胡蝶蘭は美しい花を咲かせるためには、適切な管理が必要です。
特に花芽が出てきた時期は、水やりや温度、日光などに気を付けることが大切となるでしょう。胡蝶蘭の花芽が出てきたら、どうやって育てればいいのでしょうか?
この記事では、胡蝶蘭の花芽の管理方法について詳しくご紹介します。
目次
胡蝶蘭の花芽とは
胡蝶蘭の花芽とは、太陽の方向に生えるのが特徴で、成長過程では青々とした緑色です。
花芽が出る場所は、2枚目の葉の間にあるつけ根あたりで、11月〜12月の株の冬眠期と呼ばれる時期に顔をだします。
花芽が現れるのは冬眠期ですが、この時期は芽を出すだけで大きくは成長しません。本格的に大きくなるのは、平均気温が20℃を超える4月以降だと言われていて、暖かくなってから急成長を遂げるのです。
この時期でも花芽は太陽の方向に伸びるので、日光の当たる場所で管理するようにしましょう。
胡蝶蘭の花芽が出てきたらどうすればいい?
胡蝶蘭の花芽が出てきたらどうすればいい?という疑問をお持ちの方は多いと思います。
花芽が出てきた時期によって、管理方法が異なるため、水やりや温度、日光、肥料などに注意しなければなりません。また、花芽が傷つかないように、支柱やワイヤーでしっかりと固定することも必要です。
ここでは、胡蝶蘭の花芽が出てきたときの管理方法をご紹介します。
ある程度伸びたら支柱を立てる
胡蝶蘭の花芽が出てきてある程度伸びたら、支柱を立てましょう。支柱を立てることで、花芽が曲がったり折れたりするのを防ぐことができます。
また、花芽の向きや高さを調整することで、美しい姿のお花を作ることができるでしょう。支柱を立てる方法は以下の通りです。
- 花芽が10cm以上伸びたら、鉢の縁に沿って支柱を差し込む
- 花芽が支柱に沿って伸びるように、ワイヤーなどで軽く結び付ける
- 花芽が長くなってきたら、支柱の上部もワイヤーで固定する
- 花芽の先端が垂れ下がらないように、適度に曲げて調整する
花芽の伸びる方向は、支柱である程度決めることができます。そのため、自分の好きな形になるように、シュミレーションをして支柱を付けると良いでしょう。
病気や害虫に注意
胡蝶蘭の花芽が伸びてくると、病気や害虫になる可能性が高くなるので注意しましょう。
病気や害虫に感染すると、花芽が枯れたり落ちたりする可能性があります。
特に注意したいのは、腐敗病とアブラムシで、腐敗病は水やりが多すぎると発生しやすく、花芽の根元が黒くなってしまいます。
アブラムシは、花芽の先端に付着して吸汁し、成長を妨げる可能性があるため、注意しましょう。
病気や害虫の対処方法は、以下の通りです。
- 腐敗病にかかった場合は、腐った部分を切り取り、殺菌剤を塗る
- アブラムシがついた場合は、水やアルコールで洗い流すか、殺虫剤する
どちらも、風通しの良い場所に置くことで、発生の可能性を下げることができるので、ジメジメした場所での管理は避けましょう。
多すぎる花芽はカットしてもいい
胡蝶蘭の花芽は、多すぎると株に負担がかかります。そのため、花芽の数を調整することが必要です。花芽をカットすることで、株の健康を保ち、より大きくて美しい花を咲かせることができます。
花芽をカットする方法は、以下の通りです。
- 茎の先端から数えて3番目か4番目の節にカットする
- 花芽が多すぎる場合は、茎の先端から数えて2番目か3番目の節にカットをする
花芽をカットするときは、消毒したハサミやカッターを使い、切り口に殺菌剤を塗りましょう。
胡蝶蘭の花芽が出てから花が咲くまでの過程
胡蝶蘭の花芽が出てから花が咲くまでの過程は、とても興味深いものです。
最初は小さくて緑色をしていますが、徐々に大きくなり、色も変化していきます。
このように、開花までの約2ヶ月から3ヶ月の間に、さまざまな変化を見せてくれるのです。ここでは、胡蝶蘭の花芽が出てから花が咲くまでの過程をご紹介します。
花芽が出る
胡蝶蘭の花芽が出るということは、胡蝶蘭の成長のサインです。茎の先端に出てくることが多いですが、節から出てくることもあります。
胡蝶蘭の花芽が出る時期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には秋から冬にかけてです。
胡蝶蘭の花芽が出る条件は、次のようになります。
- 昼夜の温度差が10℃以上あること
- 日照時間が10時間以上あること
- 水やりや肥料を適度に与えること
この3点を行うと胡蝶蘭の花芽が出てきます。
花芽が伸びて蕾ができる
胡蝶蘭の花芽が伸びて蕾ができるということは、胡蝶蘭の開花の前兆です。
最初は小さくて緑色をしていますが、徐々に大きさや色も変化していき、ある程度大きくなると、茎の先端に数個の蕾をつけます。
