冬の時期はどうやって育てるの?胡蝶蘭の正しい育て方

暖かい地域を原産とする胡蝶蘭。見た目が華やかで見応えがあることから、季節を問わずにさまざまなシーンで贈り物として親しまれています。

夏の暖かい時期は胡蝶蘭が過ごしやすい時期なので育てやすいですが、冬は胡蝶蘭にとって少し過ごしにくい季節です。

この記事では、そんな冬にどうやって胡蝶蘭を育てていったらよいのか、基本的な育て方を解説します。

胡蝶蘭ってどんな植物?基本情報を見ていこう

名前 胡蝶蘭
英名 Phalaenopsis
科名/属名 ラン科/コチョウラン属
原産地 熱帯地域(台湾・マレーシア・フィリピンなど)
形態 多年草
開花時期 不定期
花色 白・ピンク・赤・黄・青・紫など
耐寒性/耐暑性 弱い/強い

暖かい地域を原産とする胡蝶蘭は、主に台湾・マレーシア・フィリピンなどの熱帯雨林の中に生息しています。1年を通して大きな気温差がないため、寒さが苦手な胡蝶蘭でも問題なく成長することができる環境です。

ほとんどの種類が暖かい地域に生息していますが、なかには寒冷期に0℃になるような環境に生息している品種もいます。その場合、水分の多い葉っぱが凍ってしまわないように、葉を落とすことで姿を変えて生息しています。また、乾燥の強い地域ではサボテンのような厚い葉っぱに水を貯蔵して、少ない水分で生きていけるようにしているそうです。

このように、さまざまな環境で育つように独自で進化を遂げている胡蝶蘭は、品種によって姿かたちが異なります。

とはいえ、今日本に出回っているのは暖かい地域で育ちやすい品種なので、冬越しをさせるには、それなりの工夫が必要になるでしょう。

冬の胡蝶蘭を上手に管理する育て方

胡蝶蘭は暖かい時期は成長期となり元気に大きく育ちますが、冬の寒い時期は休止期となり、成長を一時止めて冬眠状態に入ります。そのため、夏と同じ育て方をすると最悪枯れてしまうことになるでしょう。そうならないために、冬の時期の正しい育て方をご紹介します。

水やりは控えめに

休止期は水分をそこまで必要としないため、夏のようなこまめな水やりは必要ありません。

バーグや水苔などの植木材がしっかりと乾ききったのを確認して、更にそこから3〜4日前後空けたら水やりを行うと良いでしょう。なるべく常温の水をコップ1杯与えてください。

室内で管理をしよう

胡蝶蘭は寒さが大敵です。冬の期間はどうしても外の温度が10℃を下回ることが多くなるので、必ず室内で管理をしましょう。

室内で管理をするときは、夜間は18℃昼間は25℃以上で育てるのがベストです。暖房などを使用して一定の温度になるようにしっかりと環境を整えてください。

また、置き場所は窓側ではなく、半日陰くらいの日差しが入る場所が好ましいです。どうしても窓際で育てる場合は、日が落ちるまでには暖かい場所に移動をさせましょう。

湿度は高めに保とう!

室内で管理をすると、どうしても懸念されるのが乾燥です。

冬は1年を通しても乾燥しやすい時期ですが、暖房やストーブなどを使用することで、さらに乾燥が進みます。胡蝶蘭は乾燥に非常に弱く、根がカラカラになって枯れてしまうことがあります。室内で管理をする場合は、加湿器を使ったりこまめに葉水をして、乾燥を防ぎましょう。

冬に胡蝶蘭を育てるときの注意点

冬の胡蝶蘭は、上記で説明した育て方のほかにも、いくつかのポイントに注意することで、より安心して冬越しをさせることができます。

特に大切なポイントは以下の3つです。

  • 肥料や水のあげ方
  • 置き場所
  • 植え替えのタイミング

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

必要以上に肥料や水を与える

先程も少し紹介しましたが、胡蝶蘭は寒い冬の時期は休止期となり、成長を止めます。

動物でいう冬眠と同じような状態になるため、必要以上の水は根腐れの大きな原因です。根腐れを起こすと胡蝶蘭は枯れてしまうので、必ず上記で説明した水やりの方法を参考にお世話をしてみてください。また、この時期に肥料を与えるのもやめましょう。

肥料は、本来成長に足りない栄養を補填する役割があります。そのため、成長を止めている胡蝶蘭には必要がないです。肥料をこの時期に与えると、栄養過多で胡蝶蘭が弱ってしまうことがあるため注意してください。

外に置きっぱなしにする

寒さに非常に弱い胡蝶蘭は、数時間でも外に置いておくと生きていけなくなります。さらに、水を多く含む根や葉が凍ってしまい凍傷を負ってしまうこともあるため、必ず室内で管理をするようにしましょう。

基本的に、気温が15℃以下になる場合は室内で管理するのが好ましいです。事前に天気予報をチェックして置き場所を変更してください。

植え替えを行う

胡蝶蘭の植え替えは、基本的に成長期に行います。

そもそも植え替えは胡蝶蘭にとって大きなストレスであり、根を傷つけてしまう可能性が高い行為です。成長期であれば多少のストレスや傷は回復できますが、休止期だと回復ができないため枯れる原因となります。

胡蝶蘭を冬越しさせるためのコツ

胡蝶蘭を冬越しさせたくても、なかなか室内の温度を一定にして管理をするのは難しい……という人もいるでしょう。そんなときにおすすめなのが、ビニールやダンボールを使用する方法です。

ここでは、一工夫をして冬越しをさせる方法をご紹介します。

ビニール袋を使う

防寒方法として最も手軽に行えるのが、胡蝶蘭を大きめのビニール袋で覆う方法です。

ビニールがドーム型になるように支柱を立ててビニールを被せることで、簡単に暖かい場所を作ることができます。

胡蝶蘭から蒸発した水分が飛ぶこともないので、乾燥対策にもなるでしょう。

ダンボールや発泡スチロールを使う

室内でも窓際にしか置く場所が確保できない場合、ダンボールや発泡スチロールで囲うことで、窓際の寒さを防ぐことができます。

昼間は胡蝶蘭をそのまま置いて置いても問題ありませんが、夜間は窓際は非常に寒くなるので、胡蝶蘭の頭からすっぽりダンボールや発泡スチロールを被せるようにしましょう。

まとめ

日本で出回っている胡蝶蘭は、寒さや乾燥に非常に弱い植物です。そのため、日本の冬を乗り越えるには、さまざまな工夫が必要であることがわかりました。特に、置く場所の温度や水やりの頻度などを工夫することで、胡蝶蘭を冬越しさせることが可能になります。

暖かい時期にキレイな花を咲かせるためにも、冬の育て方を参考にしてくださいね。