胡蝶蘭は、その優雅な姿から「花の女王」とも称されますが、梅雨の時期の管理を間違えると根腐れを起こしたり花を傷めてしまったりすることがあります。高温多湿を好む胡蝶蘭にとって、梅雨は生育期と重なりますが、長雨や湿度の高さは胡蝶蘭にとってストレスとなることも少なくありません。
本記事では、梅雨時の胡蝶蘭の日当たりや水やり、肥料、植え替えのポイントを解説します。押さえておくべき注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
胡蝶蘭は高温多湿を好む植物
胡蝶蘭は、高温多湿な環境を好む植物です。原産地はフィリピンや台湾、インドネシアなどの熱帯アジア地域であり、日本では温室で栽培されることが多いです。
胡蝶蘭の生育に適した温度は15~25℃、湿度は60~70%であり、日本の梅雨の時期は気温・湿度ともに胡蝶蘭の生育に適しているといえるでしょう。
しかし、梅雨の時期だからといって胡蝶蘭の管理を怠ると、思わぬトラブルが発生する可能性があるので注意が必要です。
梅雨時の胡蝶蘭の育て方
梅雨時の胡蝶蘭の育て方として、以下の4点を押さえておくことをおすすめします。
- 日当たり
- 水やり
- 肥料
- 植え替え
ここでは、具体的な育て方について紹介します。
日当たり
梅雨の時期は曇り空の日が多いため、適切に日が当たる場所に置くのが大切です。具体的には、梅雨時の晴天では明るい日陰で管理したり、遮光カーテンなどを使用してやさしい光を取り込んだ部屋がおすすめです。
一方、梅雨時の曇天では室内の明るい場所に置き、レースカーテンなどを活用して光量を調整してください。長雨で日照不足の場合は、植物育成ライトなどで補うと良いでしょう。
適切な日当たりを保つことで胡蝶蘭は健やかに育ち、美しい花を咲かせてくれます。
水やり
胡蝶蘭はもともと熱帯アジアの湿度の高い地域に自生しています。そのため、空気中の湿度が高い環境を好みますが、だからといって常に水を与えれば良いというわけではありません。
梅雨の時期は7~10日に一度、土の表面が乾いているのを確認してから水やりを行う程度で十分です。気温が下がると水の吸い上げが悪くなるので、水やりする場合は午前中がおすすめです。
梅雨の時期は湿度が高くなりがちになり、土が乾きにくくなります。胡蝶蘭は鉢の中が常に湿った状態を嫌う性質があるので注意が必要です。
肥料
胡蝶蘭は、春~秋に生育期を迎える植物です。梅雨の時期も生育期に含まれるため、適切な肥料を与えることで健康的に育てられます。
梅雨時に肥料を与える際は、ラン用の液体肥料を薄め、1~2週間に一度のペースで与えてください。緩効性が特徴な固形肥料でも問題ありませんが、水やりが少なく梅雨時では肥料の吸収率が悪く濃いまま残ってしまいやすく、場合によっては根を傷つけてしまうことがあります。
胡蝶蘭に肥料を与える際、より安心な与え方を考えるなら薄めた液体肥料を使用するのが無難です。
植え替え
胡蝶蘭の植え替えは4~6月ごろが適期とされており、梅雨の時期でも問題なく行うことが可能です。植え替えは2~3年に一度を目安とし、鉢の底から根が出てきたり土などの資材が古くなったりしていたら植え替えのタイミングです。
植え替えの手順は以下の通りです。
- 鉢から胡蝶蘭を抜き、古い水苔を丁寧に落とす
- 傷んでいる根や黒くなった根は、清潔なハサミで切り落とす
- 新しい水苔を水に浸してから軽く絞り、胡蝶蘭の根の回りに巻きつける
- 水を与えず15~20日程度経ったら、コップ一杯程度の水を与える
植え替え後1~2ヶ月程度は水やりを控えめに行い、直射日光を避けた日当たりの良い場所で管理するのがポイントです。
