花はとてもデリケートです。そのため室内で育てるときは管理に気をつける必要があります。
胡蝶蘭は基本的に熱帯地域に生息しているので、四季によって温度が大きく変化する日本の気候ではベストのコンディションを保つのが難しいのが現状です。ただ、屋内の空調と場所によって温度管理を実施すれば、本来の美しさを存分に発揮してくれます。
せっかく大切な人へ贈るのにすぐ枯れてしまっては台無しだから、ギフトと一緒に扱いの方法も教えてあげましょう。
今回は、胡蝶蘭を室内で育てるときの最適な温度について紹介していきます。
室内で胡蝶蘭を育てるときの温度管理が必要性
室内で胡蝶蘭を育てるときに、こまめな温度管理が必要な理由は、美しい状態を長く保つためです。「暑すぎても」「寒すぎても」もいけません。また、その日の温度と湿度によって最適な場所を選ぶ管理も求められます。
現実には花屋などのプロを除いて、適切な温度の管理を徹底している家庭は少なく、花を飾る醍醐味である移り変わりまで楽しんでいる方はあまり見られません。
新しい花を見るためにも、正しい温度管理が大切です。
胡蝶蘭は原産地が熱帯性気候とはいえ、日本の猛暑や寒波に耐えられずに1日で枯れてしまうケースがあります。特に冬の管理は大変です。なぜなら寒さに弱い胡蝶蘭は、温度が下がってくると休眠状態に入いるからです。
成長するのを止める代わりに、その分のエネルギーを生命活動の維持に費やすのです。成長を停止させないためにも、寒い季節に胡蝶蘭を飾るときには温度管理に気を配りましょう。寒さが厳しい山間部などの地域では、暖かい季節でも室内に置いておくことで胡蝶蘭を守るのがおすすめです。
デリケートな胡蝶蘭ですが、適切な管理を続ければ再び花を咲かせる場合もあります。
花が落ちたら終わりではなく、新たな花が誕生するという生命の神秘を体験することで、消耗品のインテリアにはない温かさを感じられるでしょう。
安心して花を咲かせられる環境だと判断したら、満開の花によって周囲を彩ってくれます。
このことから、室内の温度管理は、とても重要だと言えるでしょう。
胡蝶蘭にとって最適な室内温度はどれくらい?
熱帯性気候は高温多湿で、日本の夏と近似しています。
しかし、近年の最高40℃という暑さにはとても耐えられないので、真夏においても必要に応じて場所を移動など配慮しなくてはなりません。つまり、胡蝶蘭は熱帯地域の植物ですが、夏だから適当に外に放置しておけば良い訳ではありません。人間ですら命に関わる暑さなので、室内の涼しい場所に設置するのがベストです。
冬場の温度管理については、単純に暖かい場所を選ぶことで解決します。
具体的な温度としては、夏場の30℃以上と冬場の15℃以下が、胡蝶蘭の温度管理におけるレッドゾーンです。そのため、室内で育てるときは、どの季節であろうともこの温度の範囲内をキープするようにしましょう。
また、少なくとも季節によって場所を変える程度の配慮が必要不可欠となります。
胡蝶蘭を扱っている業者や花屋では閉店後にも空調をつけており、一時的に危険な温度になることを防いでいます。個人で空調を24時間つけておくのは電気代の増加もあって難しいのですが、比較的条件が良い場所を選ぶことで温度変化を緩和できます。
設置する場所は、空調を常時つけておかないのなら玄関か大きな窓がある部屋、空調を効かせておくのなら該当する部屋がおすすめです。
インテリアとしても機能する玄関は風水の観点からも良い選択で、幸せをもたらす象徴として胡蝶蘭が輝きます。家族が集まるリビングも人気が高い場所ですが、人がいなくなった後に空調を消すのであれば温度差に要注意です。
あまり頻繁に移動させても胡蝶蘭にストレスがかかるので、季節の変わり目になったら適切な場所に移すぐらいのサイクルで扱いましょう。
季節ごとの室内温度管理のポイント
植物も生き物であり、動かなくても周囲の環境に大きく影響されます。気温によって成長するのかを決めている胡蝶蘭の温度管理は、ペットを飼うときの感覚とよく似ています。
日本は四季があり、1年の中でも温度差がある特徴があります。室内にいても温度差があるため、胡蝶蘭にとって最適な環境であるか注意する必要があります。
春秋
最も気温が上昇する昼でもだいたい25℃まで、一番冷え込む早朝でも18℃ぐらいを維持するのが理想的です。気温が変わっていくは、一時的に前の季節の温度になる日に気をつけましょう。空調なしでも管理しやすいので、直射日光に注意すれば初心者でも楽に扱えます。
夏
は、風がよく通って涼しい場所が最適です。湿度についてはあまり心配いりませんが、昼に20℃を超えるようなら屋外には出さない方が良いでしょう。猛暑では人間と一緒に冷房のある部屋で過ごさせるぐらいで、胡蝶蘭にとって快適な環境になります。ただし、人がいなくなった状況での温度上昇には、細心の注意を払う必要があります。直射日光でダメージを受けやすいので、空調が効いている部屋でも窓際はできるだけ避けましょう。
冬
冬は休眠状態に入りやすいので、暖房がある部屋でゆっくり過ごさせましょう。乾燥しやすいので加湿器によって湿度を高くしておくのが、長持ちさせるためのコツです。
人間でも凍えてしまう真冬の夜には、保温性能が高い発泡スチロールの箱などで保護することをおすすめします。早朝は昼間に蓄積した地面の熱が全て逃げてしまう時間帯だから、寝る前に最低でも枯れてしまう10℃を下回らないように工夫しておくことが大切です。
まとめ
胡蝶蘭を育てるときは温度管理が大切です。そのため、室内で育てるときの最適な温度に保つようにしましょう。また、温度の他にも湿度が高いと枯れてしまうこともあるので、空調や風通しの良い場所に置くことも大切です。
室内で胡蝶蘭を育てるときは、これらのことを心がけるようにしましょう。