仕事をしていると、就任祝いなどにお花を贈る機会が多いのではないでしょうか。しかし、ビジネスマナーを知らずに贈り物をしてしまうと、かえって失礼になる可能性もあります。
そこで本記事では、昇格・昇進・就任祝いの贈り物におすすめの「胡蝶蘭」と、贈る際のマナーや注意点をご紹介します。
マナーを守って、素敵な胡蝶蘭を贈りましょう。
目次
昇格・昇進・就任祝いに胡蝶蘭がおすすめな理由
胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」。縁起の良い花言葉と豪華な花姿から、古来より「幸福の象徴」と言われてきました。その美しく気品ある佇まいから、就任を祝福する気持ちを込めて贈ることができる花として長年親しまれてきたのです。
新しい職責を全うすることへの祝福と、これからの門出を華々しく飾る意味を込めて、昇格・昇進・就任祝いの品として最適な存在だと言えるでしょう。
花粉が飛ばず、香りもほとんどないので、飲食店などにも置けます。贈る相手の業種を選ばないのも魅力です。
また、胡蝶蘭は切り花ではなく鉢植えで贈るのが一般的です。鉢植えのギフトはしっかりと鉢に根付いた状態なので、「幸運が長く続く」「幸運が根付いて末永く繁盛する」といった意味を持たせることもできます。
職場の中では上司や同僚、部下など、さまざまな立場の人から贈られます。しかし、胡蝶蘭の種類や付け添えるメッセージを変えることで、相手への気持ちの伝え方を変えることも可能ですよ。
このように、胡蝶蘭には贈り物におすすめな理由がたくさんあります。
昇進と就任と昇格はどう違う?それぞれの意味を紹介
ビジネスシーンのお祝いごとには、就任祝い、昇進祝い、昇格祝いなどがあります。
間違いやすい言葉として昇進や昇格がありますが、意味が違うので注意しましょう。
昇進は地位が上がることです。例として、肩書がかわり、課長から部長へと変わることなどが挙げられます。ビジネスシーンでお祝いすることが多いのが、この昇進祝いです。
昇格は、試験などに合格したり、会社によって決められた資格が上がることを意味します。こちらは能力や資格が上がっていくことを指します。
就任は、新しく役職がついたり地位についたりする場合に使います。昇進と少し似ているので間違えないようにしましょう。昇進はステップアップしたときに使いますが、就任は、例えば「営業課長」から「人事課長」になったときにも使います。同じ課長に変わった場合でも、新しく地位がついているので「就任」になります。そのため、社長になったときも「就任」という言葉を使います。
胡蝶蘭には立札をたててお祝いの気持ちを表しますから、お祝いの名前を間違えないよう注意しましょう。ビジネスシーンにおいて一番大切なのは、役職名と名前を間違えないことです。役職名や漢字は何度も見直しましょう。
就任する役職に応じた胡蝶蘭の選び方
就任される役職によって贈る胡蝶蘭の大きさや華やかさが異なります。例えば、社長などの要職に就任される場合は、5本立ち以上の大鉢や高級な白大輪の胡蝶蘭が相応しいでしょう。
一方、部長や課長クラスの役職に就任される場合は、3本立ち程度の中鉢サイズがおすすめです。その際、白の小ぶりな胡蝶蘭がよく選ばれます。
このように、役職の重みに合わせて胡蝶蘭のサイズや雰囲気を変えることが、就任祝いの作法となります。
役職 | 胡蝶蘭のサイズ |
社長など要職 | 5本立ち以上の大鉢 |
部長・課長 | 3本立ち程度の中鉢 |
社長就任なら高級な大鉢
社長就任という重要な人事を祝う場合、胡蝶蘭の鉢は高級で大きめのものを選びましょう。一般的な目安としては、以下のようになります。
鉢の大きさ | 価格帯 |
5本立ち | 10,000円前後 |
7本立ち | 15,000円前後 |
10本立ち | 25,000円前後 |
このように、社長就任の場合は最低でも5本立ち以上の胡蝶蘭を選ぶことが望ましいでしょう。さらに、華やかさを求めるなら蕾つきの品種を選ぶと良いでしょう。