梅雨の時期の胡蝶蘭で注意すべきポイント
梅雨の時期の胡蝶蘭で注意すべき点として、以下の3つが挙げられます。
- 雨に当てすぎない
- 直射日光を避ける
- 根腐れ起こしやすい
最後に、それぞれの注意点を具体的に解説するので、胡蝶蘭の育成に役立ててください。
雨に当てすぎない
胡蝶蘭はもともと高温多湿の環境を好むため、雨に多少当たる程度なら問題ありません。雨には天然のミネラルが含まれているため、生長期を迎えている胡蝶蘭にとってプラスに働きます。
しかし、梅雨の長雨に当てすぎてしまうと花が傷んだり、株を弱らせたりといった問題が起こってしまいます。それだけでなく、黒点病などの病気になってしまう可能性もゼロではありません。
梅雨の時期に胡蝶蘭を管理する場合は、雨のあまり当たらない風通しの良い明るい場所に移動させましょう。特に、軒下やベランダの屋根の下などが適しています。
どうしても屋外に置く必要がある場合は、雨除けを設置するなどの対策をしてください。
直射日光を避ける
胡蝶蘭は、強い直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうため、梅雨の時期でも直射日光を避けることが重要です。特に、雨上がりは水滴がレンズの役割を果たし、葉焼けのリスクが高まってしまう可能性があります。
葉焼けの主な症状としては、葉が白く抜けたような色になったり葉が茶色に変色したりといったものが挙げられます。
葉焼けを防ぐためには、直射日光が当たらない場所に胡蝶蘭を移動させることが大切です。それだけでなく、レースのカーテン越しに光を当てたり遮光ネットを利用したりするのも効果的です。
また、梅雨の時期は曇りがちの日が多いですが、曇りの日でも紫外線は出ているため、油断しないようにしましょう。
根腐れ起こしやすい
梅雨の時期は湿度が高く、胡蝶蘭の根腐れが発生しやすい時期です。胡蝶蘭はもともと熱帯雨林の樹木に着生して育つ植物なので湿気を好みますが、過湿状態が続くと根腐れを起こしてしまいます。
根腐れは、水の与えすぎなどが原因で鉢の中が過湿になってしまい、胡蝶蘭の根が水分を多く含みすぎて酸素不足になることで発生する症状です。
根腐れの初期症状としては、葉がしおれたり黄色く変色したりすることが挙げられます。症状が進むと根が黒く変色して腐敗臭がするようになり、最悪の場合は株全体が枯れてしまうこともあります。
根腐れを防ぐためには、「水苔が乾いてから水やりをする」「受皿に水をためたままにしない」「鉢内の通気性を良くする」といった対処が重要です。根腐れは早期発見と早期対処が大切なので、少しでも異変を感じたら根の状態を確認し、適切な処置を行うようにしてください。
まとめ・正しいケアで胡蝶蘭と梅雨を乗り切ろう
胡蝶蘭は高温多湿を好む植物ですが、梅雨の長雨や過湿は根腐れや病気の原因となるので注意が必要です。梅雨時の胡蝶蘭の管理で重要なのは、日当たりや水やり、肥料、植え替えです。
日当たりは、梅雨の晴れ間は明るい日陰、曇天時は室内の明るい場所に置き、レースカーテンなどで光量を調整します。長雨で日照不足の場合は、植物育成ライトなどを活用して光を補うのがおすすめです。
水やりは7~10日に一度、土の表面が乾いてから行います。肥料は1~2週間に一度、薄めた液体肥料を与えましょう。
植え替えは4~6月が適期なので、鉢底から根が出ていたり水苔が古くなったりしていたら植え替えを検討してみると良いかもしれません。ぜひ本記事を参考に、梅雨の時期でも適切な管理を行って胡蝶蘭を元気に育ててみてください。