胡蝶蘭は優雅な花を咲かせる人気の植物ですが、大切に育てているのに葉が黄色くなってしまった経験がある方はいるのではないでしょうか。葉が黄色くなる理由にはさまざまな要因があり、しっかり理解しておくことが大切です。
本記事では、葉が黄色くなってしまう原因と対処法、胡蝶蘭を元気に育てるためのコツなどを詳しく紹介します。
目次
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因と対処法
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因には、主に4つ挙げられます。
- 寿命による自然な老化
- 水の与えすぎ
- 害虫の被害
- 不適切な温度管理
ここでは、それぞれの原因と対処法について解説します。
寿命による自然な老化
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因の一つに、寿命による自然な老化が挙げられます。胡蝶蘭の葉には寿命があり、徐々に黄色くなっていくのは自然な現象です。
具体的には、以下のような特徴から葉が黄色くなるのが老化によるものかどうかを判断できます。
- 下の方の古い葉から黄色くなっていく
- 黄色くなるスピードが緩やか
- 葉の厚みがなくなってしわしわになる
- 他の病気の症状がない
老化による葉の黄色化は自然なことなので、そこまで心配する必要はありません。黄色くなった葉は枯れていきますが、軽く引っ張って取れるようになるまで待つのがポイントです。
水の与えすぎ
水の与えすぎも、胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因の一つです。
胡蝶蘭は木の幹などにくっついて育つ着生ランで、他の植物とは異なり鉢の外に根が出ても生長する性質があります。根に常に水がある状態は苦手であるため、水を与えすぎてしまうと根腐れを起こしてしまいます。
特に気温が低い冬場は休眠期に入っているため、水はほとんどいりません。1年を通して乾燥気味に育てるのが、胡蝶蘭の葉を黄色くさせないためのポイントです。
害虫の被害
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因の一つに、害虫の被害があります。胡蝶蘭を育てる上で注意したい害虫は以下の3種類です。
- ハダニ
- アブラムシ
- カイガラムシ
ハダニやカイガラムシは葉の裏や茎などに発生し、吸汁によって葉を黄色くさせてしまいます。アブラムシは花の部分につくことが多く、吸汁により生育不良を引き起こしてしまいます。
害虫を発見した場合は、適切な農薬を使用したり綿棒などを使用して物理的に取り除いたりするのがおすすめです。
不適切な温度管理
不適切な温度管理も、胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因です。胡蝶蘭は過度な暑さや寒さは苦手であり、適切な温度管理が欠かせません。
具体的には、10~4月にかけては15℃以上をキープし、5~9月の暑くなる季節は25℃前後に保ってください。湿度に関しては、40%以上を維持するのが理想です。
また、エアコンの風が直接当たる場所だと葉が傷んで黄色くさせてしまう可能性があるので、温風や冷風が当たらない場所で育てるようにしましょう。
胡蝶蘭の葉が黄色くなる以外にも注意したいポイント
胡蝶蘭の葉が黄色くなること以外にも、注意すべき症状があります。さまざまな症状の中でも、特に気をつけたいのが以下の3つです。
- 葉がしわしわ・よれよれしている
- 葉が茶色くなったり白くなったりしている
- 葉が丸まったり割れたりしている
ここでは、それぞれの症状の原因や対処法を具体的に紹介します。
葉がしわしわ・よれよれしている
胡蝶蘭の葉がしわしわ・よれよれしている場合は注意が必要です。葉がしわしわしたりよれよれしたりする原因には、以下のような理由が挙げられます。
- 水不足
- 乾燥
- 高温
- 日光不足
葉のしわしわ・よれよれに加え、茎にもしわが出てたり花が枯れるのが早かったりする場合は、根腐れも考えられます。その場合はできるだけ早く傷んだ根をカットし、新しい鉢に植え替える必要があります。
