胡蝶蘭の寿命を延ばそう!綺麗に長持ちされるには

プレゼントでいただいた、または自分で購入した胡蝶蘭をなるべく長期間楽しみたいと思っている人は多いのではないでしょうか。

しかし、「胡蝶蘭はどのくらいの寿命があるのか?」「寿命をできるだけ延ばして長く育てることはできるのか?」など知らないこともあるでしょう。

上品で大きく立派な花を咲かせる胡蝶蘭は、一般的な植物と少し生育の仕方が違うため、あらかじめ知識をつけることが大切です。

今回は、胡蝶蘭の寿命と、長く楽しむためのポイントを紹介していきます。

知っておきたい胡蝶蘭の寿命のこと

胡蝶蘭の株は、葉だけの状態で越冬を時期が来れば開花します。

胡蝶蘭の寿命は、とても長く平均10年が一つの目安です。さらには、病気をしたりせず長く育てば50年育つとも言われています。

咲く「花」は1本の花芽に5~8個の花をつけ、花によって開花の時期がずれることもあります。一つずつ花が咲くことを考慮すると、花の寿命は1か月~3か月程度です。

胡蝶蘭の寿命を延ばすには肥料のあげ方

胡蝶蘭の寿命を延ばして、長い間楽しむためには肥料が大切です。また、肥料を与えることで、胡蝶蘭は大きく綺麗で立派な花をつけます。

ただ、肥料のあげ方が悪いと株を傷めてしまい、寿命を縮めることにもつながるため注意が必要です。

胡蝶蘭の肥料やりに適しているのは、「夏」と「冬」を除く株が弱っていない生育期である「春」や「秋」です。新しい根がしっかり伸ばしている時期に、栄養を吸収するので肥料を与えましょう。「開花中は花も大変だろう」と、肥料を与えたくなりますが、開花中に肥料を与えてしまうと花を落としてしまう原因になるので控えます。また、元気がないからと肥料を過度に与えてしまうのは、胡蝶蘭の負担になるので良くありません。

生育期で花をつけた場合は一度取り除き、花が終わってから肥料を与えましょう。

肥料には固形や液体がありますが、液体タイプは水分とともに吸収されやすいのでおすすめです。

胡蝶蘭の寿命を延ばすには水のあげ方

胡蝶蘭の寿命を延ばして、長い間楽しむためには水のあげ方を適切に行うのが大切です。

胡蝶蘭は、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯、高温多湿のジャングルが原産地です。

背が高く大きく成長した樹木の枝の後ろなどに溜まり生えている苔などに着生して、生育し花を咲かせます。そういう環境で育つ胡蝶蘭の根の周りには、本来十分な土屋や苔はなく、空気中の水分を葉や根から吸収しています。

このことから、胡蝶蘭を長持ちさせる水やりのポイントは、植え込み材である水苔の乾燥具合が目安になります。

植え込み材を指で押して湿り気を感じなくなった時が水やり時で、たっぷりとは言っても水苔が硬く絞った布巾くらいの程度にやります。

ジャングルの木の枝の上のように、スコールなどの激しい雨が降っても、根の周りには水が溜まらないのと同じように、水苔が湿る程度です。受け皿に水があふれ出るようなやり方では、根腐れを起こしてしまいます。

水やりの量は、春・夏・秋・冬で変化をつけます。

秋は胡蝶蘭が休眠期に向かっていく時期、冬は休眠期、春や夏は生育期です。

しかし皆共通することは、水やりは朝、午前中の早めの時間にやることや、植え込み材が乾燥した時が目安です。季節により、水の量や水やりの間隔が変わるだけです。

胡蝶蘭の寿命を延ばすため置き場所

胡蝶蘭の寿命を延ばし長い間楽しむためには、最適な場所に鉢植えを置き育てることが重要です。

湿度の高さに関しては、日本の夏は胡蝶蘭が好む環境に近いとも言えますが、一般的な植物が好む直射日光は、熱帯・亜熱帯のジャングルの木陰に生育していた胡蝶蘭にとって良いものではありません。

普通の植物は日当たりの良さを好みますが、胡蝶蘭の場合は、同じ日当たりの良さでもカーテン越しや木陰の木漏れ日のような日当たりを好みます。

真夏の強い日差しは、カーテン越しであっても強すぎて花がついていれば落ちやすく、葉焼けのようなことも起きてしまいます。

やや難しいところは、湿度が高いのは良くても蒸さずに風通しの良い場所を好む点です。

風通しの悪い場所では、水苔がカビやすく細菌感染により病気にかかりやすくなります。病気になってしまうと寿命を縮めてしまうことにつながりますので、置く場所は注意する必要があるでしょう。

胡蝶蘭の寿命を延ばすために植え替えを行おう

胡蝶蘭の寿命を延ばして、長い間楽しむためには植え替えが必要になります。

植え替えが必要な胡蝶蘭は、贈答品などの寄せ植えで一つの鉢に3本~5本が植えられている場合や、水やりのし過ぎや水苔がカビたりなどで根腐れを起こしている場合などです。

寄せ植えの場合は、花が終わったら一つの鉢に1本ずつ株を植え直します。

既に1本ずつ植えられて育て続けられている株の場合、植え替えの際に鉢を大きくする必要はそれほどありませんが、古くなり傷んだ根の整理や植え込み材である水苔を新しいものに取り換えることは、胡蝶蘭の病気を防ぎ、株を健康にして生育を促します。

使用する鉢も、蒸れにくく通気性の良い素焼きの鉢が適しています。

2年に1回位の植え替えが望ましいとされており、植え替えに適した時期は春先の4月頃です。根腐れしていたり、水苔がカビていたりしている場合は、その都度植え替えます。

植え替えの際、他の一般的な植物と大きく違うところは、植え替え後の水やりを控えることです。そうすることで発根を促すため、注意が必要です。

まとめ

胡蝶蘭の寿命は長く、一般的には10年、病気にかからなければ50年以上育つと言われています。そのため寿命を延ばすためには、どれだけ病気にならないで育てることができるかということが言えるでしょう。

胡蝶蘭は、日々健康的に育てるには、肥料や水のあげ方、置き場所や植え替えまでさまざまなポイントがあります。長く楽しむために、今回紹介したことを参考に気をつけていきましょう。