胡蝶蘭は東洋ランの一種ですが、同じランにも洋ランがあります。そして洋ランにもいろいろな種類があるのを知っていますか?種類によって管理の仕方が違ってきます。
正しい管理の仕方を知らないと花は育ちません。
そこで今回は東洋ラン、洋ランの違い、種類、管理のポイントや胡蝶蘭の植え替え方法についてお話していきます。
ぜひ、この記事を読んで参考にしてくださいね。
目次
東洋ランと洋ランの違い
ここでは東洋ランと洋ランの違いについてお話していきます。
生息地によって違う
ランには、東洋ランと洋ランがあり、生息地によって分けられています。
東洋ランは、日本や中国を原産地としているランのことでそれ以外の地域のランを日本では洋ランと呼ばれています。
胡蝶蘭は、東洋ランの一種ですが、カトレア、パンダ、パフィオぺディラム、デンドロビウム、シンビジウム、オンシジウムは洋ランの一種で、胡蝶蘭と同じラン科の仲間です。
根の生え方によって違う
ランは土の奥深くまで根を下ろしている「着生ラン」と、木の幹や岩肌に張り付いて育つ「地生ラン」の2つの育ち方があります。
「着生ラン」は他の植物や岩の上に根を下ろして活動するランのことをいいます。葉や茎が肥大して水分や養分を蓄えることができます。
「地生ラン」は、乾燥地帯に生息するため水を保存できるように太く、丸く変化したバルブ(その茎が円みを帯びて肥厚する偽球茎)を持つのが特徴です。
東洋ラン、洋ランの種類は?
東洋ラン、洋ランにはいくつかの種類があります。ここでは、
東洋ランの、ファレノプシス(胡蝶蘭)、カトレア、オンシジウム、パンダ、デンドロビウム、シンビジウム、パフィオぺディラムを紹介していきます。
ファレノプシス(胡蝶蘭)
東南アジアを中心とした熱帯、亜熱帯地域が原産で、およそ50種類が分布するランです日本では、高級花「胡蝶蘭」として知られています。
昼夜の気温差が大きく高温多湿な、樹木の高い位置にある枝や幹に根を張り付かせて生息しています。
カトレア
中央~南アメリカが原産で、分類の仕方でも数は違ってきますが、40種類~80種類分布しています。ランのなかでは最も有名です。木の幹や枝や岩の上に根を下ろして生息しています。
オンシジウム
中南米各地が原産のランです。楕円形の茎の先から複数の葉をつける花茎は、枝が分かれており多数の花をつけ、花は唇弁が大きく広がりここが花の大部分を占めています。黄色の花が最も多いのが特徴です。
パンダ
東南アジアが原産で温度と湿度の高い場所を好みます。パンダは紫色の他にも濃いピンクや黄色系、赤、白などもあります。
葉が多数あり花は平らに開くのが特徴です。放っておくと茎が2m近くまでにも伸びます。
デンドロビウム
熱帯アジアが原産のランです。1000種類以上あるといわれ、茎が多肉の棒状になりそこから節ごとにの数枚の葉を並べます。花はランとしては特徴が少なく唇弁は他の弁より丸くて大きい花を咲かせます。
シンビジウム
東南アジアから日本が原産で、品質改良してできたランです。ランとしては寒さにも強く丈夫です。
株の根元には丸く大きくふくらんだ茎があります。ここに養分や水分を蓄えることができます。
最近は下垂性で、花や茎は立ち上がりますが、やや垂れ、下向きに長く伸びる花が増えています。
パフィオぺディラム
東南アジアが原産で、約70種類が分布するランです。主に樹木のうす暗い地面に根を下しますが、木の上に根を張り付かせて育っている花もあります。
パフィオぺディラムは花弁の一部が袋状になった不思議な花です。
その形から、食虫植物に間違えられたりします。
葉の中心から花や茎を長く伸ばし1本の茎に1輪~多数の花を咲かせます。袋状になる唇弁がダラリと伸びているものや、短くて毛の生えており、特徴があります。
花の色も白や黄色ピンクなどが基本ですが斑点や縞模様のものもあります。
管理のポイント
ここでは洋ランを管理するときのポイントについてお話していきます。
置き場所
洋ランの管理に適した温度は25度前後です。
洋ランは春から秋の成長期にはなるべく風通しのよい場所に置いてください。直射日光にあててしまうと葉焼けするのでランの種類によっては遮光ネットやカーテンなどで調節してください。
あまり、暗すぎると株が弱って花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。
また、寒い日や冬は室内に置いて管理するようにしてください。暖房機器の近くや風が当たる場所には置かないように注意してください。
水やり
洋ランの管理で重要なのは水やりです。
「着生ラン」と「地生ラン」で水やりが違います。
・着生ラン(胡蝶蘭、カトレア、デンドロビウム、オンシジウム、パンダ)
・地生ラン(シンビジウム、パフィオぺディラム)
シンビジウムとパフィオぺディラムは両方の性質を持つので半着生ランとも呼ばれています。
着生ランは生きるために常に、葉や茎に水分や養分を蓄えながら育ちます。毎日たっぷりと水をあげてしまうと、鉢のなかの水分を吸い切れずあっという間に根腐れをおこしてしまいます。用土や水苔がなかまで乾いたら水やりしてください。
地生ランは鉢のなかが完全に乾ききってしまう前に水やりをして、用土や水苔に常に湿り気がある状態を保つようにしてください。
また洋ランには成長期と休眠期があり、そこでも、水やりの仕方が変わってきます。
・成長期
成長期は7月~9月は生育期で根や葉が大きく育つ時期です。
・休眠期
休眠期は春~初夏にかけて開花をするために体力を温存している時期です。
冬の寒い時期は成長を止めて休眠期に入ります。
成長期以外は水苔などの植え込み材料が乾いてから与えるようにしてください。
休眠期は植え込み材料を触ってみて、乾燥気味で管理します。
洋ランを枯らす原因の多くが水の与えすぎなので注意しましょう。
花の植え替えでもう一度咲かせよう
花が咲き終わった後の4月~6月のタイミングで2年に1回を目安に行うのがベストです。
着生ランは鉢から抜いて、古い植え込みや材料や腐った根をピンセットで取り除き、根の間に新しい植え込み材料を詰めて鉢に戻します。
地生ランの植え替えは花が咲き終わった後か、秋に行ってください。植え替えのときは変色したり、傷ついたりした根や茎を清潔なハサミやカッターで切り取ってください。
そして新しい培養土で茎を1㎝~2㎝程度埋めて植え直しましょう。
まとめ
胡蝶蘭は東洋ランの一種です。洋ランの種類はたくさんあります。その他にも、着生ランと地生ランに分けられ、管理の仕方も違ってきます。
正しい置き場所や水やりを知っていないと花は育ちません。
胡蝶蘭は、花が咲き終わっても、もう一度花を咲かせることができます。
花の植え替えは、花が咲き終わった後のタイミングで行ってみましょう。