胡蝶蘭の花芽が伸びて蕾ができる時期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には冬から春にかけてです。
胡蝶蘭の花芽が伸びて蕾ができる条件は、以下の通りです。
- 温度が15℃以上25℃以下で安定していること
- 日光が直接当たらない明るい場所に置くこと
- 水やりや肥料を控えめにすること
花が咲いていなくても水のやり過ぎは病気のリスクを上げるため、量や回数に気をつけるようにしましょう。
蕾が膨らむ
胡蝶蘭の蕾が膨らむということは、開花が近づいていることを意味します。最初は小さくて硬い蕾ですが、徐々に大きくなり柔らかくなります。
胡蝶蘭の蕾が膨らむ時期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には春から夏にかけてで、蕾が膨らむ条件は以下の通りです。
- 温度が20℃以上30℃以下で安定している
- 日光が直接当たらない明るい場所に置く
- 水やりを適度にする
暖かい場所での管理が必要ですが、直射日光の当たる場所は「葉焼け」の原因になるため、避けるのが無難です。といって全く日の当たらない場所も蕾の成長を妨げるので、明るい日陰を目安に場所を決めるとよいでしょう。
胡蝶蘭の花が咲く
胡蝶蘭の花は、色や形や模様が豊富で、品種によってさまざまな特徴があります。
そのため、花が咲く時期は品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には夏から秋にかけてです。
胡蝶蘭の花が咲いたら、花が咲いている時は、直射日光の当たらない明るい場所に置きます。
温度は15〜25℃が理想で、冬季は最低10℃、夏季は最高30℃までの環境で管理するようにしましょう。
水やりは、バーク栽培の場合は4月から9月までは週1回たっぷりと、水苔の場合は完全に乾ききってから、常温のお水をたっぷりあげます。水道から出た冷たすぎるお水は、胡蝶蘭の根にダメージを与えるため、必ず常温に戻すようにしてください。
10月から3月までは、水やりの頻度は10日から2週間に1回程度にしますが、水のあげすぎは根腐れの原因になります。
肥料は基本的にはあげなくても大丈夫ですが、心配な方は肥料を1000倍以上に希釈してから与えましょう。肥料をあげすぎても枯れることがありますので注意をしてください。
花が終わったら、茎の節目を下から数えて2節目か3節目の上で切り、切ったところから次の花芽が出る可能性があります。切ったところに殺菌剤を塗り、新たな花芽を待ってみてください。
胡蝶蘭の花芽に関するよくある質問
胡蝶蘭は、鮮やかで美しい花を咲かせる魅力的な植物です。
しかし、胡蝶蘭の花芽には、多くの疑問や悩みがあり、1つ1つ疑問を解消していくのも大変な作業となります。そこで、胡蝶蘭の花芽に関するよくある質問とその回答をまとめました。胡蝶蘭の花芽を上手に育てて、素敵な開花を楽しみましょう。
花芽と根はどうやって見分ける?
胡蝶蘭の花芽と根は、色や形、向きなどで見分けることができます。
花芽は緑色で節目がありますが、根は白っぽく先端が茶色くなるのが特徴です。
また、花芽は太陽の光に向かって上に伸びていき、根は下に伸びていきます。
そして、花芽は柔らかくしなやかですが根は硬くしっかりしている特徴もあるので、しっかりと覚えておくことで胡蝶蘭の花芽と根を見分けることができるでしょう。
花芽が出てこないときはどうしたらいい?
花芽が出てこない場合、以下の可能性が考えられます。
- 葉っぱが少ない
- 根腐れを起こしている
- 気温の低い場所で管理ができていない
胡蝶蘭が花芽を付ける最大の条件は、株が元気であるということです。理想は、葉が5〜6枚しっかりとついていることで、それ以下だったり葉に厚みがないと、胡蝶蘭に元気がないということになるため、なかなか花芽がでてきません。また、根腐れを起こしていると、胡蝶蘭が枯れてしまう原因になるため、花芽が出る前に枯れる可能性があります。花芽が出てこないと感じたら、胡蝶蘭の株の状態を観察するようにしましょう。
株が元気でも花芽が出ない場合は、育てる環境が影響しているかもしれません。暖かい地域を好む胡蝶蘭ですが、花芽を出すには1日数時間低い温度に晒す必要があります。環境を変えて管理するようにしましょう。
まとめ
胡蝶蘭のお花はとても華やかなので、何度もお花を楽しみたい人も多いはずです。花芽を出したり二度咲きをさせることは、非常に難しく根気のいる作業でもあります。環境を整えてあげることで、花芽が出やすくなりお花を楽しむことができるでしょう。ぜひ花芽を出して、胡蝶蘭を長く楽しんでみてください。