胡蝶蘭を育てる時の心得

縁起の良い花として贈ると喜ばれる胡蝶蘭。見た目の華やかさであったり、「幸福が飛んでくる」という素敵な花言葉があったり、コツさえつかめばとても簡単に育てる事ができる花です。胡蝶蘭がお祝いの品に選ばれる理由にもなっています。

そこで、今回は胡蝶蘭の育て方や、病気になった時どうしたらいいのか?胡蝶蘭が枯れてしまった時の植え替えについてお話していきたいと思います。

胡蝶蘭の育て方

胡蝶蘭

胡蝶蘭の原産地は、熱帯、亜熱帯の東南アジアの熱帯雨林です。1年中温潤な気候の中、木の幹や樹皮のコケ等に着生する着生植物です。原産地の環境に近づける為、いくつかの注意が必要です。

置き場所に注意する

胡蝶蘭は暖かく風通しの良い半日蔭の場所を好み、乾燥に強く、寒さに弱いという特徴があります。

直射日光が当たらないカーテン越しの半日蔭に当たる窓際に置きましょう。植木鉢の中には、土の替わりの水苔をいれて下さい。水苔は、硬く絞った、布巾くらいの湿度ぐらいがいいでしょう。原産地である東南アジアの熱帯雨林の気候の中、高い木の枝の表皮に着生している環境をイメージすると良いかも知れません。

水のやりすぎに注意する

胡蝶蘭は、木に寄生しているのではなく、必要な水分は木の枝にかかる僅かな水分と、空中の霧などの水分を授記に張り巡らせた根や葉から吸収し、夜間に光合成をおこなっています。

元々木の上に着生し僅かな水分で生育していたので、普通の植物のように、こまめに水やりをしてしまうと、水のやりすぎにより寝腐れをおこして枯れてしまいます。水やりの頻度は、植え込み材料を軽く指で押してみて乾いていたら水やりのタイミングです。

胡蝶蘭の季節別の育て方

胡蝶蘭

胡蝶蘭は季節ごとに育て方に違いがあります。

窓際の風通しの良い場所に置き、植え込み材の乾き具合を見ながら、1週間~10日に1度くらいの目安です。植え込み部分の乾き具合を見極めて調整して下さい。

エアコンの風が直接当たらない風通しの良い場所に置き、水は1週間に1回くらいの目安です。

窓際の日が当たる風通しの良い場所に置き、水は10日に1回くらいの目安です。

急激な冷えや乾燥をおこさないように、気温が下がる夜間は暖かい場所に移動するか、窓際の冷気を遮断する工夫をして下さい。植え込みや葉っぱなど、 胡蝶蘭の状態をよく観察してあげて下さい。

窓際の日が当たる風通しの良い場所に置き、水は2週間に1回くらいの目安です。

花が咲いている時でも葉のみでも、休眠期の為、肥料は必要ありません。

梅雨

梅雨の時期は、葉や根から水分を吸収している為、水やり頻度や量は、植え込み部分の乾き具合を見極めて調整して下さい。

胡蝶蘭が病気になったらどうしたらいいの?

水やり

胡蝶蘭の病気は葉や根が腐ったり枯れたりいろいろな症状が出ます。病気にも何種類かあります。

軟腐病

葉に濡れたような斑点が出たり、葉がブヨブヨになって腐ったりした時は「軟腐病」または「褐斑細菌病」になっている可能性が高いです。「軟腐病」が発生すると、感染力が強く、他へ菌が飛散しまので、感染した葉は切り取り、切り取った切り口を塩素系漂白剤の原液を塗り消毒して下さい。

炭そ病

最初は淡い褐色の小さな円形斑点ですが、やがて大きく黒色の斑点ができる病気です。発病した時には斑点の周りを5ミリ程広めに切り取り、「ダイセン」「ダコニール」などの薬剤を散布して下さい。

灰色カビ病

小さな褐色の斑点が発生して、しだいに斑点が大きくなり、灰色や緑灰色のカビが発生する病気です。この病気は主に湿度の高い時に発生しますので湿度を下げる事が重要となります。発病したら患部を切り取り鉢の周りを段ボールなどで囲って温度を上げるのがいいでしょう。

胡蝶蘭に害虫がついたらどうしたらいいの?

胡蝶蘭には寄生する害虫がいます。胡蝶蘭に寄生する害虫がウイルスやカビを媒介し、病気を広める事があります。その為、害虫は見つけた場合は早めに駆除する事が必要です。害虫は何種類かいますので対処法と一緒に紹介していきましょう。

カイガラ虫

カイガラ虫は1度発生すると完全に駆除する事が難しい害虫です。

見つけたら初期に駆除する事が大切です。

対処法は、古歯ブラシや綿棒などでこすり落とし、こすり落とした後に、カイガラ虫に有効な殺虫剤(スプラサイト、オリオン等)で駆除して下さい。

1回で根絶は難しい為、2週間に1回ほど継続して観察し、根気よく駆除する事を心がけて下さい。

ハダニ

胡蝶蘭の葉っぱなどに白い糸が見えたらハダニです。ハダニは、8月などの高温で乾燥する時期に発生します。温室で育てているならば1年中発生する可能性がありますので注意が必要です。

ハダニの対処法はケルセン乳剤などを寄生した部分に散布します。ハダニは乾燥すると発生しやすいので、霧吹きで葉水をする事で予防できます。

ナメクジ・カタツムリ

夜の間に、葉っぱの新芽や、花芽の柔らかいところを食べます。あまり室内では発生しませんが、梅雨にはナメクジによる被害も増えます。花芽や新芽、根の先を食われ、かじられたところから菌が入って軟腐病になるなど被害が大きいです。ナメクジは銅イオンを嫌う傾向がありますので、予防策として鉢の周りに銅板(銅箔)を置くのも良いでしょう。

胡蝶蘭の植え替えについて

胡蝶蘭は花が咲き終わった後、枯れさせてしまう事がよくありますが、胡蝶蘭は枯れてしまっても植え替えすれば、もう1度花を咲かせる事ができます。

植え替えの準備

花が咲き終わった胡蝶蘭は、まず花芽をハサミで切り除きます。鉢から株を取り出し、古い水苔をほぐして取り除きます。取り除いた水苔は捨てて下さい。次に腐っている根や黄変した葉を取り去ります。この時使うハサミは病気が伝染しないようにあらかじめ消毒しておいて下さい。

植え替え方法

根に新しい水苔を絡ませるようにして多めに巻き付け、鉢に両手の親指で押さえつけながら詰めます。(親指の第1関節ぐらいまで)

最初の1週間ほどは切った根から病原菌の侵入を防ぐ為、水を与えないようにします。

その後は、7日~10日に1回くらい水をあげて下さい。

まとめ

いかがでしたか、胡蝶蘭の季節ごとの育て方と胡蝶蘭には沢山の病気と害虫がいる事がわかったと思います。

もし、病気になった時はこの対処法をもとに駆除して下さいね。胡蝶蘭の植え替えに困った時にも参考にして下さいね。