胡蝶蘭は昼に光合成を行わない理由と正しい水の与える時間とは

胡蝶蘭は昼間に休んでいるって聞いたことありませんか?

胡蝶蘭を育てるうえで、昼間胡蝶蘭がどのように何をしているかを知るのも大切ですよね。

すると正しい知識で胡蝶蘭を育てることができるようになります。また、胡蝶蘭が昼間に光合成を行わない理由を知ると、水やりの最適な時間が分かるようにもなります。

胡蝶蘭だけでなく正しい水の与え方についても知ってきましょう。

胡蝶蘭は昼に休んでいるの?

胡蝶蘭 昼 寝てる

skeeze / Pixabay

胡蝶蘭は昼に休んでいると夜行性と誤解されそうですが、夜行性というよりもエネルギー消費がとても少ないのです。

昼間にエネルギーを作ると、水分も光もたくさん必要になります。

胡蝶蘭は、最小限のエネルギーで光合成ができます。

そのため主な光合成は夜に行っています。

朝方には光合成の為の気孔は閉じていきます。

胡蝶蘭が育っている熱帯地方や亜熱帯地方は、暑い地域です。

昼間に気孔を開いてしまうと暑さによって中の水分が蒸発しやすくなってしまいます。

これを防ぐためにも、胡蝶蘭は夜に光合成をおこなう「CAM型光合成」を選びました。

また、胡蝶蘭は木の上に着生するランなので、水が沢山溜まりやすいはずの地面にいることができません。好きな時に水分を摂取できないので余計な水分を乾燥させてしまうことをしないのです。

ちなみにCAM型光合成を行う植物は、ラン科だと、「胡蝶蘭」の他にも「デンドロビウム」や「バンダ」など葉が分厚い植物が夜に光合成を行っています。

主にCAM型光合成は、砂漠の植物が行う光合成の仕方です。

CAM型光合成は、夜のうちに二酸化炭素を取り込み作られたリンゴ酸を葉っぱに作り栄養をためていきます。

朝になると気孔を閉じて、夜のうちに作られたリンゴ酸を使ってわずかながら光合成を行っています。

このリンゴ酸がなくなってくる午後になると徐々に気孔が開いていきます。

胡蝶蘭にとって水やりは昼に行っていいの?

胡蝶蘭 水やり タイミング

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実は胡蝶蘭は昼間に気孔を閉じているので水を吸う力が少なくなってしまいます。

気孔が閉じているときは、人間でいうと鼻だけで息をしているようなものです。しかし、栄養を取り込んだり大きな運動をしてエネルギーを使ったりするとき口を開けて息をしたりご飯を食べたりしますよね。口で息をしたり食べたり飲んだりするのと同じで気孔を開くとたくさんの栄養を得ることができます。

植物にとっての栄養は、なんといっても水です。

気孔という口が大きく開いているときに水を与えたほうが効果的です。

実は胡蝶蘭は根っこから水を吸い込むのが苦手です。

木の上に着生しているので、常に水を吸っているわけではなく、どちらかというと乾燥気味になっていることが多いのです。

そのため、根っこより葉っぱのほうに水を与えたほうが効率的です。

葉っぱは空気中の水分を吸収していきます。

しかも日本では胡蝶蘭にとって乾燥気味の湿度です。

胡蝶蘭にはたくさんの湿度が必要で、60~80%の湿度が最適といわれています。

これはメガネが少し曇るくらいの湿度です。

しかし、胡蝶蘭にとって最適な湿度は人間にとっては少し水分が多すぎてしまいます。

そのため、霧吹きで葉っぱに水を与えてあげることで湿度不足を補います。

できるなら一日に3~4回ほどに分けて霧吹きで葉っぱに水を与えてください。

  • 胡蝶蘭の気孔が閉じる、朝に一回。
  • リンゴ酸がなくなって気孔が開きだす、午後に一回。
  • 気孔が開きだす、夕方に一回。
  • 余裕があれば、夜にも一回。

葉水を行うようにしましょう。

葉っぱは表と裏どちらにも霧吹きで水を与えると効果的です。

胡蝶蘭の根っこの水やりは、植え込み材の表面から2cmほど指を入れて乾いていたらコップ一杯の水を与えるようにします。すると、下からも水が溢れてきますので、受け皿にたまった水はすぐに捨ててたまらないようにしていきましょう。

胡蝶蘭が昼間に苦手なこととは

胡蝶蘭 日の光

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胡蝶蘭は昼間気孔を閉じていますが、とても苦手なことがあります。

  • 直射日光
  • 温度が上がりすぎる
  • 温度が下がりすぎる
  • 乾燥

主にこの四つです。

直射日光が苦手なので、レースのカーテンなどで日光を遮ってください。

夏場で60%、冬で40%の遮光しておくようにしましょう。

室内に置いている胡蝶蘭は30度を超えてしまうと弱ってしまいます。

18度から28度が適温ですので、あまり上がりすぎないようにしてくださいね。

また、温暖な地域で育っているので、温度が下がるのは苦手です。なるべく15度以下にならないようにして下さい。日本では特に冬は夜に15度以下になることは多いです。室内でも低くなってしまうので、気を付けてくださいね。

乾燥は空気中の乾燥のことです。

根っこは植え込み材の表面が乾いてから数日たってもまだ大丈夫なことも多いのですが、空気中の水分がないとすぐに元気がなくなってしまいます。

それを補うためにも、葉水をするか、直接当たらない場所で加湿をするようにしてくださいね。

また、直接風が当たる場所だと乾燥しやすくなります。なるべくエアコンや扇風機などの風が当たるところにはおかないようにしましょう。

まとめ

胡蝶蘭は昼間には気孔を閉じてゆっくりと栄養を作っていたのですね。

他の植物と違って、エネルギーの消費も少ないことで水の量は少なく済みます。しかし、空気中の水分は多いほうが好きなので、葉水を多く上げて胡蝶蘭の生成を助けてあげてくださいね。