胡蝶蘭に別名はある?学名や英語の名前に秘められた魅力を紹介

胡蝶蘭の学名を知っていますか?ファレノプシス・アフロディーテと言います。胡蝶蘭の魅力は大きく2つあります。その一つが古くから多くの人を魅了し、名前の由来ともなった「花」です。そして、もう一つの魅力が「花言葉」です。そんな胡蝶蘭について知識を深めていくことにしましょう。

胡蝶蘭の別名を紹介

和名 胡蝶蘭
英名 Moth orchid(モス・オーキッド)
属名 Phalaenopsis(ファレノプシス)
学名 Phalaenopsis Aphrodite(ファレノプシス・アフロディーテ)

胡蝶蘭は「和名」です。学名をファレノプシス・アフロディーテといい、キジカクシ目・ラン科・パンダ亜科・コチョウラン属・コチョウラン種に分類される植物です。

中国語では胡蝶兰、スペイン語ではOrquídea Falaenopsis、イタリア語ではOrchidea Phalaenopsis、ドイツ語ではPhalaenopsis-Orchidee、韓国語では후추 난초(후추は胡椒・난초は欄)と言われています。俗称として洋ランという言われ方もする植物です。

胡蝶蘭の別名、それぞれの由来

胡蝶蘭の名前の由来はそれぞれの名称にあります。英名には英名の由来があり、属名、学名にも由来があります。もちろん和名の「胡蝶蘭」にも由来があります。

この由来を確認していくと、古くから胡蝶蘭が多くの人を魅了してきたことが確認できます。美しさで多くの人を魅了するなんて夢物語のようですが、胡蝶蘭は西洋、東洋といった文化の違いを乗り越え、世界共通で美しいとされていることが確認できます。

また、由来を確認することで胡蝶蘭の魅力を再確認することもできます。

モス オーキッド

英名のモス・オーキッドは、「Moth」は「蛾」、「Orchid」は「蘭」を意味する言葉です。直訳すれば「蛾のような蘭」という意味になります。

欧米では蛾は、蝶と同じように羽が美しい昆虫と認識されています。しかも、蛾は蝶よりも大型のものが多く、胡蝶蘭の場合は花の大きさから蝶よりも大型の蛾が選択されたのです。

英名で蝶を表す「Butterfly」が名前につく植物もありますが、総じて花が小ぶりです。このことからも、大型の花であることから「Moth」が選択されたことがわかります。

ファレノプシス

ファレノプシスはギリシャ語の「Phalaina」と「opsis」が組み合わされて作られた言葉と言われています。「Phalaina」は「蛾」を指す言葉で、「opsis」は「見かけ」という意味の言葉です。日本語にすれば「蛾に似ている」と訳すことができます。

これは胡蝶蘭の花が、まるで美しい蛾が羽を広げているように見えることから命名されたとされています。

言語が違っていても共通して同じ認識で名前が命名されているのは驚きです。美は万国共通を証明しているとも言えそうです。

ファレノプシス アフロディーテ

ファレノプシス・アフロディーテはラテン語です。これは世界共通で学名はラテン語で命名するというルールがあるからです。「Phalaenopsis」は「蛾のような」、「Aphrodite」はギリシャ神話の中で愛と美と性、そして豊穣を司る女神のアフロディーテから命名されたとされています。

アフロディーテはオリンポス十二神の一人で、パリスによる三美審の審判で最高の美神に選ばれたとされています。つまりは、蛾のように最も美しい花という学名がついているという事です。

「胡蝶蘭」の名前の由来は?

和名の胡蝶蘭の由来は、咲いている花の様子が優雅に舞っている蝶を連想させたことから胡蝶蘭と名付けられたといわれています。胡蝶の前にある「胡」という文字が気になる方もいるかと思いますが、「胡蝶」の2文字で「蝶」と同じ意味の言葉です。蝶の別名ととらえるといいかもしれません。

併せて、なぜ英名や学名では「蛾」なのに和名では「蝶」なのかは、日本では古くから蝶はイメージの良い昆虫で、蛾はイメージの悪い昆虫でした。その為、「蛾」という言葉では胡蝶蘭の美しさを十分に伝えられないと考え、あえて「蝶」にしたといわれています。

胡蝶蘭は大きさによって名前が変わる

胡蝶蘭は花は大きさによって2つに分類されています。大きな花を「大輪」といい、小さな花を「ミディ」と言います。総じて価格相場は3本立ての場合は10,000円~70,000円と言われています。

