胡蝶蘭にとって、長い冬を超えて春が訪れたのできれいな花をつけてくれる季節です。お世話していたものとしてはとても嬉しいですよね。
しかし、花が咲いている胡蝶蘭をお世話するときっていつもと一緒でいいのか分からないですよね。
また、花が咲いている胡蝶蘭を贈りものでもらうこともあると思います。
沢山の花を咲かせてくれるこの時期ですが、気を付けないといけないこともあるようです。
花を咲かせてくれている胡蝶蘭にとってどういうお世話をすればいいのか見ていこうと思います。
また、春に胡蝶蘭が咲かなかったという人もあきらめないでください。その理由と花を咲かせるコツもご紹介していきます。
目次
胡蝶蘭は春に咲くの?
胡蝶蘭はお祝い事でも冠婚葬祭などどのシーンでも選ばれ贈り物として使われている代表的なお花です。
いつでも咲いているイメージですが、胡蝶蘭にも1年に一回咲く季節があります。
それが3月から6月の春から夏にかけての季節です。
胡蝶蘭は熱帯地方で生まれたため、温かく多湿な場所を好みます。
18度の気温が数日続くと、胡蝶蘭にとって花を咲かす準備を始めていきます。
それと同時に株が弱っている時期でもあるので、デリケートな時期になります。
これが胡蝶蘭にとっての冬です。
温かくなって環境の変化を感じるようになると、胡蝶蘭は安心して花を咲かすことができます。
生産者はこの胡蝶蘭の性質をうまく利用して、一年中花を咲かせられるように工夫しているのです。
胡蝶蘭を育てる環境とは。胡蝶蘭にとって最適な気温と湿度で育てよう
胡蝶蘭を育てるには環境がとても大切です。
胡蝶蘭にとって高温多湿といわれるところを好むと思われていますが、気温だけでいうと人間が暮らしやすい気温が胡蝶蘭にとっても暮らしやすい気温です。
18度から30度の気温が最適といわれています。
そのため、人が生活している室内、特にリビングなどの気温が安定している場所において育てるのが一番です。
しかし、胡蝶蘭にとって湿度がないと元気になることができません。
胡蝶蘭は葉っぱからも水分を吸収しています。
胡蝶蘭にとって快適な湿度は、70%ほどといわれています。
加湿器などで保湿をして、最低でも50%ほどの湿度にしておきます。これは人間が快適な湿度です。
あとは霧吹きなどで、一日に複数回葉っぱの裏と表に水をかけてあげてくださいね。時々たまにほこりを濡れたペーパーなどでふき取ってあげることも忘れずに!
また加湿器などの近くにおいてあげることで部分的に湿度をあげて最適な環境を作ることも可能です。その時は加湿器の吹き出し口を直接当てないようにしましょう。胡蝶蘭が息ができずに窒息してしまいます。
湿気が好きな胡蝶蘭ですが、根っこは常に濡れている状態だと根腐れを起こして死んでしまいます。
胡蝶蘭の根っこは空気が好きです。
水のあげすぎは根っこを枯らしてしまいます。
7日から10日ほど、土(バークやミズゴケ)の表面が完全に乾いていたら水を与えます。
受け皿の水は捨てて、乾きやすい状態にしてあげてくださいね。
胡蝶蘭の置く場所も大切!快適な環境で春に咲いた胡蝶蘭を長持ちさせよう
胡蝶蘭は光が強すぎると葉焼けを起こしてしまいます。人間でいうところの日焼けや火傷です。
この葉焼けが起きたところから感染症や病気になって、枯らしてしまうことがあります。
窓際のレースのカーテン越しの光で育ててあげてください。
また、よく日が入るお部屋の真ん中でも大丈夫です。
直射日光に当たらないように気を付けてあげてくださいね。
空気が循環しているところが好きです。
しかし、扇風機やエアコンなどの直接風が当たるところは嫌います。
加湿器の吹き出し口が直接当たるのも嫌がります。
家の中のおすすめは、リビングや明るいキッチンです。人の通りもあるため空気も循環します。
- 日当たりがいい日陰
- 風直接当たらない空気が循環している場所
