胡蝶蘭の雑学を知ろう!

お祝い事でプレゼントする際に人気の「胡蝶蘭」。何よりもお値段が結構するお花なので「どうしてそんなに胡蝶蘭って高いの?」そもそも胡蝶蘭の名前の由来は?」など気になりますよね。せっかくいただいた胡蝶蘭に、ぜひ詳しくなってみてはいかがでしょうか。これから先胡蝶蘭を見る機会に遭遇した時や、胡蝶蘭が話題に出たときに雑学を知っていると、周囲の人から一目置かれるかもしれません。ちょっぴり得した気分になれますよね。さあ、さっそく以下で胡蝶蘭の雑学を学んでみましょう!

胡蝶蘭雑学①名前の由来&胡蝶蘭の特徴

蝶

名前の由来

胡蝶蘭は中国南部から台湾、スリランカ、ミャンマー、マレーシヤ、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、インド南部、タイなど東南アジアのほぼ全域と、オーストラリア北部東南アジアの熱帯雨林地域で生息しているラン科の植物です。

学名をファレノプシス(Phalaenopsis)といい、花の形が「蛾」のような見た目から、ラテン語の「蛾(Phalaena)」と「似た(Opsis)」から名づけられました。「蛾」というと害虫で汚らしいイメージがあるため、日本では「胡蘭」と蝶に変換されています。

胡蝶蘭の「故」という漢字には「外国産の」という意味があります。よって、外国から来たラン科の蝶という意味で「胡蝶蘭」と名付けられました

胡蝶蘭の特徴

CAM型植物

胡蝶蘭は、昼間に光合成を行い夜の間にCO2(二酸化炭素)を吸収するCAM型植物というものに分類されます。

一般的な植物は、暖かい昼間の時間に気孔を開くことによって二酸化炭素を取り入れます。この時に、同時に水分を多く失いがちです。

一方胡蝶蘭は気温が下がる夜間に気孔を開くことによって二酸化炭素を吸収しています。そのため水分の失いは少なく、乾燥状態に強いのです。

よって胡蝶蘭はデリケートですが、「少ない水やりで育つ」育てやすいお花です。

胡蝶蘭の苗の種類

胡蝶蘭の苗は2種類に分けることができます。

実生苗

実生苗というのは「交配によってできた種から発芽した苗」のことです。自然に近い状態の苗なので、花の色や形は苗ごとにさまざまで、個体差もあります。

メリクロン苗

メリクロン苗というのは「組織培養」というバイオテクノロジー技法を用いた苗のことです。この苗の特徴は「元親株の遺伝子と同じ」なので、親株が高品質だと「その親株から生まれた苗は全部高品質な苗」となります。

現状日本国内で流通している苗は、ほとんどこのメリクロン苗です。

胡蝶蘭雑学②花言葉&なぜ胡蝶蘭は高価格なの?

胡蝶蘭

胡蝶蘭の花言葉

胡蝶蘭には、

国内では「幸福が飛んでくる」、「純粋な愛」

海外では「beauty(美)」「refinement(上品・優雅)」「love(愛)」「luxury(高級・豪華さ)」

という素晴らしい花言葉があります。

 

見た目も美しい胡蝶蘭ですが、その花言葉自体も多くの方に知られているため、お祝い事の贈呈品として需要が高いのです。

また、色によっても花言葉があります。

白の胡蝶蘭→清純

ピンクの胡蝶蘭→あなたを愛しています

胡蝶蘭の色は、ほかにもブルー・黄色・紫などがありますが、花言葉がある色は上記の白とピンクのみです。

なぜ胡蝶蘭は高価格なの?

胡蝶蘭は、ほかのお花と比べて格段に高いお値段ですよね。

上記でお伝えしたように、胡蝶蘭は熱帯雨林地域が生まれ故郷です。つまり「高温多湿がふるさと」ということです。

日本には四季があって、寒かったり暑かったりと、気候の差が激しい国ですよね。国内で生産するには、環境や温度を熱帯雨林地域に近づける必要があります。そのためには、大量の電力・重油や整った施設が必要になってきます。また、胡蝶蘭の育成期間は半年ほどかかるので、どうしても金額が高くなってしまいます。

胡蝶蘭が高価なものとして扱われてきたのは、日本に輸入されてきた明治時代当初からです。上記の理由で栽培が難しいということから、当時は一部の上流階級の人だけが楽しめるお花でした。

その名残もあり、今でも高級花として扱われていますよね。

こうして100年以上も前から、胡蝶蘭は「高価な贈呈花」として愛されてきました。

胡蝶蘭雑学③胡蝶蘭が苦手な冬&冬を乗り越える改善策

冬

胡蝶蘭が苦手な冬

胡蝶蘭には、苦手とする天敵がいます。それは「寒さ」と「乾燥」です。

先ほどもお伝えした通り、胡蝶蘭の生まれ故郷は「熱帯雨林地域」です。常に暖かく、雨がたくさん降る湿気のある地域で育っていたため、寒さと乾燥にはめっぽう弱いです。

ですから「日本の冬は胡蝶蘭にとって、とても育ちにくい環境」なのです。

胡蝶蘭が日本の冬を乗り越えるためのポイントを以下でご紹介します。

胡蝶蘭が日本の冬を乗り越えるには

ポイント①置き場所

いくら暖かい地域で育ったとはいえ、直射日光を当てることはやめてください。乾燥の原因となるので花が枯れてしまう原因となります。レースカーテン越しの太陽光を当てられる場所に置きましょう。

ポイント②水やり方法

土が常に潤っている状態は厳禁です。水やりは、表面の水苔がカサカサに乾燥するまで待ちます。そこから更に2~3日たってから水やりをしてください。天気の良い午前中のうちにあげることをおすすめします。

冬は、普段与えている水量の半分以下で十分です。冬の時期の水道水は株にダメージを与えてしまうので、室温くらいの水をあげるようにしましょうね。水道水から出した水を1~2時間ほど放置すれば室温くらいの水になっています。

とにかく、根腐れしてしまわないように、冬の時期の水やりは少なめにしてください。

ポイント③加湿

冬の時期は暖房を使用するので、乾燥嫌いな胡蝶蘭にとって致命的です。もちろん乾燥が花を枯らしてしまう原因となるからです。

葉っぱの両面に霧吹きなどで加湿をしてあげてください

霧吹きだけでは不十分という場合は、洗面器の中に水を張り、その上に台に乗せた鉢(胡蝶蘭)を乗せると十分な加湿効果を得ることができます。

ポイント④温度管理

胡蝶蘭は5℃以下になると枯れてしまいます。冬の夜や明け方は、特に冷えますよね。寝る前に胡蝶蘭を窓側から離し、中央に移動させてその上から段ボールを被せてあげてください。そうすることによって10℃以上を保てるので、寒さからしっかり守ってあげましょうね。