また最近では、大きい順に「大輪」・「ミディ(中輪)」・「ミニ(小輪)」・「マイクロ」と4サイズの分類もされるようになっています。一般に大輪ほど値段が高くなる傾向があります。ちなみに花の大きさは「大輪」で11㎝〜15㎝、「ミディ」で5㎝〜8㎝、「ミニ」で2㎝〜4㎝、「マイクロ」では2㎝以下となっています。

大輪胡蝶蘭

大輪の胡蝶蘭の花の大きさは、約11㎝〜15㎝とされています。3本立て大輪胡蝶蘭の相場は15,000〜70,000円となっているようです。

また、置くスペースは縦横50㎝ほど、高さは約1mのスペースが必要になります。大輪の胡蝶蘭は事業所や店舗の開店祝いなどで贈られることが多く、立て札を添えて贈るのがマナーとされています。

ミディ胡蝶蘭

ミディの胡蝶蘭の花の大きさは大輪の約半分ほどの大きさが目安と言われています。よって、5㎝〜8㎝ほどの花がミディと呼ばれる花になります。

置くスペースも大輪よりは小さく済み、縦横30cm〜40㎝ほど、高さも30cm〜60㎝ほどとなります。

大輪が、事業所や店舗の出入り口付近に飾られるのに対し、ミディはオフィス内など家庭内で観賞用に置かれることが多いのも特徴です。贈る際には立札ではなくメッセージカードの方が適切な場合が多くあります。

3本立てミディの胡蝶蘭の相場は8,000〜20,000円となっているようです。

胡蝶蘭についてよくある質問

ではここからは、胡蝶蘭についてよくある質問をまとめていきます。

胡蝶蘭の花言葉は?

胡蝶蘭の花言葉は「幸せが飛んでくる」・「純粋な愛」です。しかし、これは代表的な花言葉であって、花色によって異なる花言葉もあるのです。

例えば、白の胡蝶蘭は「純粋」・「清純」という花言葉を持っています。また、ピンクの胡蝶蘭は、「あなたを愛しています」という花言葉を持っています。

さらに、青は「尊敬」・「誠実」です。このほかにリップ系と言われるものには花言葉がありません。ちなみにリップ系と呼ばれる胡蝶蘭の特徴は花の中央部の最も前に突出した部分を「リップ」といいますが、この色が花びらの色と異なるものを総じてリップ系と言います。

胡蝶蘭の原産地は?

胡蝶蘭の原産地は台湾やインドネシアやフィリピンなどの東南アジアです。実は分布が広く、中国南部、ニューギニア、オーストラリアなどにも自生しています。

気候区分でいえば熱帯に区分される地域が原産です。また、胡蝶蘭は他の樹木に着生する植物です。木の根元の幹や地表に出てきた根上で着生して生活をしています。その為、直射日光が当たる環境は好みません。また、着生は寄生とは違って、養分を他の植物から吸収しません。他の植物の上で間借りするように生活をしている植物なのです。

胡蝶蘭の育て方は?

胡蝶蘭は比較的育てやすい植物と言われています。胡蝶蘭は風通しの良い環境を好みます。同時に直射日光を嫌いますが、比較的明るい場所を好みます。よって、直射日光の届かない日当たりの良い室内が理想となるのです。

熱帯産の植物ですが寒さに対する耐性は意外と高く、10℃あれば生活できます。10℃以下に下がるような環境では枯れてしまいますから、ベランダなどの屋外で育てるのは難しいと言えます。

水やりは週に1〜2回程度、胡蝶蘭が植えられている水苔やウッドチップなどが乾燥したらコップ一杯ほどの水をあげれば十分です。また、花が終わったら花茎を根元から切り取ってあげると胡蝶蘭の負担を軽減させてあげることができます。

このように胡蝶蘭は室内で比較的簡単に育てることができる植物なのです。

まとめ

胡蝶蘭の名前は、花が非常に美しく、花が咲いているさまが蛾や蝶が大きく羽を広げている姿に似ていることから命名されています。花は非常に大型で、6㎝〜15㎝もの大きな花をつける植物です。

また、花の香りはほとんどなく、1か月ほど咲き続けます。観賞用として非常に人気の高い植物ですが、高価な植物としても知られています。一鉢10,000円から70,000円もの値段がする植物ですが花言葉が非常に縁起良く、開店祝いや結婚祝いなど広くお祝いの意味合いを込めて贈られます。

1本の花茎に10輪もの大輪を咲かせる様は圧巻で、一目見た人の心に長きにわたって残る花と言えるでしょう。