胡蝶蘭の原産地はどこ?どうやって作られているの?

胡蝶蘭の原産地は、東南アジアはじめ、パプア・ニューギニア、オーストラリアなどです。

清楚で高貴な胡蝶蘭は、開店祝いなどになくてはならないお花です。

今回は胡蝶蘭の特性や胡蝶蘭が高価な理由、胡蝶蘭が贈り物として選ばれる理由、高価な理由を紹介していきます。

胡蝶蘭の原産地はどこ?

胡蝶蘭の原産地は、台湾南部やフィリピン、インドネシアなどの東南アジアをはじめ、パプア・ニューギニア、オーストラリアと、赤道を挟む地域です。

高温多湿な熱帯雨林が原産地の胡蝶蘭ですが、実は胡蝶蘭の特性の一つに乾燥に強いことが挙げられます。

ほかにも胡蝶蘭は、清楚で高貴な姿とは裏腹に凛とした強さも持ち合わせているのです。

胡蝶蘭の特性

胡蝶蘭は香りが少ないほか、いつのまにか花粉で汚れて様変わりしてしまうなどのイメ―ジがありません。

「着生植物」である胡蝶蘭は土の中に根を張ることなく、周りの植物に絡みつきながら空気中から水分を補給して大きくなる特性があります。

生命力の強い胡蝶蘭は、置かれた環境によっては1ヶ月以上もその姿を変えることなく咲き誇るようです。

さらには、花が散ったあとも、正しいケアをしてあげることで、再び新しい芽が出て新しい花を楽しませてくれます。

寒さに弱く、乾燥に強い特性を持つ

東南アジアが原産地の胡蝶蘭ですが、寒さに弱いのが特性です。

胡蝶蘭は長く咲き誇るイメージが強いお花ですが、10℃以下のお部屋では、残念ながらその美しい姿を維持することは難しいようです。

胡蝶蘭が快適に過ごせる室温は、人間と同じく20℃前後です。真夏の暑い最中には、クーラーが何より必要となります。

とはいえ、10℃を切る冬場には一晩中暖房をつけておくわけにもいきません。

寒さ対策としては、段ボール箱の中に入れてあげたり、穴をあけたビニール袋を着せてあげるなどの暖房対策が求められます。

土ではなく木の幹で育つ

胡蝶蘭は土中にはった根から栄養や水分を摂る植物ではありません。

「着生植物」といわれる胡蝶蘭は、ほかの植物に絡みついて空気中から水分を補給しながら生育するといわれています。

胡蝶蘭は美しいだけに、育て方がとても難しいのでは?と思われがちですが、意外とシンプルなようです。

紫外線を避けて、風通しの良いところに鉢を置いてあげましょう。水やりは、鉢の植え込みを指で触れてみて、植え込みがまだ湿っている場合は控えます。過度の水やりは根腐れの元になり、貴重な欄が枯れてしまいます。

一度枯れても2度咲きができる

置かれた環境によっては、1か月~3か月もつといわれるほど生命力のある胡蝶蘭ですが、お花が落ちたあと、正しいケアをすれば再び花を咲かせることが叶います。

再び花を咲かせるためには、一株ずつ風通しを良くしてあげ、いったん株を休ませてあげることが必要です。花が咲いている間、胡蝶蘭の心臓ともいわれる「株」には相当の負担が強いられているからといえます。冬を越し、花を再び咲かせるために、株を休ませてパワーをストックすることが必要です。

現在、胡蝶蘭はどう作っている?

 切り花や鉢植えの生産数が多いといわれる国内では、その生産地も数多くあるようです。

胡蝶蘭はハウス栽培で生産されることが多いといわれる胡蝶蘭ですが、一年を通して温暖で日の当たる時間が長いとされる愛知県では、胡蝶蘭が育ちやすい条件が揃っているため生産数が多いことで有名です。

胡蝶蘭のクオリティーに執着する人は作り手や生産地からセレクトする方もいらっしゃるようです。

胡蝶蘭はクローンで作られている!

