で胡蝶蘭が最適な場所になるところに置くようにしてくださいね。
日を遮ることができれば外に置くのでも大丈夫です。胡蝶蘭はきちんと日が遮られていて風通しが良い場所なら35度までは耐えることができる強いお花です。
しかし、室内で育てる場合は高くても30度までにしておきます。
外に置く場合は室外機などのそばにはおかないように気を付けてくださいね。
強い風も出ますし、室外機は夏場にクーラーを使っていると熱くなってしまいあっという間に35度以上になってしまいます。
外に置くと虫がつきやすくなったり頻繁に様子を見たりすることができなくなるので、注意は必要です。
胡蝶蘭は、暑すぎても寒すぎてもよくないお花なので、冬は15度以下になるべくならないように、夏は30度を過ぎないような場所においてくださいね。
特に胡蝶蘭は東南アジアなど熱帯地方で生まれているので寒さにはとても弱いです。
胡蝶蘭には植え替え後に肥料って与えても大丈夫?

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植え替えたあとに肥料はすぐにはあげないでくださいね。
できれば1ヶ月ほど様子を見てから洋ラン用の肥料を与えます。
もともと胡蝶蘭は肥料を必要としないお花ですので、肥料を使う時もとても薄めて使うようにしてくださいね。
だいたい、1000から5000ほど水に薄めたものを使用します。水を与えるときに水の代わりに水に薄める肥料を使います。
植え替えは人間でいうところの手術のようなものです。
そして胡蝶蘭にとって肥料は、焼肉やステーキといった力がつく料理のようなものです。
しかし胡蝶蘭はCAM型植物といわれる植物です。これは少ない水でゆっくりと栄養をつくることができる砂漠にいる植物と同じ光合成の仕方をします。
このため胡蝶蘭は普段から、あまりカロリーを摂取せず野菜などしか食べない、精進料理のような食事をしているようなものです。
手術をした後は通常の人間でも白湯(さゆ)からおかゆになり、徐々に硬い料理を食べられるようになります。
植え替えも同じで、最初は水だけです。まず先に環境に慣れさせることから始めます。
健康な株なら1週間ほどで乾いてきますので、そろそろ水をあげる準備を始めても大丈夫です。
肥料をあげるのは、何回か水を与えて環境に慣れたと思われる1ヶ月を目安に与えると良いでしょう。
水をあげるときは、ミズゴケの表面が乾いていて鉢の底が湿っている状態でコップ一杯のお水を与えてあげます。
ミズゴケがからからに乾いてしまうと、ミズゴケ自体が水を吸収してくれなくなります。すると胡蝶蘭が吸える水がすぐに鉢から流れてしまって水不足になるので、からからに乾いてしまったら一度水をコップ二から三杯ほど流して多めに入れた後に、時間をおいてまたお水を入れてあげるとミズゴケは十分に水を吸えるようになっているはずです。
鉢ごと水につけるという手もあります。
植え替え後の胡蝶蘭は体力が弱くなっているので、水がからからに乾いてしまうほど放置をなるべくしないでくださいね。
また、植え替えによって弱くなっている胡蝶蘭は地面に置かずに台のようなものを使って地面から少し距離をとると虫などにもやられにくくなります。
まとめ
植え替え後に気を付けることは、刺激をあまり与えないことが良いんですね。
胡蝶蘭の快適な環境を知ることで胡蝶蘭にとってしてほしくないことが分かりました。
胡蝶蘭に最適な環境を作ってあげて、植え替えによって弱っている胡蝶蘭自身の力を信じて最低限のお世話に徹するようにしましょう。