開店祝いや、移転祝い、母の日や敬老の日などのギフトとして、大切な節目でもらうことが多い胡蝶蘭ですから、できれば長く育てたいですよね。
胡蝶蘭はすぐに枯れてしまうので育てるのが難しいとよく言われています。しかし、胡蝶蘭のことを知って、育てるコツさえつかめばあまり手をかけなくても育ってくれるようになってくれます。育てるのにとても簡単なお花なんですよ。
胡蝶蘭初心者でもわかりやすい胡蝶蘭の特徴や、育てやすい環境づくり、気を付けておくところをまとめてみました。
目次
胡蝶蘭の特徴を知れば難しくない!環境を作る理由を知ろう!
胡蝶蘭は、南フィリピンなどを中心に、北は台湾まで野生で育つことができる熱帯地方の出身の植物です。
多湿な環境に生きています。
しかし、豊富な水がある東南アジアなどの熱帯地方にいるはずなのに、いつでも水が飲める環境ではありません。
胡蝶蘭は砂漠に生えている植物と同じ「CAM型植物」といわれる光合成の方法をとっている、不思議な植物になります。
水が豊富なのに、なぜ水が少なくても生きていける砂漠の植物と同じなのでしょうか?
それは、胡蝶蘭は木の上に生えているからです。
実は胡蝶蘭は水にずっと浸かっているのが苦手です。
木の上にいることは、木陰になるので苦手な直射日光が当たる心配もないし、根っこがずっと水に浸かっていて腐る心配もありません。胡蝶蘭にとっては快適な場所なのです。
しかし必要分木の上にいることで水を常に飲めるわけではありませんし、根っこがむき出しの状態のままになっています。こんなに無防備な状態なのに胡蝶蘭は木の栄養を取っているのではなく、自分で水から栄養を作り出しています。
これは胡蝶蘭の特性である、水を多く使わないで光合成ができる「CAM型植物」だからこそできるのです。
胡蝶蘭は雨が一番の栄養です。その次に湿度です。
空気中の水分から水を葉っぱからも根っこからも吸収しています。
胡蝶蘭の成長を簡単にするポイント!環境が大切だった!
胡蝶蘭が野生で育っている環境を簡単に知ったことで、日本で近い環境を作ってあげることが大切です。
実は胡蝶蘭が好きな環境を作るのはとっても簡単なんですよ。
それは、あなたが快適だと思うお部屋に胡蝶蘭を置くことです。
しかも、風邪などを引かないように対策されたお部屋です。
どういうことかというと、胡蝶蘭と人間の快適だと思われる温度に関係してきます。
胡蝶蘭は南の国の出身なので寒さが苦手です。15度を下回ると成長を止めてしまいます。
7度以下になると凍ってしまい死んでしまいます。
最低15度から最高で30度までの温度管理が必要になります。
実はこれは人が快適だと思う温度でもあります。
そして、風邪をひかない対策というのは湿度です。
湿度が20%以下になってしまう冬場に風邪やウイルス菌が原因であるインフルエンザが流行るのは、菌が活発になってしまう湿度だからです。
20度ほどで湿度20%だと菌は60%も生きてしまいますが、湿度を50%にするだけで生存率は3~5%にも減るのです。
お部屋全体の湿度を50~60%に保つようにしてあげてください。
加湿器の近くにおいてあげると、胡蝶蘭付近では胡蝶蘭に最適な70%近くをキープすることができると思います。
しかし、吹き出し口を直接胡蝶蘭に当てないでくださいね。あくまで空気から水分を与えてあげます。
加湿器が無理なら、霧吹きを毎日してあげます。葉の表と裏にたっぷりと与えます。
- 直射日光が当たらない明るい場所
- 湿度(または葉水)
- 風通しがいい直接風が当たらない場所
- 出来れば18度から25度まで
太陽の光が直接当たってしまうと葉焼けしてしまい(人間でいうと火傷のような状態)ひどいときには死んでしまいます。
必ずレースのカーテン越し、または直射日光が届かない明るい場所においてくださいね。
胡蝶蘭が難しいと感じるのはお世話?実はこんなに簡単だった
胡蝶蘭にとって環境がすべてです。環境が整ったらあとのお世話はあまり難しくないといってもいいでしょう。
実は胡蝶蘭は、お世話をしないほうが次に咲いてくれるお花とも言われているほどです。
その理由は、水やりにあります。
実は、胡蝶蘭の水やりの頻度はとても少ないのです。
植え込み材が乾いたらお水を与えるのはどこの植物でも基本かもしれませんが、胡蝶蘭は乾く速度がほかと比べて遅いのが特徴です。
1日または2日おきに水を与える植物が当たり前になっていると胡蝶蘭を育てるときとても戸惑ってしまいます。
植え込み材や鉢、育っている環境や季節にもよって違ってきますが、5日から10日水を与えなくても大丈夫です。
少し頻度を控えめに与えてみてください。
一番枯らす原因で多いのが、水の与えすぎによる根腐れです。
常温のコップ一杯の水を与え、受け皿の水はすぐに捨てて通気を良くします。
植え込み材が乾いたら水をあげます。しかし表面だけでなく、1㎝ほど指をさしてみてください。そこまで乾いていたら水をあげます。しかし、乾かしすぎは良くないので、下の方から触ってみた時に湿っているときが水やりのタイミングです。
もし、茎ではない根っこが上に伸びてきたら少し水が足りないかもしれません。頻度を少しだけ増やしてあげてください。また、葉っぱが干からびているようにしわしわになっているときも水不足な可能性があります。
胡蝶蘭の植え込み材は、「バーク」と「ミズゴケ」の2種類が使用されています。
実際に手元に胡蝶蘭が来た時も、どちらかの植え込み材が入っていることが多いです。
しかし、どちらも劣化してしまいますので、2年を目安に植え替えを行う必要があります。
植え替えの時の注意点はこちらでまとめていますので、参考にしてくださいね。
また、植え込み材と鉢の種類によっても胡蝶蘭にとって最適ではない可能性があります。
植え替えをするときに参考にしてみてくださいね。
また、気を付けるのは、肥料です。
肥料は、基本的にいらないのが胡蝶蘭です。
花が咲いているときに頑張って咲かせてほしいと思って肥料など栄養剤を使用したくなりますが、実は逆効果です。
花を咲かせているときに肥料を与えると、花持ちがわるくなります。折角花が1ヶ月から3ヶ月と長く持つお花なのに勿体ないですよね。
もし肥料を与える場合は、花が終わった後に、洋ラン用の肥料を1000~3000倍に薄めて使用してください。
あまり栄養をあげすぎてしまうと枯れてしまいます。
まとめ
環境を整えることができれば、水やりの頻度も少なくて手間がかからないお花です。
お花を育てるのがうまい人ほど枯らしやすいといわれるのは、水のやりすぎや直射日光に当ててしまうことが原因なことが多いようです。
他のお花と違って育て方が特殊な胡蝶蘭ですが、胡蝶蘭の特徴を知れば実はとても強くて育てやすいお花です。ぜひ胡蝶蘭にチャレンジしてみて下さいね。