高貴なイメージの胡蝶蘭とクローンが結びつくというのは、にわかに信じがたいものがあります。

しかしながら、あの美しい胡蝶蘭はクローンを作り出すことで増やしていくそうです。そもそも胡蝶蘭は、種を土中に埋めたところで発芽はしないといいます。

胡蝶蘭は無胚乳種子のため、この種類は、種自身の力で発芽することができません。発芽に必要な栄養が種に入っていないからです。

そこで、胡蝶蘭に必要な栄養素をフラスコに入れ、フラスコの中で発芽をさせます。

胡蝶蘭を育てるには、クローン栽培で苗から育てることがポピュラーになっているようです。

苗から栽培し、届けられる

胡蝶蘭の原産地は東南アジアやオーストラリア。寒さに弱く、乾燥に強い特性を持ち、ほかの植物の木の幹に絡みついて生育します。

一度枯れても正しいケアをすることで2度咲きします。

胡蝶蘭はクローン栽培で、発芽に必要な栄養素をフラスコに入れフラスコの中で発芽します。胡蝶蘭が高価な理由は、出荷されるまでに時間や手数、技術が必要だからです。

そんな胡蝶蘭が贈り物として選ばれるのは香りが少なく、花が長持ちするうえ、華やかだからでしょう。

胡蝶蘭をクローン栽培で苗から育てる方法を「メリクロン栽培」といいます。メリクロン方法では、新しく育ち始めた芽の中から生長点を取り、無菌の培養基の中で増やしていきます。

これまでのようにキレイな花を咲かせる株と同一の株など、いくつものクローンがたくさんできるというわけです。

メリクロン方法で作られたほとんどの苗は、奇形などが生まれる確率が低いとされています。メリクロン栽培は、胡蝶蘭の価格を下げるのにも寄与しているようです。

なぜ胡蝶蘭は高価なの?

胡蝶蘭がこのように高価な理由は、多くの時間と手数を必要とするからです。

実生苗(みしょうなえ)で育てられた胡蝶蘭は、花が開くまでに7年という長い歳月が要るそうです。

ちなみにですが、実生苗(みしょうなえ)とは交配によって種子から育てられた苗のことをいいます。

国内ではほとんどの場合、胡蝶蘭は苗の状態から栽培されるそうです。理由は、種からの栽培だと販売するまでに4~5年かかるからです。

そのうえ、種からの栽培ではすべての花がキレイに咲くとは限らないようです。

なぜ贈り物として胡蝶蘭が選ばれるの?

胡蝶蘭に、お祝いなどのリボンが飾られている姿をよく目にします。これは胡蝶蘭が贈り物として選ばれる頻度がとても高いからです。

実は、胡蝶蘭の花言葉は、「あなたを愛します」「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」といった意味合いが込められているそうです。

恋人や家族に向け、愛を込めて贈るのであれば、胡蝶蘭はまさにピッタリのお花でしょう。

また、開店祝いとして贈るのであれば「どうか、お店が繁盛して皆さんが幸福になりますように」といったメッセージが一緒に贈られます。

香りが少なく、花が長持ちするから

胡蝶蘭はご存じのように香りが少ないので、万人向けのお花といえるのかもしれません。

いくら良い香りであっても置いているだけで周りに漂う香りは、もしかして「この香りは苦手」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

また、生命力が強い胡蝶蘭は、環境さえよければ数か月というスパンで私たちの目を、心を、和ませてくれる花でもあります。

香りが少なく花が長持ちする胡蝶蘭が、贈り物として選ばれるゆえんかもしれません。

高価で華やかだから

胡蝶蘭が高価なお花であることは、見た目の豪華さからも、花の知識があまりない人でも、知っていると思います。胡蝶蘭が高価な理由は、熱帯地方が原産地である胡蝶蘭を育てるのに、温度や環境の管理など、しかるべきスキルが必要であるのと、胡蝶蘭が咲くまでに要する時間が、種からだと4~5年、苗からだと2~3年はかかるからです。また見た目も豪華で高貴なイメージからも人気があることがうかがえます。

まとめ

胡蝶蘭の原産地は東南アジアやオーストラリアです。寒さに弱く、乾燥に強い胡蝶蘭は、ほかの植物の木の幹に絡みつきながら空気中の水分で生育します。

一度枯れても正しいケアをすることで再び咲き誇る胡蝶蘭は、クローン栽培で苗から育つことが一般的です。

また、胡蝶蘭が贈り物として選ばれるのは香りが少なく花が長持ちするうえ、その華やかな見た目からもうかがえます。

大切な人へのフラワーギフトには人気のある胡蝶蘭を贈ることをおすすめします。