胡蝶蘭は霧吹きで水やりをして長持ちさせよう!

胡蝶蘭はお祝いの際や贈り物に喜ばれる花で、水やりの頻度も少ないため育てやすく、自宅用にもおすすめの植物として人気です。

今回は胡蝶蘭に霧吹きを使って胡蝶蘭に水やりするメリットや方法、水やりのコツを紹介します

「胡蝶蘭が根腐れを起こしてしまった」「何となく元気がなくなった」という方は、この記事を参考に霧吹きを使って水やりする方法を試してみてください。

霧吹きを使って胡蝶蘭に水やりをするメリット 

胡蝶蘭の鉢の高さは3本立の比較的少ない輪数(27輪~33輪)の胡蝶蘭でも85cm程度と大きく、高級感のある花を付けます。

芸能界や政財界でも定番の祝い花で、開店・開業祝いの贈答の花としてもよく利用されますね。

そんな胡蝶蘭に霧吹きを使って水やりをする理由は胡蝶蘭の特質にあります。

  • 胡蝶蘭は寒さと乾燥に弱い
  • 胡蝶蘭の根っこは湿気に弱い
  • 胡蝶蘭の葉は日中水分を吸収しにくい

胡蝶蘭の特質を念頭に置きながら、霧吹きを使った胡蝶蘭への水やりをするメリットを解説していきます。

葉をキレイに保てる

胡蝶蘭は本来東南アジアのフィリピンや台湾に生息する多年生の着生植物(土に根を張らず、木の上や岩盤などに根を張る植物のこと)です。そのため、水分や養分は根っこからではなく葉から取り込みます。

胡蝶蘭の葉に霧吹きを使って水やりすることで、葉の表面をキレイに保つことができます。また、肉厚の葉っぱなのでほこりや汚れが付きやすいため、葉水をすることで表面の汚れを落とすことができるのです。

葉の乾燥を防ぐ

冬場の暖かい場所はどうしても暖房などで乾燥しがちです。胡蝶蘭は湿気を好むため、葉っぱへの水やりは霧吹きを使って、葉の表と裏にしてあげましょう。

また、夏場は暖かくなってしまうので、霧吹きで水をかけてあげることで温度が下がります。葉に直接かけるのではなく、ミストのように空気を取り込みながら霧状にかけると効果が上がるでしょう。

しかし、霧吹きで水やりをしたあと、残った水が胡蝶蘭の根元に溜まると、株を弱らせる要因になりますので注意してください。水が溜まった場合は、柔らかい布やティッシュを使って水分を吸い取りましょう。

