胡蝶蘭は猫が食べても大丈夫?毒はあるの?

「胡蝶蘭には毒がある」といわれますが、猫が胡蝶蘭を食べてしまった場合どうなるのでしょうか?一緒に暮らしている猫が胡喋蘭を食べてしまったら、とても心配ですよね。今回は、胡蝶蘭には毒があるのか、猫が食べてしまったときの対応や、その他の猫や犬に危険な植物についてご紹介します。

胡蝶蘭を猫が食べちゃった!毒はない?

猫と暮らしているお家で、胡喋蘭を飾っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?胡喋蘭はお祝いのギフトに頂くことも多く、最近では小さく仕立てられた胡喋蘭をインテリアに合わせて飾ることも増えてきました。

とくに胡喋蘭は長くお花が楽しめ、多年草なのでお花がない状態でも飾っておくことができる植物です。常に部屋に飾ってあるため、猫と暮らしている場合は猫が胡喋蘭を食べてしまったという事態も起きやすいでしょう。

猫が胡喋蘭を食べてしまっても大丈夫なのか、とても心配になりますよね。ここでは、猫が胡喋蘭を食べてしまった場合の猫への影響について解説します。

胡蝶蘭には毒性はない

胡喋蘭には毒があるという話を聞いたことはありませんか?結論は、胡喋蘭に毒性はありません。

ただ、なぜ胡蝶蘭に毒があるといわれるようになったのかは、はっきりとした所以は分かっていません。

食べてしまった場合は様子を見てOK

万が一、猫が胡喋蘭を食べてしまっても普段と変わらず過ごしているようであれば様子見で大丈夫でしょう。基本的に猫は肉食の動物ですが、草を食べることもあります。猫草と呼ばれる、猫が食べても安全な草も販売されています。

猫が草を食べる理由は諸説ありますが、毛づくろいで飲み込んでしまった毛玉を吐き出すために胃に刺激を与える手段だともいわれています。

猫が胡蝶蘭を食べてしまっても、まずは落ち着いて様子をみましょう。

胡蝶蘭が属するラン科には毒性はない

胡喋蘭も分類される他のラン科の植物は、そのほとんどが毒を持ちません。ここからは、ラン科と間違われやすく危険な植物と、猫や犬にとって毒性のある植物を解説していきます。

スズランはラン科ではないため注意が必要

スズランは名前にランが含まれていて、ラン科と間違えてしまいやすい植物です。しかし、スズランはユリ科に属し、30種を超える有毒成分をもっているといわれています。

毒性の強さは、スズランの切り花を挿しておいた花瓶の水を飲むだけでも影響があるほどです。主な有毒成分はコンバラトキシンと呼ばれる成分で、スズランのどの部分にも含まれますがとくに花に多く含まれます。

猫や犬はもちろん、人が誤って口にしてしまうと死に至る可能性のある、実は非常に危険な植物です。

猫や犬などのペットにとって危険な植物とは

スズランは人にとっても毒性が強く危険な植物ですが、普段私達が気にせず食べたり飾ったりしている野菜やお花などにも、実は猫や犬に健康被害を及ぼすものもあります。

ネギ類

ネギ類には、ネギの他にタマネギやニンニクも含まれます。たとえパウダー状になった加工品や調理物であっても、猫や犬には有害な食べ物です。

ネギ類に含まれるスルホキシドは、猫や犬が経口摂取すると血液中の赤血球が破壊され、溶血と貧血が起こります。赤血球が破壊されてしまうと酸素が取り込まれず死に至ります。

症状が出るのは摂取してから6〜24時間後といわれています。生のネギはもちろん、調理した料理なども猫や犬が食べてしまうことがないように注意が必要です。

シクラメン

秋から春頃まで花を咲かせるシクラメンは、クリスマスシーズンを代表する植物です。シクラメンにはシクラミンという成分が全体に含まれ、とくに球根に多く含まれています。

毒性は非常に強く、人が誤って摂取してしまった場合も危険な植物です。症状の多くは嘔吐や下痢などの胃腸症状で、大量に摂取してしまうと不整脈やけいれんを起こし最悪の場合は死に至ることがあります。

