胡蝶蘭は、一般的な花を咲かせる植物とは大きく異なる点があるため、メンテナンスをしっかり行う必要があるといわれています。メンテナンスをきちんと行うことで、キレイなお花を何年も咲かせることができるでしょう。
ひとくくりにメンテナンスといっても、日頃のメンテナンス方法や2度目以降に花を咲かせるメンテナンス方法など、変わってきます。
そこで、今回は基本的な胡蝶蘭のメンテナンス方法や、2度目以降に花を咲かせるためのメンテナンス方法、胡蝶蘭がダメになる病気について詳しく紹介します。
目次
胡蝶蘭の基本的なメンテナンス方法
胡蝶蘭をキレイに育てるには、日頃の育て方に注意するひつようがあります。
そこで、基本的な育て方や育てる環境を今一度確認しましょう。
水やりの方法
胡蝶蘭は水を最低限しか必要としない植物です。
そのため、必要以上に水をあげることは絶対にしてはいけません。水のあげすぎは「根腐れ」の原因になってしまうため、早く胡蝶蘭を枯らせてしまう原因にもなります。
胡蝶蘭が水を必要としている目安は、植木の水苔やバーグの湿り具合を見て判断しましょう。
カラカラの状態になったらお水をあげます。だいたい1株につきコップ1杯のお水が必要となります。3株ある場合は、コップ3杯が目安です。
7日~10日に1回のペースがおすすめですが、1回の水やりの量が多いのも根腐れの原因になるので、極力やりすぎには気を付けましょう。
温度と湿度
胡蝶蘭は暑すぎても寒すぎても上手に育つことができません。
そのため、1年を通して常に20度前後に保たれた空間の中で育てられるようにしましょう。
極端に寒い「冬の時期」や極端に暑い「夏の時期」は、室内で管理することをおすすめします。場所を考えて育てる環境を合わせましょう。
また、温度が適温でも湿度が低すぎる場合でも、胡蝶蘭は上手く育ちません。
胡蝶蘭は乾燥を嫌う植物なので、40%以下に湿度が下がらないようにミスト等で調節しましょう。
置き場所について
胡蝶蘭は、風通しが良く光がしっかり当たる場所を好みます。
しかし、直射日光や冷暖房の風が当たる場所は「葉焼け」や「乾燥」の原因になるため、避ける必要があります。
これらの当たらない場所で、風通しの良い窓際で育てると良いでしょう。
胡蝶蘭をもう一度咲かせるメンテナンス方法とは
胡蝶蘭は、1度花が落ちた後でもきちんとメンテナンスを行うことでキレイなお花を再度咲かせることができます。具体的にどんなメンテナンスをしたら良いのでしょうか。
胡蝶蘭の花が落ちた後のメンテナンス方法を紹介します。
剪定
剪定は、すぐにお花を咲かせるか株を少し休ませるかで方法が異なります。
2番花をすぐに咲かせたい場合は、根元から2,3節目を残してその上を剪定しましょう。
花芽がでるまでに、2~3ヵ月ほどかかります。
一方で、2番花を咲かせる前に株を少し休ませたい場合は、根元近くで剪定します。
2番花をすぐに楽しむことはできませんが、来シーズンまで胡蝶蘭を楽しむことができるので、長く楽しみたい方におすすめです。
植え替え
基本的にお祝い事でもらったりした胡蝶蘭は、1つの鉢に3本前後胡蝶蘭が入っていることが多いです。
この場合、1シーズンはキレイに花を咲かせますが、剪定後に植え替えをしないと「根腐れ」を起こしてしまう可能性があります。
せっかくキレイに剪定したのに枯れてしまってはもったいないですよね。
こういったことがないように、剪定したら必ず1株ずつ植え替えをしましょう。
植え替えに必要な道具は以下の通りです。
- 植木鉢
- 水苔orバーグ
胡蝶蘭の植え込み材は「水苔」や「バーグ」が使用されています。
一番最初の植え込み材に合わせて選ぶと良いでしょう。
最初の植え込み材と違うものを使ってしまうと、根腐れを起こす場合があるので、確実に同じものを選んでください。
胡蝶蘭をメンテナンスして病気から守ろう!
人間も病気になるように、胡蝶蘭にもさまざまな病気が存在します。病気を放っておくと、胡蝶蘭が枯れてしまうため、定期的なメンテナンスで胡蝶蘭の様子を見ておくことが大切です。
そこで、胡蝶蘭に多い病気を2つ紹介します。
軟腐病
胡蝶蘭の葉っぱがぶよぶよになったり、濡れたような斑点が現れる病気です。
葉焼けや小さな傷口からばい菌が入ることが原因だとされています。
ぶよぶよしている葉っぱを大きめに切り取ることで感染を防ぐことができますが、軟腐病の
細菌はとても感染力が強いです。治療中につぶれてしまったり、中の液が他の葉っぱに当たるだけで感染する可能性があるので、最大の注意が必要です。
また、葉を切り取ったハサミも使用後にしっかりと熱処理を行わないと、他の植物に感染することがあります。
切り取った場所と株には、台所用の塩素系殺菌剤などを必ず塗ってください。
葉焼け
直射日光が原因で胡蝶蘭の葉っぱが変色する病気です。直射日光を浴びた場所の葉が、黄色や茶色に変色してしまいます。直接胡蝶蘭が枯れる原因にはなりませんが、酷い場合は葉っぱを切り取る必要があります。
万が一葉焼けを発見した場合は、直射日光から遠ざけた場所に移動させてください。
とはいえ、光は株を強くするため全く光の当たらない場所は好ましくありません。レースカーテンの後ろや、直射日光の当たらない明るめのお部屋がおすすめです。
まとめ
胡蝶蘭は他の植物に比べると、水やりなどのメンテナンス作業が少ないお花です。
そのぶん、しっかりと気を張って育てる環境の「温度・湿度」に気を配る必要があるでしょう。
最初に気を付けることで、胡蝶蘭が何年花を咲かせてくれるかきまります。
また、メンテナンスの中で様子を確認することも大切ということが、わかっていただけたかと思います。
病気は胡蝶蘭が早く枯れる一番の原因です。
なるべくメンテナンスをこまめに行って、キレイな胡蝶蘭を保ちましょう。