胡蝶蘭は地植えできない理由と、胡蝶蘭の正しい育て方

胡蝶蘭って花が終わった後どうしようか悩んでしまいますよね。鉢でそのまま育ててしまおうと思っても、家の中より外で元気に育ってくれるかも? と思いませんか?

しかし、胡蝶蘭は外で地植えできないお花なんです。胡蝶蘭が地植えできない理由と、お花が落ちてしまった後の育て方についてまとめました。

胡蝶蘭を地植えできない理由とは?

胡蝶蘭 地植え

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胡蝶蘭を地植えできない理由1

  • 寒さ

胡蝶蘭は、熱帯地方を中心に咲いているお花です。そのため寒さに弱く、7度で凍ってしまうほどです。15度になると成長を停止してしまうので、なるべく15度以下にならないようにする必要があります。

日本で地植えしてしまうと、寒さが原因で胡蝶蘭が成長できない可能性があります。むしろ、凍死してしまうので外に植えることはやめましょう。

胡蝶蘭を地植えできない理由2

  • 息が出来なくなる

また、胡蝶蘭は地植えにしてしまうと、うまく根っこが呼吸できなくなる可能性があります。

というのも、野生の胡蝶蘭は木の上で着生しているので、土のような息が出来ないところが苦手です。

乾いたり、濡れたりを繰り返すことで、胡蝶蘭は水分のバランスをとって成長していきます。胡蝶蘭には根っこが乾いているとき(息ができる時)が必要なので、土の中に根っこを入れて育ててしまうとうまく育たない可能性があります。

主にこの二つ理由で、胡蝶蘭は地植えに不向きだとされています。

胡蝶蘭は実は、普通のお花とは全く違った性質を持っているので、気を付けないといけません。しかし、この性質を覚えてしまえば、普段のお花よりも楽に管理ができるお花でもあります。

胡蝶蘭の特性

胡蝶蘭 水やり

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胡蝶蘭が普通の花と違うのは、水やりの頻度です。

先ほどもお伝えした通り、根っこは乾いたり、濡れたりすることでバランスをとっているので、濡れっぱなしが嫌いです。鉢からはみ出してしまうことがあるほど、胡蝶蘭は空気が好きです。濡れている状態と、乾いている状態が保ちやすいのが、胡蝶蘭を育てるうえで欠かせないミズゴケやバークの植え込み材です。

植え込み材

ミズゴケは胡蝶蘭の飼育でプロがずっと使っているものなので、その特性や状態など知識ある人が多いので、何か悩みがあった時に相談に乗ってもらえることが多いことがメリットです。管理も楽です。

ミズゴケのデメリットとして、ミズゴケはたくさんの水を含ませることが出来る水の保持力が多いのですが、反面、鉢選びを間違えると、水はけが悪くなってしまい腐ったりカビが生えすぎたりすることがあります。ミズゴケは素焼き鉢で育てます。

バークは、木の皮のチップです。水はけがよく、木の上で着生して生きている胡蝶蘭には一番自然に近い状態の植え込み材になります。

しかし、デメリットとして乾いているのか濡れているのか分かりにくいことや、まだ育て方が確立していないため不安定なこともあるので注意が必要です。ミズゴケよりは水はけがいいので、プラスチック製の鉢などで育てるようにしてくださいね。素焼き鉢で育てると、水はけがよすぎて毎日水を与えても足りなくなることがあります。

どちらの植え込み材も、隙間が出やすく空気の通りがいいことと、水分の保持力が高いこと、水はけがいいことがあげられます。

水やりの頻度

水分の保持力が高いので、毎日あげる必要はありません。大体季節や環境にもよりますが、5日から10日ほどに一回で十分です。

2~3センチほど上が乾いたら、たっぷりの水を与えるようにしてくださいね。中の空気を入れ替えてあげます。受け皿にたまった水はすぐに捨てるようにしてください。

置いておく場所とは

胡蝶蘭 置く場所

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置く場所の注意

胡蝶蘭を置いておく場所は、直射日光に当たらない明るい場所に置くようにしてください。

直射日光に当たってしまうと、火傷のような症状になってしまいます。葉が焼けて色が変わってしまい、そこから病気になることがあります。一度焼けてしまった葉っぱは再生できないので、直射日光には当てないようにしてくださいね。

レースのカーテン越しの窓際や、直射日光が届かない明るいリビングの真ん中など、家の中で胡蝶蘭にとって一番過ごしやすい場所においてあげてくださいね。

温度

温度は冬でも15度以下にならない場所においてあげて下さい。冬場に窓際に置いておくと冷気が入ってきてしまい、あっという間に10度を下回ることがあります。温かい場所に移動させるか、保湿させて温かさを保つようにしてくださいね。

また、夏場は室内だと30度超さない場所においてあげます。外に置く場合は35度までは耐えられるとも言われています。室内は空気の循環がないので、外に置く場合とは環境が変わってくるので耐えられる温度が違ってきます。もちろん外に置く場合も、直射日光に当てないようにしてくださいね。

湿度

胡蝶蘭は熱帯雨林地方で育っているので、湿度が好きです。60~80%の湿度が好ましいとされています。

胡蝶蘭は葉っぱから空気中の水分を吸って栄養にしています。そのため、必要な湿度が確保できないときは、霧吹きで一日に4~5回ほど葉水をしてあげるようにしてください。表と裏にまんべんなくかけてあげることで、虫除けにもなりますし葉っぱに水も与えられるのでおすすめです。

風通し

胡蝶蘭は空気がこもっているところが嫌いです。風通しが良い場所においてあげてください。しかし、扇風機や、クーラー、加湿器などが直接当たる場所は好みません。少し話してあげて、直接かからない場所においてあげてください。一番いいのは、自然に拭いてくる風です。

まとめ

胡蝶蘭は、地植えすることが出来ませんでした。日本の環境では、胡蝶蘭は寒すぎて生きていけないのです。胡蝶蘭が育つには日本の環境は特に厳しいのですね。

また、日本といっても縦に長いので、北海道と沖縄では環境が違ってきます。一年中通して温暖な沖縄でも、地植えにするのはお勧めできません。それは、土が胡蝶蘭と合わないことが考えられます。胡蝶蘭は地面に埋まっていなく、木の上で生きているので根っこを土に埋めてしまうと生きていけなくなります。

他のお花とはちょっと違った胡蝶蘭は、その特性を知って環境を整えると、水やりの頻度も少なくて済むのでお世話が楽なお花です。

ぜひ、胡蝶蘭に何度もお花を咲かせてあげる環境を作ってあげてくださいね。