とくにシクラメンは室内に飾ることが多い植物なので、猫や犬が摂取しないよう十分配慮する必要があります。

ツツジ

ツツジ科の植物にはグラヤノトキシンと呼ばれる有毒成分が含まれます。花や葉など、どの部分にもこの成分は含まれます。

猫や犬が経口摂取してしまった場合、腹痛、下痢や嘔吐などの消化器症状のほか、脱力やけいれん、不整脈や血圧の低下などの神経系や循環器系の障害が現れます。摂取量が多いと死に至る可能性があり、室内だけではなく散歩中も注意が必要です。

実はツツジは人間にも有毒な植物です。少量の場合は問題ないことがほとんどですが、体の小さい子どもは注意しておく方がよいでしょう。

チューリップやスイセンなどの球根

チューリップの球根にはツリパインという成分が、スイセンにはヒガンバナアルカロイドなどの有毒成分が含まれます。猫や犬が経口摂取すると、嘔吐や下痢、呼吸困難やけいれんなどの症状が起こり、とくに急性腎不全が起こることが致命傷となり死に至る場合が非常に多い、とても危険な植物です。

チューリップはスズランと同じユリ科で、スイセンはヒガンバナ科に分類されます。どちらも球根植物で、球根の保管にも厳重な注意が必要です。

スイセンはニラと間違えて食べてしまう人が多く、たびたび食中毒が報告されていたり、チューリップも切り花の切り口を触ると皮膚がかぶれてしまうなど、人にも毒性がある植物です。

アロエ

アロエなどの多肉植物も、猫や犬にとっては有害な植物です。アロエにはバーバロインという成分が含まれていて、猫や犬に毒症状を起こします。

猫や犬が摂取してしまうと、下痢などの胃腸症状や腎炎を起こす可能性があります。重篤な状態になる可能性は比較的低いですが、食べてしまったと気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。

また、アロエには棘があるため、口の周りや口内に傷がないかも確認しましょう。

ポインセチア

ポインセチアの葉や樹液には、ホルボールエステル類と呼ばれる有毒成分があります。猫や犬が経口摂取すると、下痢や嘔吐を引き起こします。また、樹液に触れてしまうと発赤、痒み、腫脹などの皮膚炎の症状が出ます。

重篤になる場合もあり、体の小さな小型犬や猫はとくに注意が必要です。

アジサイ

アジサイも、実は中毒症状を起こす植物です。人にも中毒症状が出ますが、猫や犬は死に至る可能性もあります。

アジサイには、青酸配糖体という有毒成分が含まれています。猫や犬がアジサイの花や葉を食べてしまった場合、嘔吐や下痢などの消化器症状や、呼吸促迫といった呼吸器症状にも現れます。

ドライフラワーとしても人気のアジサイは、インテリアとして飾ることも多いでしょう。たとえドライフラワーになっていても、有毒成分は残ったままなので、食べてしまうと同じように中毒症状が出るため注意が必要です。

猫を飼っているお家で胡蝶蘭を飾るときの注意点

猫と暮らしている場合でも、胡蝶蘭に毒はないため、中毒症状が出るなどの危険性はありません。しかし、綺麗に咲いているお花を食べられてしまってはとても残念です。

鉢も陶器などの割れてしまう素材だと、胡蝶蘭を食べていなくても落としてしまうと危険でしょう。

猫が入らないお部屋に飾ったり、よく行き来するような場所には置かないようにするなど、接触する機会を減らす環境を作る方がよいといえます。

まとめ

胡蝶蘭を猫が食べてしまった場合の影響についてご紹介しました。家のお部屋や屋外でよく見かける植物の中には、猫や犬にとっては危険な植物がたくさんあります。

猫と暮らすお家に胡蝶蘭を飾る際は、できるだけ食べたりしないような環境を整えましょう。猫や犬に危険な他の植物についても、知っておくべきことを知り、危険を事前に取り除くとよいですね。