胡蝶蘭は花の女王とも呼ばれており、上品さと華やかさを兼ね備えている植物です。お祝いシーンでの贈り物としてはもちろんのこと、インテリアとしても楽しまれています。
そんな胡蝶蘭ですが、大切に育てていても葉が変色したり花が落ちてしまったりなど、病気になってしまうことがあります。その際、何が原因でどのように対処したら良いのか分からず、困ってしまう方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、胡蝶蘭がかかる病気の主な原因や対処法を解説します。病気のサインをできるだけ早く見つける方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
胡蝶蘭がなる病気の主な原因
胡蝶蘭がかかる病気の主な原因には、主に3種類挙げられます。
- ウイルス
- 細菌
- カビ
これらの原因以外にも、胡蝶蘭の生育環境や管理方法が病気の原因となる場合があります。ここでは、胡蝶蘭が病気になる主な原因について詳しく解説します。
ウイルス
胡蝶蘭が病気になる原因として、ウイルスが挙げられます。ウイルスは、目に見えないほど小さな病原体であり、胡蝶蘭に感染するとさまざまな病気を引き起こします。
胡蝶蘭に感染するウイルスは30種類以上あるといわれており、その中でも「CyMV(シンビジュウムモザイクウイルス)」や「ORSV(オドントグロッサムリングスポットウイルス)」が代表的なウイルスです。感染源としては使用しているハサミや人の皮膚、病害虫などが挙げられます。
主な症状として葉の色むらや花びらの異常などが見られますが、これらの症状は他の病気や生理障害と似ているため、見分けるのは簡単ではありません。残念ながらウイルスに効果的な治療法は確立されておらず、感染した胡蝶蘭は他の株へも感染する可能性が高いため、処分せざるを得ない場合が多いです。
細菌
胡蝶蘭がかかりやすい病気の原因の一つに、細菌感染があります。適切な対処をしないと株全体に感染が広がり、枯れてしまう可能性があるため、細菌による病気は早期発見・早期治療が重要です。
細菌による病気として、軟腐病(なんぷびょう)と褐斑細菌病(かっぱんさいきんびょう)が挙げられます。軟腐病は高温多湿の環境で発生しやすい病気であり、感染部位は腐食して悪臭を放つようになります。
一方、褐斑細菌病も高温多湿の環境で発症しやすく、葉に水浸状の病斑が現れます。病斑は次第に拡大し、黒褐色に変色していくのが特徴です。
細菌による病気は傷口から感染することが多いため、葉や茎に傷をつけないよう注意することが大切です。もし、感染した部分を見つけたらすぐに清潔なハサミなどを使用して切り取り、農薬やハイター、ミルトンなどで対処してください。
ただし、葉の根本まで病気が進んでいる場合は回復は期待できないため、胡蝶蘭を処分するしかありません。
また、褐斑細菌病は農薬などを用いても完治できないため、病気がある部分を完全に切り取るか、胡蝶蘭自体を処分する必要があります。
カビ
カビも、胡蝶蘭がかかりやすい病気の原因の一つです。カビは空気中を漂う胞子が胡蝶蘭の葉や茎、根などに付着することで増殖し、さまざまな病気を引き起こします。
特に、高温多湿な環境はカビの繁殖を助長するので注意が必要です。胡蝶蘭に発生しやすいカビの病気には、花や葉に腐敗する灰色カビ病や葉に黒褐色の斑点が表れる炭疽病(たんそびょう)、葉が黄色くなるフザリウム立枯病、葉のツヤがなくなるリゾクトニア立枯病などが挙げられます。
これらのカビによる病気は、早期発見と適切な対処が重要です。カビの発生を防ぐためには、適切な温度・湿度管理や風通しの確保、枯れた花や葉の除去などを意識すると良いでしょう。
また、定期的な殺菌剤散布も効果的です。万一、カビが発生した場合は感染部分を取り除き、薬剤を散布するなどの適切に対処してください。
その他
胡蝶蘭の病気は、上述したウイルスや細菌、カビ以外にも病気になることがあります。さまざまな原因がありますが、その中でも代表的なものは、葉焼けや低温障害、根腐れなどです。
胡蝶蘭は強い光に弱い性質があり、直射日光が続くと葉焼けを起こしてしまいます。特に、夏場は日差しが強すぎるので日陰や室内などで管理することが大切です。
一方、低温障害は寒さが厳しい場所に胡蝶蘭を置くと起こる症状です。室温が10℃以下だと凍傷を起こしてしおれてしまいます。
また、根腐れは水の与えすぎで起こる問題です。土が乾いていないのに水を与えたり、鉢植えの受け皿に水がたまったままにしたりすると根腐れが起こってしまいます。
これらの症状は胡蝶蘭を弱らせて病気になりやすい環境をつくってしまうため、適切に管理することが重要です。
害虫も胡蝶蘭を病気にする原因の一つ
胡蝶蘭は、さまざまな害虫による被害も受けやすい植物です。害虫は、胡蝶蘭の生育を阻害するだけでなく、ウイルスや細菌を媒介することで病気を引き起こす原因にもなります。
代表的な害虫としては、アブラムシやハダニ、カイガラムシ、コナカイガラムシなどが挙げられます。これらの害虫は、胡蝶蘭の生育期である春から秋にかけて発生しやすく、特に高温多湿の環境を好みます。それだけでなく、風通しが悪い場所も害虫発生のリスクを高めます。
害虫の被害を防ぐためには、早期発見と適切な対策が重要です。定期的に葉の裏や新芽などを観察し、害虫の発生がないか確認しましょう。発生初期であれば、粘着テープやブラシなどで物理的に除去することも可能です。
もし、害虫の数が多く被害が広がっている場合は、薬剤散布による駆除も検討してください。害虫による被害は病気の発生を誘発する可能性があるため、早期発見と適切な対策を行い、胡蝶蘭の健康を守ることが大切です。
胡蝶蘭の病気のサインを早く見つけるためには
胡蝶蘭の病気のサインを早期発見するためには、花や葉の様子を注意深く観察することが重要です。胡蝶蘭が何かしらの病気になると、花や葉に症状が出ることが多いです。
早期発見できれば、それだけ早く適切な対処をできるようになり、病気の進行を食い止めて大切な胡蝶蘭を守ることにつながります。
花や葉をチェックする際は、「黒色や黄色などの不自然な斑点はないか」「白っぽい粉はついていないか」「花や葉は落ちすぎていないか」などに注目してみましょう。
まとめ
胡蝶蘭は美しく華やかな花ですが、さまざまな病気にかかる植物です。病気の原因は主にウイルス、細菌、カビの3種類であり、さまざまな症状を引き起こします。
適切な治療法がないウイルス感染の場合、感染拡大を防ぐために処分するケースが多いです。細菌感染やカビ感染では早期発見・早期治療が重要で、感染部位の切除や薬剤消毒が必要です。
その他にも、葉焼けや低温障害、根腐れ、害虫が胡蝶蘭を弱らせる原因となり、病気を誘発してしまう可能性があります。特に、害虫はウイルスや細菌を媒介するため、早期発見と適切な対策が必要です。
胡蝶蘭の健康を守るには、日々の観察を通して病気のサインを早期発見することが重要です。葉や花の色、斑点、粉の有無などを注意深く観察し、異変があれば迅速に対処しましょう。