胡蝶蘭の育て方として、「水やり」、「置き場所」、「温度・湿度」、「肥料」がポイントになってきます。胡蝶蘭は身近なお花というよりは特別な日にいただくことが多いお花なので、どのように育てていいかわからないですよね。この記事では胡蝶蘭の基本的な育て方をご紹介していきます。胡蝶蘭はほかのお花よりも育て方が特殊なので、ここでしっかり知識を身に着け、ずっと美しく咲かせるように心がけましょう。
目次
胡蝶蘭の水やりのポイント
水のあげすぎに注意!
「よくわからないから、たくさん水をあげておけば安心だろう。」という安易な考えは要注意です。胡蝶蘭は水をあげすぎると、根腐れを起こしてしまいます。胡蝶蘭も枯れてしまうのです。鉢の中が常に濡れているという状態はとても危険です。
あげる目安として、植え込み部分の表面が乾き、水気が感じられなくなってから与えるようにしましょう。
1回にあげる水の量
胡蝶蘭の土の表面をぎゅっと押してみてください。湿り気を感じないようであれば、コップ1~2杯程度の水分を与えてあげてください。胡蝶蘭の水やりの基本として、「1回でたっぷり水を与え、乾いたらまた水をあげる。」この繰り返しです。
高い気温のときは気持ち多めにあげ、低い気温のときは気持ち少なめに水分を与えましょう。
乾燥状態にはさせないで!
胡蝶蘭は乾燥が大嫌いです。上記を守っていても、育てている環境(気温・湿度)で与えなければいけない水量は変わってきます。臨機応変に水やりをするようにしましょう。
気温が高いとき(5月~9月)、寒い真冬の際の暖かい室内などで育てている場合は、霧吹きなどで水分を与えてあげることで胡蝶蘭を長持ちさせることができます。
それでは、胡蝶蘭を育てる際に一番適している場所はどこなのでしょうか?次で見てみましょう。
胡蝶蘭を育てるベストな場所はどこ?
胡蝶蘭の置き場所
もともと胡蝶蘭は、木漏れ日が差し込むような少し明るい日陰に生息しているお花です。できる限りこの環境に近づけてあげることで、胡蝶蘭を長く楽しむことができます。
また、胡蝶蘭は風通しが良いところを好みます。日当たりの良い風が当たりやすい窓辺で、レースカーテン越しの日光を当てて育ててあげましょう。この際、レースカーテンが要になってきます。というのも、直射日光は厳禁なのです。「葉焼け」という病気になったり、早く枯れてしまったりする原因となります。人間も直射日光はきついですよね。胡蝶蘭も同じなのです。
とはいっても、光は胡蝶蘭にとってとても重要です。胡蝶蘭は光合成によって栄養をつくるお花です。光(日光)が全く当たらないと、成長が遅れてお花は衰弱してしまいます。
さらに、乾燥も厳禁です。扇風機やエアコンの風が直撃するような場所に置くのは避けてあげてくださいね。
こう見るとなんだか人間と似ていて愛着が湧きますよね。人が心地よいと思う場所が、胡蝶蘭にとっても心地よかったりするのです。それでは次に胡蝶蘭が好む温度・湿度についてみていきましょう。
胡蝶蘭が好む温度・湿度
胡蝶蘭が好む温度
胡蝶蘭が好む温度は、日中が25℃、夜間が15℃程度であることがベストと言われています。できる限り、常に20℃前後の気温を保ってあげることが重要になってきます。温度が高すぎると早くしおれてしまいますし、低すぎると早く枯れる原因となってしまいますので気をつけてくださいね。
胡蝶蘭が好む湿度
胡蝶蘭はもともと高温多湿な環境で育っているお花です。湿度に関して、夏は特に気に掛けることはないのですが、真冬の胡蝶蘭の育て方には注意が必要です。
そうです。ここで注意してほしいのが「日本には四季がある」ということです。季節ごとに気温が目まぐるしく変化するので、その季節に合った育て方があります。四季ごとにどんな注意点があるのでしょうか。見てみましょう。
●春
室温が高い日は、風通しを良くしてあげてください。湿度はそこまで高い季節ではないので、1週間~10日に一度水やりをしてあげてください。
●梅雨
梅雨の時期は風通しがうんと悪くなります。より「風通しの良いところ」を意識してあげてくださいね。そして、水やりも気を付けてください。通常時と同じくらいの水分を与えると、多湿で腐ってしまいます。水やりの頻度は2~3週間に一度くらいで良いです。
●夏
夏の直射日光、エアコンの風の直撃には本当に気を付けてください。元々の生まれ故郷が高温多湿なため、高温は得意としていますが、風通しが悪いと根が腐ってしまいます。夏場は特に風通しに気をかけてあげるようにしましょう。
●秋
秋は蒸し暑い夏からガラッと変わり、一気に肌寒くなってきますよね。特に夜の気温が真冬並みなときもあります。この季節でもエアコンの直撃に気を付けてあげてください。そして、こまめに胡蝶蘭の様子を見てあげるようにしましょう。
●冬
胡蝶蘭が一番苦手な季節がこの「冬」です。生まれ故郷の熱帯雨林と真逆の気候なため、この時期に枯れてしまうことが多いです。なるべく暖かく(もちろんエアコンの直撃は避けて)育ててあげてください。夜なんかは特に冷えるので、ダンボールや毛布などで段を取ってあげてくださいね。
そして水やりにも注意が必要です。なるべく晴れている午前中に「ぬるま湯」を与えるようにしてください。冷え切っている夕方以降に冷たい水を与えてしまうと、凍傷を起こし根腐れしてしまう場合があります。
胡蝶蘭に肥料を与えるポイント
胡蝶蘭は肥料を与えずに育てたとしても、1ヶ月ほどは綺麗に咲き続けます。しかし、一般的な園芸店で販売されている肥料を与えることで、より胡蝶蘭の花持ちを良くすることができます。
肥料を与えるのであれば、3~9月の間だけで十分です。それ以外の期間は株が眠っている状態なので、肥料を与える必要性がありません。常に室温を20~25℃程度に保っていられれば話は別ですが、冷えている夜間は株が弱ってきます。そのタイミングで肥料を与えてしまうと、根腐れを引き起こしてしまうため、夜間に肥料を与えることは避けてくださいね。
肥料の種類には成長を促す「液体肥料」のほかに、胡蝶蘭の温度を保ってあげるための化成肥料なども販売されているので、真冬の際はそちらの肥料がおすすめです。