胡蝶蘭の栽培の仕方って気になりますよね。水やり、肥料、温度・湿度管理、植え替えなど、育てるにあたっていくつか注意ポイントがあります。いただきものなどで「初めて育てるハメになった!」という方も結構多いのではないでしょうか。胡蝶蘭は熱帯雨林地方を故郷とする日本とはかけ離れたお花なので、一見栽培は面倒そうに見えます。しかし、胡蝶蘭の育て方は簡単なものです。ここで育て方のポイントを順番に見ていきましょう!
目次
胡蝶蘭の水やり方法は?
胡蝶蘭の水やりの基本は、以下です。
量→1回で200~500ml
与え方→根本(植え込みの表面)にゆっくり与える
頻度→植え込み材が乾いているのを確認してから3日目くらい。1週間~10日間に1度 だけで良い
日本には四季がありますよね。胡蝶蘭を日本で育てるとなると、季節の変化ですぐしおれてしまったり枯れてしまったり病気になりやすいです。どんな季節でも元気に育つように、水やりの頻度・量も季節によって変えてあげる必要があります。
春・秋
春と秋は、上記でご紹介した基本的な水やりの仕方を参考にしてください。
加えて、葉への水やりもしてあげてください。暖かい気候になり、自然と葉の水分も減ってきます。乾燥するとしおれてしまうため、少し多めに水を与えてくださいね。
梅雨
自然の雨はミネラルが豊富なため、胡蝶蘭にとって良い栄養素となります。積極的に雨に当ててください。しかし、あまり雨に当てすぎると「根腐れ」という根が腐る病気になってしまいます。その原因となる「蒸れ」に気を付け、雨に当てっぱなしではなく、風通しの良い場所で根を乾燥させてあげてください。
夏
夏は、気温が高く、喉が渇きますよね。胡蝶蘭も同じです。普段と同じ量の水分ではバテて(枯れて)しまいます。
屋外で育てている場合→1日1回
室内で育てている場合→2~3日に1回
胡蝶蘭が枯れてしまわないよう、こまめに水分を与えましょう。
冬
冬の間は胡蝶蘭にとって休止期です。ですから、水分をほとんど必要としません。熱帯地方の胡蝶蘭なので、とにかく寒さに弱いです。この時期にいつも通りの「水」を与えてはいけません。冷たすぎて凍傷をおこしてしまい、しおれる原因となります。
1ヶ月に1度、30度くらいのぬるま湯を与えてください。
また、凍傷を防ぐためにできるだけ気温が高い日の午前中に与えてあげましょうね。
胡蝶蘭を育てるときの注意点
ラッピングは必ず外そう
いただきものの胡蝶蘭の場合、きれいにラッピングがしてあると思います。見栄えもいいし、つけておきたい!という気持ちはわかりますが、そのままにしておくと蒸れて根腐れの原因となってしまいます。必ず外すようにしましょうね。
なるべく室内で育てよう
室外で育てることももちろん可能ですが、害虫や気候の変化によって花持ちが悪くなります。できることなら室内で育てるようにしてくださいね。
直射日光厳禁
胡蝶蘭の生まれ故郷は熱帯雨林です。日本で育てる場合でも、なるべくその環境に近づけてあげることが重要です。風通しの良い場所に、レースカーテン越しの光が当たるように置きましょう。外で育てる場合も、中で育てる場合も「直射日光は厳禁」です。人も直射日光はキツいですよね。胡蝶蘭も同じです。葉っぱが焦げてしまう「葉焼け」という病気の原因となります。気を付けてくださいね。
地面から50cm以上の高さで育てよう
これは害虫対策です。
温度・湿度に注意
20度前後に温度を保とう
胡蝶蘭にとって温度管理はとても重要です。できる限りどんな季節でも20度前後に温度を保ってあげることで、花もちが良くなります。
冬はとても寒いので、暖房を当ててあげてください。(このとき直接当てることは絶対にやめてくださいね。乾燥して枯れてしまいます。)特に冬の夜に注意が必要です。冷えは、胡蝶蘭にとって生まれ故郷と真逆の環境です。寝るときに暖房を切る家庭は、胡蝶蘭を毛布でくるんだり段ボールに入れたりして寒さから守ってあげてください。
胡蝶蘭に肥料は必要?
胡蝶蘭に肥料は特に必要ない
基本的に肥料は与えなくてもOKです。10月から3月までは特にあげる必要がないです。
しかし、もちろん肥料をあげるメリットはあります。それはより胡蝶蘭の花持ちを良くし、より胡蝶蘭を育てやすくするということです。
大前提として、肥料は何のために与えるかというと、元気な株の成長を助長するものです。「既に弱ってしまっている株を強くしたり、元気にしたりするためのものではない」ということを覚えておいてください。
既に弱っている状態や、しおれている胡蝶蘭を再び元気に咲かせるために肥料を与えても、返ってダメージを与えてしまうので、上記の認識は忘れないようにしましょうね。
もし与える場合は、春から秋までの「生育期」と呼ばれる成長している時期にあげるようにしましょう。また、花が咲いている時期(開花中)にも与える必要はありません。開花中に与えると、栄養が行き過ぎて花が落ちてしまう場合があります。気を付けてくださいね。
また、肥料は与えすぎも禁物です。肥料が多すぎると茎などの徒長(無駄に成長してしまうこと)や「根腐れ」を起こすなどしてしまいます。量も大事ですが、濃度も大切です。「薄めて」使う液体の肥料を使う場合は、きちんと商品に記載されている濃度を守るようにしてくださいね。何事も「やりすぎ」は良くないのですね。
胡蝶蘭の肥料の種類
胡蝶蘭の肥料の種類は、「無機質」と「有機質」の2種類あります。
無機質
科学的に肥料の成分を合成したものです。即効性のものが多いのですが、与えすぎると根腐れを起こしてしまうので注意が必要です。
有機質
「油粕」が代表的な肥料です。有機質の肥料の特徴として、ゆっくりと成分が流れ出すため、花に与える肥料のダメージは少ないように思われます。しかし臭いがキツいため、室内で使用することはあまりおすすめできません。
胡蝶蘭の肥料は園芸店やお花屋さんなど、基本的にどこにでも取り扱っているものです。何度も言いますが基本的に与える必要はありません。与え方によって長生きさせたり早死にさせたりしてしまうため、上記のことに気を付けて育ててみてくださいね。