胡蝶蘭を育てるうえで欠かせないのが温度管理です。
暖かい地方で育った胡蝶蘭は冬が苦手です。
胡蝶蘭にとって冬の管理はとても大切になってきます。冬の間に枯らさないために、胡蝶蘭を育てるときの冬の管理のポイントをまとめてみました。
胡蝶蘭は冬に弱い?理由は寒さだけではなかった!
胡蝶蘭は南フィリピンなどの熱帯地方で生まれたお花です。
そのため高温多湿を好みます。
日本での冬は寒すぎるし、乾燥しすぎているので胡蝶蘭にとっては厳しすぎる環境といえます。
そんな胡蝶蘭ですが、胡蝶蘭を寒さから守る方法があります。
まず、胡蝶蘭は高温多湿を好むので、胡蝶蘭を育てる環境も高温多湿に近い環境にするのが一番です。
しかし、生活している中で高温多湿だと人間がまいってしまいますよね。
人間に快適といわれる湿度は40%から60%です。しかし冬には20%になってしまうこともあってインフルエンザなどの菌が繁殖しやすくなってしまいます。
梅雨から夏場にかけては湿度が70~80%になってしまうのでカビなどが生えやすくなってしまいます。
胡蝶蘭にとっては梅雨の時期の湿度が丁度よく、70%ほどあると快適といわれています。
また、胡蝶蘭は寒さに弱く、18度までで育てることが必要となります。
せめて15度以下にならないようにしましょう。
しかし、胡蝶蘭の生産者さんなどは花の咲いている時期を延ばすために花が咲いてからあえて少し低めに温度を設定することもあるようです。
お花が咲いているときは養分が沢山ある時期なのでこのような管理の仕方ができますが、素人がしてしまうと枯らしてしまうこともありますので注意が必要です。
高温にも弱いので、30度までの温度で育てるようにしてくださいね。
多湿が好きな胡蝶蘭ですが、根っこはずっと濡れているのを嫌います。
バークやミズゴケなどが乾いている状態になったら下からあふれるくらいの水をあげます。受け皿に水がたまらないようにします。
表面が乾いたら水をあげるようにしてください。
水をあげる頻度が高いと、乾く暇がないため根が腐ってしまいます。
胡蝶蘭は野生でも土の中に根を生やすタイプではなく、外にむき出しにして水分のバランスを調節しています。
根腐れは胡蝶蘭を枯らしてしまう一番多い原因です。
水の与えすぎは気を付けるようにしてくださいね。
胡蝶蘭の冬の寒さ対策!家の中でも油断しないで!
冬に胡蝶蘭を育てるときは屋内が一番です。
しかし屋内でも置く場所に注意が必要になります。
胡蝶蘭は直射日光が苦手なので、よく日が当たる窓のレースのカーテン越しが一番といわれています。
夏場で60%、冬場でも40%の遮光が必要です。
しかし、冬場の窓際はとても寒くなってしまいます。
特に人が寝静まる夜は、外気温も低くなるだけでなく暖房も消されてしまうことが多いので一気に気温が下がり、あっという間に10度を下回ることもあります。
それを防ぐためにも、冬の夜間の寒さ対策は必須です。
- 夜は窓際を避ける。
- 段ボールなどで胡蝶蘭を覆う。
- カバーをかける。
- 段ボールなどで覆った後に湯たんぽなどを入れて保温する。
といった対策をすると胡蝶蘭が冬の寒さに凍えずにすみます。
胡蝶蘭の状態を知って最適な冬の環境を作ろう!
胡蝶蘭は冬になるとどういった状態なのでしょうか。胡蝶蘭の冬のお手入れの仕方も知っていると枯らしにくくなります。
実は冬といわれる12月から2月あたりまでは、花が咲く準備期間なのでとても大切な時期となります。
胡蝶蘭は、18度の低温が続くようになると花を咲かす準備を始めます。
しかし花を咲かせる準備を始める時期だからといって、肥料を使うことはやめたほうがいいです。
- 1月から3月
寒さも本格的になっているこの時期は、水も少な目で乾燥気味に育てます。
なるべく18度よりも気温を下げないように工夫が必要です。
しかし、胡蝶蘭が好きな湿気が少なくなる時期です。加湿をしたり、霧吹きで葉水の頻度を増やしたりして根っこからより葉っぱから水を吸収させるようにします。
冬の胡蝶蘭は暑い時期と比べると水の摂取量も減っています。冬の胡蝶蘭は株が弱っている時期で働きが少し鈍くなっている冬の時期に栄養価が高いものを与えてしまうと、根腐れなどを起こしやすくなってしまいます。
- 4月から6月
自然に育てていると花が咲く時期です。このときは水の頻度も多くなると思います。
それでも1週間に1回や、10日に1回といった回数なのでそれほど苦にならないかと思います。日数は目安です。表面を触って乾いていたらあげるようにします。
花が咲いている時期に肥料は与えなくても大丈夫です。花の寿命が短くなる可能性があります。
- 7月から10月
この時期の胡蝶蘭は一番疲れているときです。花を咲かせることに栄養を使っているので、花が終わったこの時期は体力回復の時期でもあります。水の吸収も高くなるので、花が終わったらこの時期に肥料を与えるのもよいでしょう。
与える肥料は洋ラン用のものを使用して、水に薄める液体のものを使用するのが好ましいです。薄める濃度は1000から3000倍と非常に薄めて使ってくださいね。
- 11月から12月
胡蝶蘭は冬支度に入ります。乾く回数も徐々に減って水を与える回数も少なくなってくるでしょう。肥料を与えるのもやめます。
最低限の働きで生きている状態ですので、急激な環境変化についていけないことがあります。場所を頻繁に動かしたり、必要以上にいじったりすると枯れてしまう場合もあります。
胡蝶蘭は自然に咲けば4月から6月に咲いています。
しかし胡蝶蘭をいただいたタイミングが4月から6月ではない場合胡蝶蘭の中の体内時計が狂うことがあります。
うまくいけば一年に一回咲かせてくれる胡蝶蘭ですが、花の時期がずれてしまった場合手入れをしても1年後に咲かないことがあります。
しかしその場合もあきらめないでくださいね。
葉っぱが分厚く艶があるようでしたら生きています。
体内時計を調節しているときもあるので、来年には咲かせてくれることもあります。葉っぱの状態を見てくださいね。
まとめ
胡蝶蘭にとっての冬は、デリケートな時期なのであまり構わずに手入れをするとよいことがわかりました。
その間、18度以下にならないように環境を整えてあげることが必要でした。
冬は湿度と温度に気を付けてくださいね。
春の胡蝶蘭の開花時期に向けて冬にしっかりとお世話をしてきれいな花を咲かせちゃいましょう。