植物といえば地植えや植木鉢で育てるイメージが強いですが、水を使用した育て方があるのをご存知でしょうか?
水を多く必要としない胡蝶蘭も、水耕栽培で元気に育てることが可能です。
今回は、そもそも水耕栽培とはどんな育て方なのかとういう基本情報から、胡蝶蘭を上手に水耕栽培で育てるコツなどを詳しくご紹介します。
目次
胡蝶蘭は水耕栽培ができる!基本的な方法をご紹介
バークや水苔を使用して植木鉢で育てることの多い胡蝶蘭ですが、水だけを使用した水耕栽培で育てることも可能です。ほかの育て方と比べても用意するものが少ないため気軽に始めることができますし、なにより着生植物である胡蝶蘭と相性が良いとされています。
ここでは、そもそも水耕栽培とはどんな育て方なのかや育て方などを解説します。
そもそも水耕栽培とは
水耕栽培とは、その名の通り水を利用した栽培方法です。
土を使用せずに液体肥料と水だけで育てていくので、準備をするものも少なく、気軽に始めることができます。
胡蝶蘭の根の部分を肥料と水が含まれた水につけることで、根から必要な養分を吸収する仕組みです。水耕栽培は、根の様子を観察することができるので、比較的衛生的に管理しやすく、健康な胡蝶蘭を計画的に栽培することができるでしょう。
水耕栽培をする容器
水耕栽培におすすめな容器は以下の通りです。
- ペットボトル
- 透明なコップ
基本的に水が入れば容器はなんでも大丈夫ですが、透明な容器のほうが中を観察することができるのでおすすめです。
とくにペットボトルはどの家庭にもあるので、気軽に水耕栽培を始めることができるでしょう。
透明なコップを用意する場合は、なるべく底が広くて安定しやすいものを選ぶと良いです。
育てたい胡蝶蘭に合わせて水耕栽培をする容器を用意しましょう。
胡蝶蘭を水耕栽培する方法
胡蝶蘭を水耕栽培で育てる方法を見ていきましょう。
手順は以下の通りです。
- 容器を用意する
- 用意した容器に胡蝶蘭を入れる
- 容器に移したら1週間ほど乾燥させる
- 乾燥させたら根の先が数cm付く程度に水を入れる
- 毎日水を交換して日当たりの良い場所に置く
まず最初に、胡蝶蘭に合った容器を用意します。ペットボトルの場合は胡蝶蘭の大きさに合わせて長さを調節してください。
容器が用意できたら、胡蝶蘭を移動させます。このときに、根にバーグや水苔が付いている場合は、必ず丁寧に落とすようにしましょう。また、容器の中には水は入れないでください。
容器に移すことができたら、しっかりと胡蝶蘭の根を乾燥させます。1週間前後で根はしっかりと乾燥するので、乾燥したのを確認したら水を入れます。水は根に数cm付くくらいで大丈夫です。入れすぎると根腐れの原因になるので注意しましょう。
あとは、毎日水を交換して日当たりの良い場所で管理すれば、胡蝶蘭の水耕栽培は成功しやすくなります。
胡蝶蘭を水耕栽培で育てるときのコツ
せっかく水耕栽培にチャレンジするのであれば、長期間胡蝶蘭を楽しみたいですよね。胡蝶蘭を水耕栽培で上手に育てるには、以下のコツを参考にしてください。
- 根腐れに気をつける
- 置き場所に気をつける
- 水替えに使用する水の温度に気をつける
それぞれのコツを詳しく解説します。
根腐れに気をつける
胡蝶蘭は水を好む植物ですが、必要以上に水を与えると根腐れを起こす可能性が高まるので注意が必要です。とくに水耕栽培は水を多く使用するため、慎重に胡蝶蘭を観察していく必要があるでしょう。
根腐れで見られる症状は以下の通りです。
- 根が細くブヨブヨしている
- 容器の中の根がスカスカ
- 根の色が黒っぽくなってきている
水を必要以上に入れなければ、根腐れを起こす心配はいりません。上記で説明した水耕栽培の方法を参考に、水の量を調節してください。
置き場所に気をつける
胡蝶蘭は日光を好む植物です。そのため、日の当たらない場所で管理をしてしまうと、どうしても弱った胡蝶蘭になってしまいます。
水耕栽培で管理する場合に限らず、胡蝶蘭を管理するときは、日当たりの良い明るい場所に置くと良いでしょう。ただし、直射日光は葉焼けの原因になるため、直射日光が当たらない半日陰か、レースカーテンの後ろなどに置くと良いです。
また、室内で管理をする場合はエアコンの風などにも注意が必要になります。直接胡蝶蘭にあたると、乾燥を招いて株にダメージを与えてしまうので、葉水などで対処しましょう。
水替えに使用する水の温度に気をつける
水替えに使用する水は、冷たすぎても暖かすぎても胡蝶蘭に悪影響です。そのため、水道水の場合は、常温に戻した水で水替えをするようにしましょう。
冬の時期は常温に戻すのは難しいかと思うので、お湯と水で温度調節をするのがおすすめです。
胡蝶蘭は水耕栽培以外でも育てられる!おすすめの栽培方法
胡蝶蘭は水耕栽培で育てることができますが、ほかにもさまざまな方法で育てることが可能です。
特に人気の方法は以下の通りになります。
- バーグや水苔
- ハイドロカルチャー
- 空中栽培
それぞれどんな栽培方法なのか、詳しく見ていきましょう。
バーグや水苔
胡蝶蘭を植木鉢で育てている場合、一番多く使用されている栽培方法です。
水苔とは、名前の通り水を含んだ苔で、バーグとはバークチップと呼ばれる木でできた植木材になります。
どちらも水はけが良いので、湿気を嫌う胡蝶蘭にふさわしい栽培方法です。
ハイドロカルチャー
ハイドロカルチャーとは、人工の土を使った栽培方法です。
栽培の仕組みは水耕栽培と変わりません。ハイドロカルチャーで使用される人工の土は「ハイドロボール」と呼ばれており、無菌で清潔な状態を保つことができるので、バーグや水苔と比べて虫が湧きにくく、室内栽培に向いています。見た目も非常におしゃれなので、インテリアにこだわる人に非常に人気です。
空中栽培
空中栽培とは、胡蝶蘭の性質を生かした栽培方法で、根っこに針金などを通して胡蝶蘭を吊るして栽培します。
自然の胡蝶蘭は、近くに生えている木などに根を絡ませて生活をしているため、空中栽培でも問題なく育てることができます。空中栽培を歴て、板付で胡蝶蘭を育てることも多く、レベルの高い栽培で胡蝶蘭を楽しむことができるでしょう。
まとめ
胡蝶蘭はお祝いのシーンで贈り合うだけではなく、工夫をすることでおしゃれに栽培出来ることがわかりました。とくに水耕栽培は用意するものも少なく、いつでも根の状態を観察しながら育てることができるため、初心者でも気軽に育てることができます。
植木鉢の胡蝶蘭に少し飽きてしまった、おしゃれに胡蝶蘭を栽培したいと思う人は、ぜひ水耕栽培にチャレンジしてみてください。