胡蝶蘭を板付けしよう!方法と管理の仕方をご紹介

胡蝶蘭は植木鉢で育てることが基本の育て方ですが、ハイドロカルチャーや板で育てることができるのをご存知でしょうか。植木鉢で育てるよりもおしゃれに育てることができるので、胡蝶蘭上級者に人気があります。ここでは、胡蝶蘭を板で育てる「板付け」の育て方をご紹介します。

胡蝶蘭の基本情報

胡蝶蘭の板付け方法を見る前に、まずは基本情報をご紹介します。

名前 胡蝶蘭
園芸分類 ラン
形態 多年草
原産地 台湾・フィリピン・インドネシア・マレーシア
草丈 10〜100cm程度
開花時期 不定期
花色 白・赤・ピンク・黄色・紫・青など
耐寒性 弱い
耐暑性 強い

胡蝶蘭は、インドネシアやマレーシアなど、熱帯地域を原産地とする植物です。植物の多くは土に根を張り成長する品種が多いですが、胡蝶蘭は周りの植物に寄生し、根を張る特徴があります。

バブルを持たずに肉厚の大きな葉っぱに蓄えた水分で成長をしていくため、水やりの頻度も少なく非常に育てやすい植物です。暖かい地域を原産とするので、耐暑性は非常に高いですが、寒さには非常に弱いので四季がある日本で育てるには、環境作りが大切になるでしょう。

胡蝶蘭を板付けのやり方や必要なものをご紹介

胡蝶蘭の板付けとは、自分の決めた板に根を絡ませて胡蝶蘭を育てる栽培方法です。

胡蝶蘭を板付けするためには、必要なものや手順を理解しておく必要があります。

事前に準備をしておくことで、板付けをスムーズに行うことができるでしょう。

ここでは、胡蝶蘭を板付けするための手順をご紹介していきます。

準備するもの

胡蝶蘭を板付けするために必要なものは、以下の通りです。

  • 水苔
  • 板付けをする板
  • 園芸用のハサミ
  • 絹糸
  • 園芸用の針金

板付けするものは板だけではありません。木製のバスケットなどを使用する場合は、そういったものを用意するようにしてください。

手順

板付けの手順は以下の通りです。

  1. 胡蝶蘭の花が終わっている場合は茎を切る
  2. 板付けする胡蝶蘭に付いている古い植木剤を取る
  3. 傷んだり元気のない根を切り取る
  4. 板付けをするものに胡蝶蘭を置いて水苔を巻きつける
  5. 水苔を付けたら絹糸で胡蝶蘭と水苔が離れないように巻きつける
  6. 板に針金を付けて吊るせるように工夫をする

板付けと聞くと少しむずかしいイメージを抱く方も多いかもしれませんが、1つ1つの手順はそこまで難しくありません。ただし、傷んだ根を見分けるには少しコツがひつようかもしれません。明らかに色が変わっているものや、しぼんでいるものを目安に根を切り取るとよいでしょう。

ハンギングバスケットでおしゃれに飾ろう!

板付けは、木の板でしか行えないのでは?と考える人もいるかもしれませんが、ハンギングバスケットという木でできたバケットでも上手に育てることができます。

ハンギングバスケットを使用する場合は、水苔を敷き詰めることで上手に育てる事ができるでしょう。

板付けした胡蝶蘭の正しい育て方

板付けした胡蝶蘭は、通常の鉢植えの胡蝶蘭の育て方と少し異なる部分があります。

  • 水やり
  • 置き場所
  • 肥料
  • 植え替え

この4つの育て方について詳しく解説します。

水やり

植木鉢で育てる胡蝶蘭と比べて、植木剤の水苔がむき出しになっているので根が乾きやすい傾向にあります。あまり乾きすぎてしまうと枯れてしまう原因になるので、こまめに水苔をチェックしてカラカラに乾く前に水やりを行いましょう。

根が剥き出しなので、根腐れの心配はいりません。葉っぱにも水がかかるようにたっぷり与えると良いです。

冬の時期はこまめに霧吹きで水を与えると、冬の乾燥にも耐えることができるでしょう。

置き場所

置き場所は、風通しが良く明るい場所が好ましいです。

胡蝶蘭は直射日光を苦手とする植物なので、室内なら明るい日陰や遮光性が30%以上のカーテンの近くで育てるのが良いでしょう。

外で管理をする場合は、木陰になりやすい大きな木の下などに吊るすと、自然に近い形で胡蝶蘭を育てることができます。

ただし、胡蝶蘭は寒さに非常に弱いので15℃以下にならないような場所で、管理すると上手に育つでしょう。

肥料

肥料を与える場合、植木鉢と異なりすべて垂れ流し状態になってしまうので、こまめに肥料を与えるのがポイントです。

液体肥料を与える場合は、規定量に薄めて水やりの代わりにあげるのも良いでしょう。

有機肥料を与えたい場合は、ネットなどに肥料を詰めて、板付けしている木に括り付ける方法もあります。どちらも有効な方法なので、自分に合った方法で肥料を与えましょう。

植え替え

板付けで育てる場合は、植え付けていないので植え替えの必要はありません。

板付けをしている木材が弱ってしまったり、腐っている場所を見つけた場合は、新しい木材に胡蝶蘭を巻きつけてあげると、再度楽しむことができるでしょう。

板付けした胡蝶蘭を育てるときによくある疑問

板付けした胡蝶蘭を育てていると、さまざまな疑問が生まれてきます。

その中でも、多くの人が疑問に思う3つの内容について詳しく解説していきます。

板付けする時期はいつがいい?

胡蝶蘭の板付けは、なるべく暖かくなった時期がおすすめです。中でも胡蝶蘭の成長期と呼ばれる6月頃が向いています。この時期は胡蝶蘭の復活力も高いため、多少根が傷ついても問題なく復活してくれるでしょう。逆に寒い時期は休止期で胡蝶蘭が眠っている時期なので、板付けは避けるのが無難です。

水苔が余ったらどうする?

余った水苔は、ビニール袋などに入れて保存することができます。1度乾燥をしても、再度使用するときに水を含ませれば使えるので、捨てずに残しておくと良いでしょう。

どんな木材に板付けできる?

基本的にどんな木材にでも板付けすることができますが、よく使用されている木材をご紹介します。

  • 流木
  • コルク
  • ヘゴ板
  • 焼き杉板

ほかにも先程紹介したハンギングバスケットなども、おしゃれに飾ることができるので人気です。自分の好きな木材を見つけて、板付けをしてみると良いでしょう。

まとめ

胡蝶蘭でよくあるトラブルは「根腐れ」です。水のやりすぎや根が湿気に耐えきれずに腐ってしまう病気ですが、板付けは根が剥き出しになっているため、根腐れの心配はまず必要ないと言えます。板付けの方法も非常に簡単なので、意外と初心者でも簡単に育てることができるかもしれません。鉢植えで育てるのに飽きた方、根腐れで1度胡蝶蘭の栽培に失敗してしまっている方は、ぜひ板付けで胡蝶蘭を育ててみてくださいね。