胡蝶蘭の葉っぱが溶けてブヨブヨしているとき、どのような対処をすればいいのか分からないですよね。
なんだか葉っぱが溶けてて気持ち悪いけど、できればまた綺麗なお花を咲かせてあげたい。また、他の植物と一緒に育てているのなら、他の植物に移ってしまわないか心配です。
今回は、胡蝶蘭の葉っぱが溶けてしまう原因と対処方法についてお伝えしていきます。
胡蝶蘭の葉が溶ける原因…軟腐病
胡蝶蘭の葉っぱが溶けてしまったような症状の場合、それは高い確率で軟腐病の場合が多いです。
軟腐病は、強力なウイルスが原因になっているので、もし他の胡蝶蘭や植物が近くにいる場合、早めに別の場所に移動させてあげてください。折角元気な植物に軟腐病が移ってしまいます。
軟腐病の原因は主に二つあります。
一つは、カビが原因のもの。
もう一つは、細菌性のウイルスからなるものです。
特に気温が高く湿気が多い、梅雨から夏場にかけての発生率が高くなり、33度以上の気温がある場合は注意が必要です。
元気な個体でも軟腐病になってしまうことがあります。
それは「傷口」です。
胡蝶蘭の葉っぱは分厚いのですが、頑丈かといわれるとそうではありません。何かが葉に当たってしまえば傷になります。また、ハダニなどの虫に噛まれて傷が出来たようになることがあります。
軟腐病の原因はウイルスなので、その傷口から侵入してあっという間に感染し広がってしまいます。
感染すると、胡蝶蘭の葉っぱにまず斑点が出来て葉全体に広がっていきます。
そして徐々に黄色くなって腐ってしまいます。
みるみるうちに、葉っぱの組織が破壊されていき、溶けたようにブヨブヨとしてしまうのです。
そしてその中身が飛び出し、葉っぱが薄くなります。
怖いのが、この中身が漏れ出してしまった後です。この中身には、ウイルスが沢山含まれているので、気が付くと他の植物にも移ってしまう可能性があるということ。
軟腐病は、早めに対処をして、他の植物に移らせないようにする必要があります。
軟腐病になってしまったときの対処
軟腐病になってしまったら、食い止めるのが難しくなってしまいます。
まず他の植物に移さないように、場所を移動させます。
もし環境が悪い場合は、改善をする必要があります。
まず、手を洗いましょう。
そして葉を切り取るためのはさみを、きちんと消毒しておきます。消毒は、熱湯や火であぶったり、消毒液につけておきます。
用意するものは、消毒済みのはさみと台所用のキッチンハイター、手袋です。
葉っぱをぶよぶよして溶けているところから、大きめに切ってください。
切り口を塩素系の台所洗剤(キッチンハイター)の原液を塗ります。塩素系の洗剤は洗剤の中でも強力なので、あまり吸い込みすぎないようにしましょう。
また、手についてしまうと荒れてしまいますので、手袋などをしてガードしてください。
筆などがあると塗りやすくなると思いますが、なくても大丈夫です。
きっちりと裏側にも塗ってください。
溶けているブヨブヨした部分に触ってしまった場合、他のものを触らないように注意してくださいね。
切り取った葉っぱも、新聞紙などに包んでビニールなどで密閉をして、すぐに処分するようにしましょう。
使い終わった後のはさみはきちんと消毒をしておきます。
ハイターを付けた胡蝶蘭への水やりはしばらくしないで様子を見てあげてください。
軟腐病にならないための対策とは
軟腐病になってしまった胡蝶蘭を見つけたら、他の株や植物と離すようにしてください。
軟腐病の原因となる菌はとても感染力が強く、水でも空気でもどちらでも生きることが出来ます。
軟腐病になってしまった胡蝶蘭に勢いよくホースで水を与えたりすると、その水しぶきがかかってしまった植物が感染してしまいますし、風に菌が乗って植物に感染することがあります。
もし、胡蝶蘭の葉の根に近い部分が溶けているような症状の場合、もったいないですが、株から処分をしてください。そのまま根っこまで感染してしまい、助からないばかりか他の者にも移してしまうからです。
もしこの感染してしまった鉢を再利用したいと思ってもやめておいた方が無難です。時間が経ってからでも、その鉢を使うことによって感染してしまうことがあります。
胡蝶蘭にとって、軟腐病にしない環境づくりが大切です。
- 直射日光に当たらない明るい場所
- 湿度は高めの60~80%が理想
- 葉水は裏と表に
- 風通しは大切
- 18度から30度まで
- 水やりの頻度は少なめに
以上の環境が作れているかどうか、再度確認してみましょう。
直射日光に当たってしまって葉焼けした部分から感染することもあります。
葉に水分が足りなくて、ハダニなどの虫が発生。そのまま食べられてしまい葉に傷がついてしまってそこから感染してしまいます。一日に最低4回は裏と表に葉水をしてあげてください。
特に軟腐病が広がりやすい梅雨と夏場にかけては、そよ風程度の風通しがある場所に置いて空気が淀まないようにします。
温度が低くても高くても胡蝶蘭の自己免疫は落ちてしまいます。最悪枯れてしまいます。
水やりは頻度が高いと腐ってしまいます。基本乾かし気味に育てるとうまくいきます。5日から2週間の間で、植え込み材の表面が2~3センチほど乾いていて、鉢の下の方の植え込み材がほんのり濡れている状態がベストです。コップ一杯分の水をあげてくださいね。受け皿に水がたまらないようすぐに水の処分をしてください。
まとめ
胡蝶蘭の葉が溶けてしまう症状の場合、軟腐病にかかってしまっている可能性が高く、しかも感染力が高いので他の株や植物を離す必要があります。
強い薬で対処が必要なほど強い菌なので、正しい処置の仕方をしてくださいね。また、様子を見て葉の根っこの方が溶けている場合、株自体を捨てるようにしましょう。
早く見極めないと、胡蝶蘭だけじゃなく育てている植物が全滅してしまうことになってしまいます。