害虫予防になる

植物に虫が付くと、必要な養分を吸い取られるばかりか、病気を植えつけます。

特に厄介なのがカイガラムシやハダニです。目に見えにくいハダニは水分を嫌いますので、霧吹きで葉っぱに水やりをすると、ハダニを寄せ付けない効果があるでしょう。

霧吹きを使った正しい葉水の方法

上述しているように、胡蝶蘭は土に自生するのではなく木や岩盤に自生する植物です。

根っこが地上に出ていて土から水分を吸収しないため、葉っぱから水分を摂取する必要があります。

ここからは、胡蝶蘭の霧吹きを使った正しい葉水の方法を紹介します。

ぬるま湯を使う

冬を乗り切らせるための胡蝶蘭の水やりは、水の温度が大切です。

植え込み材が完全に乾いた状態を確認し、20度程度のぬるま湯を与えるようにしてください。

水温が低すぎると、株に負担がかかるので水やりの温度には注意しましょう。特に、休眠期は水の温度が重要になります。

葉水のあとは乾いた布で拭き取る

胡蝶蘭の葉の表面は、クチクラ層というろう状の表皮で覆われていて、内部の保護や水分の蒸発を防ぐ役割があります。

一方葉の裏側は、表面よりもクチクラ層が薄いため、水分の吸収率が高く吸収されやすいのが特徴です。

そのため、胡蝶蘭の葉水は表と裏両方に噴霧しましょう。

また、水は湿り気を与える程度にして、落ちて根元に水分が溜まったり、葉の谷間に溜まったりした場合は、布などの柔らかいもので拭きとってください。

注意点として、花に水がかからないように十分注意して葉水をやることが重要です。

気化熱のせいで、花びらの水が急激に蒸発し、花びらが傷んでしまうことで花の寿命を縮めてしまうため、注意しましょう。

葉水の頻度は毎日でも大丈夫

根に水分を与えず、根腐れしないため葉水の頻度は毎日行っても問題ありません。

胡蝶蘭には葉水が重要な役割を果たしますが、冬と夏ではやり方が違います。

冬は暖房を使用するため室内が乾燥しますので、1日に数回葉の表面と裏面に霧吹きで水やりをしてください。また、冬の葉水は朝の10時ごろまでに与えるのがよいでしょう。

夏場は気温が上昇しますので、胡蝶蘭の温度を下げるためにも、気温の上がる夕方に葉水をあげると、温度が下がる効果が得られます。

特に梅雨明けの夏は室内は空調等で乾燥しますので、ハダニ除けの効果も期待できるでしょう。

霧吹きを使った水やりのコツ

次に、胡蝶蘭の霧吹きを使った水やりのコツを紹介します。

コツを抑えてより胡蝶蘭をいきいきと長生きさせていきましょう。

水やりの頻度

気温の高くなる晩春から夏にかけてと秋の初めごろまでは、朝と夕方の2回葉水を行います。

暖房を使用するような気温の低い時期は、朝、昼、夕の3回行ってください。

なるべく毎日、同じ時間に行うのがよいでしょう。また、上述していますように、霧吹きで水やりをしたあと、葉の付け根部分に残った水は、カビが発生しやすくなってしまうため柔らかい布などで拭き取ることを忘れずに行ってください。

水は常温に戻す

水やり用の水は、あらかじめバケツに汲んでおき常温にすることが重要になります。

水温は20度ぐらいの微温水を与えることがコツです。冷たすぎると胡蝶蘭の根っこや株にダメージを与えてしまうことになるので注意しましょう。

冬場は霧吹きを使った葉水だけでも大丈夫

胡蝶蘭は一般的に1週間に1回の水やりをしますが、寒い時期に入ってからは徐々に減らすようにしてください。

秋に入ると胡蝶蘭の株が疲れてくるので、水やりをし過すぎないよう注意しましょう。

胡蝶蘭は根っこが濡れている頻度と乾いている頻度のバランスによって成長する植物です。冬場に水をやりすぎてしまうと、根腐れを起こす原因となりますので、霧吹きを使った葉水だけで充分でしょう。

霧吹きの水が多すぎるときに出る胡蝶蘭の症状

胡蝶蘭に霧吹きで水をかける水やりの仕方は、胡蝶蘭が長持ちすると評判がよく、多くの方が実践しています。

しかし、霧吹きでも水の量が多すぎると葉がしわしわになったり、根っこの色が変わったり、根っこにカビが生える場合があります。

ここでは、霧吹きの水が多すぎる際に出る胡蝶蘭の症状を紹介していきます。

葉がしわしわになっている

霧吹きの水が多すぎると出てくる症状の一つに、胡蝶蘭の葉がしわしわになることが挙げられます。

エアコンの風が直接あたるような場所や暖房機の近くに胡蝶蘭を置いていると、乾燥してしまい葉っぱがしわしわになる原因となります。

葉水を与えている場合でも葉っぱがしわしわになる際は、霧吹きで与える水の量が多すぎている可能性があるので量を半分ほどに控え、様子をみてください。

根の色が変わっている

霧吹きの水が多すぎると出てくる症状の一つに、根っこの色が黒く変色している事があります。これは、主に根っこの中心部分に出ることが多く、真ん中は通気性が悪いため、葉水をやる際はやりすぎに気を付けなければなりません。

葉水による水のやりすぎは、吹きかけた水が多すぎて葉っぱの根元や根っこにまで溜まってしまい、拭かないで放置した場合に起こります。

霧吹きで水やりをした際は、必ず葉の根元や胡蝶蘭の根元に水が溜まっていないかしっかり確認することが大切です。

根にカビが生えている

霧吹きでの水やりは、やりすぎることがなく重宝されている胡蝶蘭の水のやり方ですが、頻繁に与えすぎると根っこにカビが生えることがあります。葉っぱのみに吹きかけ、なるべく根の方にはかからないよう注意してください。

また、植え込み材に水がかかると、水やりのタイミングがわからなくなってしまいます。

胡蝶蘭に霧吹きで水やりをするときは、花に直接水がかからないように葉っぱの裏側から吹きかけるのがコツです。花の中央にあるめしべの中に水滴が入ると、雑菌やカビの原因になります。

まとめ

霧吹きを使って胡蝶蘭に水やりするメリットや方法、水やりのコツを紹介してきました。

胡蝶蘭は東南アジアの亜熱帯地方に生息する植物で、土中に根を張らず、木や岩盤に根を張る着生植物です。

そのため、寒さや乾燥に弱く、湿気を好みます。とても繊細に見えてたくましい植物なため、育てやすい品種といえるでしょう。

しかし、家庭で育てる際は根っこや花を傷めないために、霧吹きでの水やりがおすすめです。

霧吹きでの水やりのポイントは、

  • 20度前後のぬるま湯を使用する(水はバケツで常温に戻しておく)
  • 水やりをするときは、葉っぱの裏表にまんべんなくかけ、花や根っこ、茎にかからないように注意する
  • 頻度は、夏場は夕方に、冬場は午前10時頃に与えるのが理想的

注意事項として、スプレーした水が葉の中心に溜まった場合は、必ず柔らかい布で拭くことを念頭に胡蝶蘭を育成してみてください。

胡蝶蘭を育てる際には霧吹きを上手に活用し、長く胡蝶蘭を楽しんでいってくださいね。