贈る側と受け取る側の関係性によっても適切な胡蝶蘭は変わってきますが、社長という重要な地位を尊重する意味を込めて、なるべく高級で豪華な胡蝶蘭を選ぶのがマナーと言えます。
部長・課長就任なら中鉢がおすすめ
部長や課長に就任される場合は、中鉢の胡蝶蘭がおすすめです。部長や課長は会社の中核を担う重要な役職ですので、贈る胡蝶蘭にもそれなりの品格が求められます。
一般的な目安としては、下記のような鉢の大きさが適切と言えるでしょう。
- 部長就任:5本立て前後の鉢
- 課長就任:3本立て前後の鉢
中鉢ならば、過剰に豪華すぎず控えめでありながら、十分な品格とボリューム感があります。贈る側の気持ちを適切に表現できるでしょう。
贈答相手との関係性による選び方
就任祝いの胡蝶蘭を選ぶ際は、贈答相手との関係性を考慮することが大切です。
上司への就任祝いは豪華な大鉢の胡蝶蘭、同僚や部下への就任祝いは、スタンダードな中鉢など、贈答相手との関係性に応じて胡蝶蘭の豪華さを選び分けましょう。
上司への就任祝いは豪華な胡蝶蘭
上司への就任祝いには、豪華な大鉢の胡蝶蘭がおすすめです。上司との上下関係を意識し、一回り上の品質・規格のものを選ぶのがマナーです。
具体的には以下の表を目安にしてみてはいかがでしょうか。
役職 | 鉢の大きさ | 本数 |
社長 | 5本立ち以上 | 3本立て以上 |
部長 | 3本立ち以上 | 2本立て以上 |
課長 | 3本立ち程度 | 1本立て程度 |
上司への就任祝いは、部下からの尊敬の気持ちを込めて豪勢なものを選ぶのが一般的です。胡蝶蘭以外にも高級な花々を使ったアレンジメントなども選択肢に入ります。予算は役職に見合ったものを用意し、気持ちよく贈れる範囲内が無難でしょう。
同僚・部下への就任祝いはスタンダードな胡蝶蘭
同僚や部下から上司への就任祝いの場合、胡蝶蘭の値段は10,000円から20,000円程度がおすすめです。
あまりに豪華なものを選ぶと予算オーバーになる可能性があります。 上司との人間関係を大切にしつつ、過剰な贈り物は避けるのが賢明でしょう。
予算に応じた胡蝶蘭の選び方
胡蝶蘭の値段の幅はさまざまなので、予算に応じて選ぶこともできます。
花の本数が増えるにつれ価格は高くなりますが、珍しい品種によっては鉢の大きさが同じでも価格が高くなる傾向があります。
胡蝶蘭の価格相場を見ていきましょう。
予算相場と鉢の大きさの目安
胡蝶蘭の値段は鉢の大きさや本数によって大きく異なります。以下の表を参考にしながら、ご予算に応じた適切な鉢のサイズと本数を選ぶとよいでしょう。
大輪サイズ(花弁10〜15cm)
- 3本立て:15,000円~30,000円
- 5本立て:30,000円~50,000円
- 7本立て:40,000円~60,000円
中輪サイズ(花弁6〜12cm)
- 3本立て:10,000円~25,000円
- 5本立て:20,000円~35,000円
- 7本立て:30,000円~45,000円
一般的には、上司や会社への贈り物の場合は大輪サイズの5本立て以上、同僚や部下への贈り物の場合は中輪サイズの3本立てが目安となります。ただし、予算に合わせてサイズを選ぶのが賢明です。
花の本数は奇数がベターですが、最終的にはご予算に合わせた選択が何より大切です。
まとめ
就任祝いに胡蝶蘭を贈るときは、相手の役職や予算に合わせて適切な鉢サイズを選ぶことが大切です。
同僚・部下への贈り物は1本や3本立てが一般的ですが、上司への贈り物は豪華な大鉢がマナーとされています。
胡蝶蘭の贈り物に添えるメッセージカードは、簡潔で丁重な言葉遣いを心がけましょう。例えば、 「○○様の就任を心よりお祝い申し上げます。今後ますますのご活躍を期待しております。」などがおすすめです。贈答の時期は就任後すぐが理想的ですが、前後1ヶ月程度の幅を持たせるのがマナーとなっています。
今回解説したマナーや選び方を参考に、心を込めて胡蝶蘭を贈ってみてはいかがでしょうか。