葉がしわしわやよれよれしている場合は上記のような原因を確認し、適切な対処を行うことが大切です。
葉が茶色くなったり白くなったりしている
胡蝶蘭の葉が茶色や白っぽい色に変色している場合も、注意したい原因の一つです。葉の全体が茶色くなったり白くなったりしている場合は、葉焼けの可能性が高いです。
葉焼けとは、長時間日光に当たっていることで葉が焼けてしまう現象をいいます。胡蝶蘭は元々熱帯雨林が原産の植物であるため、他の花と比べると葉焼けが起こりやすいので注意しなければなりません。
一度焼けてしまった葉は回復しないため、葉焼けした部分は清潔なハサミで切り取ってください。胡蝶蘭を育てる際は、直射日光にならないように気を払いましょう。
葉が丸まったり割れたりしている
胡蝶蘭の葉が丸まったり割れたりしているのも注意が必要な症状です。
葉が丸まっている場合は、水不足か日光不足が考えられます。上述したように、胡蝶蘭はそこまで水が必要になる植物ではありませんが、水が少なすぎるのも良くありません。
葉が丸まってる場合は、スプレーなどで吹きかけることで元気になります。
一方、葉が割れてしまっている場合は、生育不足や環境の変化、空気の乾燥などが理由として挙げられます。割れてしまった葉はそこまで心配いりませんが、放っておくと割れ目から病原菌が入る可能性があり、枯らせてしまう原因になりかねません。
葉が大きく割れてしまった場合は、接着剤やセロハンテープで固定するのがおすすめです。
胡蝶蘭の葉を黄色くさせないためのコツ
胡蝶蘭の葉を黄色くさせないためには、以下のコツを押さえておくことをおすすめします。
- 適切な水やりを心がける
- 定期的な観察と早期対処を意識する
- 適切な温度や湿度と日光管理
最後に、胡蝶蘭の元気を保つために押さえておきたいポイントを紹介するので、ぜひ役立ててください。
適切な水やりを心がける
胡蝶蘭に適切な水やりをすることは、葉が黄色くなるのを防ぐ重要なポイントです。具体的には、以下の点に注意してください。
- 土の表面が乾いてからたっぷりと与える
- 水やりの目安は1週間~10日に1回程度、冬場では20日に1回程度
- 葉水する際は控えめに行う
胡蝶蘭の水やりは控えめに行い、乾燥気味に管理するのがポイントです。ただし、暑い時期は水の蒸発が早いので、葉が萎れていないか観察しながら水を与えるようにしましょう。
定期的な観察と早期対処を意識する
胡蝶蘭の葉を黄色くさせないためには、日頃から植物の様子をよく観察し、異変があればすぐに対処することが大切です。観察する際は、以下の点を意識すると良いでしょう。
- 葉の色や艶、ハリに変化がないか
- 葉裏に病害虫が発生していないか
- 株元に水がたまっていないか
胡蝶蘭を定期的にチェックすることで、変化に早く気づくことが可能です。何か異常が見られたら、原因を特定し、適切な対処を行ってください。
適切な温度や湿度と日光管理
胡蝶蘭の葉を黄色くさせないためには、適切な温度・湿度管理と日光管理が大切です。具体的には、以下のような環境に整えるのをおすすめします。
- 温度は15~28℃、湿度は40~70%を保つ
- 直射日光は避け、レースのカーテン越しの光が理想的
- 冬場の暖房で乾燥しすぎないよう加湿する
- エアコンの風が直接当たらないよう気をつける
胡蝶蘭は熱帯・亜熱帯原産のため、温度の変化を嫌います。 急激な温度変化を避け、室内で安定した環境を保つことが大切です。
まとめ
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因には、寿命による自然な老化や水の与えすぎ、害虫の被害、不適切な温度管理などがあります。その他にも、葉がしわしわ・よれよれ、茶色や白っぽい変色、丸まりや割れなども注意が必要です。
胡蝶蘭を健康に育てるには、適切な水やりや定期的な観察と早期対処、適切な温度・湿度・日光管理がポイントです。
ぜひ本記事を参考に、素敵な胡蝶蘭の元気を保ち、長期間楽しんでみてはいかがでしょうか。
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