お祝い事に用いられることが多い胡蝶蘭。
とても綺麗な見た目はもちろん、「幸せが飛んでくる」「共にする喜び」などの花言葉があり、とても縁起の良い花です。
そんな胡蝶蘭ですが、育てていると気になるのが病気です。「葉」や「花」にいつもと違う様子があれば、病気の影響かもしれません。ただ、胡蝶蘭の病気、と言われても、どんなものがあるのかいまいちわかりませんよね?
そこで今回は、胡蝶蘭の病気にどのようなものがあるのかを紹介していきます。
目次
胡蝶蘭の病気にはどんなものがあるの?
胡蝶蘭が病気になる場合、症状が出る場所は大きく
- 葉
- 花
上記の2つに分けられます。
枯れる、しおれる、などのわかりやすい症状のほか、斑点や変色など、注意して見ないとわかりづらいものもあります。
胡蝶蘭を育てる際は、日ごろから花や葉の状態をチェックしてあげ、早めに異変に気づいてあげるようにしましょう。
そして、胡蝶蘭の病気を改善してあげるために一番大切なことは、とにかく原因を特定すること。
原因や病気の種類によって対処法は異なるので、事前にある程度の知識を持っておくことがとても大切です。
ここからは、症状の出やすい「葉」と「花」に分け、その異変と原因・対処法を見ていきましょう。
胡蝶蘭の「葉」の病気。原因と対処法
葉の異変に気がついたらそれは病気かもしれません。
では、どのような症状の種類があるのでしょうか。
ここでは、その症状と対策について紹介していきます。
葉焼けの原因と対処法
「葉焼け」は直射日光を浴び続けた胡蝶蘭によく見られるものです。
特徴としては、葉っぱが黄色や茶色に変色していたり、乾燥して白くなっていたり、などが挙げられます。置いている場所の温度が高すぎると色がどんどん黒ずんできて、最終的には内部が壊死してしまいます。
対処法としては置き場所を変えることが良いのですが、もし緑の部分がほぼ変色したいたら、その部分を切り取ってください。
窓際にはレースのカーテンなどで直射日光が当たらないようにしましょう。
黒い斑点の原因と対処法
「黒い斑点」は炭素病という病気の一つです。
葉焼けの状態をそのままにしてしまうと、そこからカビが発生して、淡褐色の小さい斑点ができます。症状が進むと、そこからどんどん斑点が大きく、黒くになってきます。もし黒い斑点を見つけたら、斑点の周りを少し大きめに切り取り「ダコニール」や「ダイセン」などの薬剤を巻いてあげると良いでしょう。
胡蝶蘭の「花」の病気。原因と対処法
花の異変に気がついたらそれは病気かもしれません。
では、どのような症状の種類があるのでしょうか。
ここでは、その症状と対策について紹介していきます。
花に斑点が出る原因と対処法
花に「灰色の斑点」がある場合は灰色カビ菌によるものです。
最初は小さな斑点ですが、そのままにしておくと次第に大きくなり、灰色や緑色のカビが発生します。これは、寒すぎることで、ボトリチス菌というカビの一種に感染することが原因です。この症状を解消するためには保温が大切です。鉢植えの場合は、周りをダンボールなどで覆って温度を上げるようにしましょう。
花がしおれる原因と対処法
花がしおれた場合の主な原因としては、低温障害が考えられます。気温が低すぎることで花が弱り、垂れ下がってしまうことがあります。
胡蝶蘭はもともと熱帯地域に生息している花なので、寒さにはとても弱いのが特徴。
常に気温を15度以上に保たないと枯れてしまうため、温度の管理はもちろん、水をあげるときも冷たい水ではなく、少し温めるように注意しましょう。
「葉」や「花」の異変は害虫が影響していることも
上記で挙げた病気のほかに、もう一つ注意してほしいのが「害虫」です。病気と症状が似ていることもあり、なかなか判別は難しいかもしれません。
「特にこれだけは注意してほしい」という害虫をまとめたので、ぜひチェックしておいてください。
コナカイガラムシ
コナカイガラムシは、花や葉っぱの養分を吸い取ってしまう害虫です。
葉っぱの裏を見て、白くふわふわしたものが付着していたら、まずこの虫を疑いましょう。一枚だけでなく、何枚か葉っぱを確認することが大切です。
コナカイガラムシに付かれてしまった場合、害虫駆除剤を巻いた後は自然に葉っぱが落ちるのを待つしかありません。無理に剥がさないようにしましょう。もし「葉」や「花」に傷ができてしまうと、そこから別の感染症にかかってしまうリスクが上がります。
アザミウマ
アザミウマという害虫が花に寄生すると「花の変色」を起こします。
花びらのふちを確認するとわかりますが、黄色に変色している場合はアザミウマの影響が考えられるでしょう。
気温が高く乾燥しているときはアザミウマが寄生しやすく、寄生されると花が痛んでしまいます。
この症状の対策には、薬剤の「オルトラン」を使用する方法があります。
ナメクジ
家の中ではなく外、もしくはベランダで胡蝶蘭を育てている人は「ナメクジ」に要注意です。
ナメクジは「葉」だけではなく「花」や「根っこの先」まですべてを食い荒らしてしまうため、胡蝶蘭がまったく育たなくなってしまいます。
葉に虫食いの穴を見かけたときは、葉の裏などにナメクジが着いていないか確認するようにしましょう。乾燥している時期だと病気も考えられますが、湿度が高い梅雨時期などはナメクジの可能性大。特にその時期はナメクジが大量発生してしまうため、害虫防止の薬剤を使用するか、鉢周りに銅板を置くようにしましょう。
アリ
「アリ」は胡蝶蘭の大敵です。
アリが発生しているのをそのままにしてしまうと、胡蝶蘭がすべて枯れてしまう恐れがあります。とはいってもアリは「花」や「葉」をぱっと見てもすぐに気がつかないということもあるでしょう。なぜなら鉢の中から出てくることが多いからです。
根元にあるアリの巣を放置していまうと、そこから葉の裏の成分を目当てに湧いてきます。こうなってしまった場合の対処法は、殺虫剤を水に溶かしてから鉢をその中に漬けなければいけなくなります。
まとめ
病気の発見や対処を行うために、胡蝶蘭の異変は次早めに気がつくことが大切です。
胡蝶蘭はしっかり管理さえしていれば花が落ちてもまた綺麗な花を咲かせてくれますし、とても寿命が長い花です。
病気には、さまざまな原因がありますので、今回の記事を参考に対策するようにしましょう。