家の中やお店などを見渡して、胡蝶蘭にとって最適な場所になるのはどこなのか見極めてあげてくださいね。
花が咲いている胡蝶蘭にしなくていいこと、したほうがいいこと
実は胡蝶蘭はあまり構いすぎると枯らしやすくなってしまいます。
家で育てて花が咲いたのであれば、そのままの環境を維持することをおすすめします。
土(バークやミズゴケ)が乾いていたら水をあげるので十分ですが、花が咲いていると咲く前より少しだけ水の頻度が増えてきます。といっても10日に一回だったものが8日に一回になるくらいのほんの少しの変化です。
また、花持ちをよくするために肥料を与えたくなりますが、実は逆効果です。
肥料のような栄養を与えてしまうと、胡蝶蘭は勘違いをしてしまいます。
「花を咲かせている場合じゃない。栄養を貯めないといけない。」
となって花を早く落としてしまいます。
胡蝶蘭は1ヶ月から3ヶ月ほど花を咲かせてくれる花持ちが良いお花です。
また、贈り物でもらったものはまず胡蝶蘭にとっての快適な環境を作ってあげてください。
- 直射日光には当てない
- 風通しがいい場所(空気が循環している場所)
- 寒すぎず、暑すぎない気温
そのうえで、できればラッピングを外して鉢に湿気がたまらないようにしてあげます。
- 乾いてからのみずやり
- 霧吹きなどで葉っぱへも水をあたえる
- 出来れば湿度を50%以上(胡
- 蝶蘭の最適湿度は70%)
あとは、根っこは乾燥気味に、葉っぱは加湿気味に育ててあげるとうまく行きやすくなります。
胡蝶蘭を育てていたけど、春に咲いてくれないということはもちろんあります。
- 春以外に胡蝶蘭をもらった
例えば、冬や夏場にもらった胡蝶蘭は自然に咲く時期と花が咲く時期がずれています。咲くまでの体力がまだ回復していなかったり、胡蝶蘭が体内時計を調節したりしているため春に咲かないことがあります。
この場合は無理に咲かそうとせず、葉っぱなどの様子を見ながら元気な状態をキープさせてあげると来年咲いてくれたり、春以外に花を咲かせてくれたりしますよ。
- 胡蝶蘭おいている場所の温度が一年を通して一定
胡蝶蘭も気温の変化で季節を感じ、花を咲かせるタイミングを計ります。
18度から30度の胡蝶蘭にとって快適な温度は守りながら、季節によって気温にメリハリをつけることも大切です。
- 胡蝶蘭の葉っぱや根っこに異常がある
そもそも胡蝶蘭が健康でなければ花を咲かせてくれません。
葉っぱの状態は、厚くて艶がありますか?
葉の色が黄色や黒くなっていませんか?
根っこは腐っていませんか?
植え込み材にカビが生えたりしていませんか?
このような状態が見られたら、病気や根腐れ、害虫による被害など胡蝶蘭にとって命に関わることです。早急に対処してください。
- 胡蝶蘭にとって最適な環境でない
日が当たりすぎていたり、日に当たりすぎていなかったり、寒かったり、暑すぎたり、水のあげすぎだったり、水が足りていなかったりと胡蝶蘭にとって厳しい環境なのかもしれません。
環境を見直してみましょう。
環境は最適なのに咲かないこともあります。胡蝶蘭の葉っぱの様子を見て異変がなければ様子を見てみると咲くことがありますので、あきらめないでくださいね。
気まぐれな時に花をさかせることもありますよ。
まとめ
胡蝶蘭にとって花を咲かせる大切な時期である春。
しかし、育てている胡蝶蘭が異常はないのに花を咲かせてくれない時もあります。
花を咲かせるのは、季節を感じるとき、命を守る必要がなく繁殖に適していると胡蝶蘭が判断したときです。
花が咲く時期がずれていた胡蝶蘭を家にお迎えした次の年は花がつかないこともあります。
異常ではなく、胡蝶蘭が調整しているときですので様子を見てくださいね。
来年花をつけてくれるだけでなく、意外な時期に花を咲かせて喜ばせてくれることもありますよ。