お祝いはもちろん、冠婚葬祭に贈られることの多い胡蝶蘭。
貰った後に自宅で育てる方もいらっしゃると思います。お花にはめしべ・おしべが存在するように、胡蝶蘭にもめしべとおしべが存在するので、受粉させることで新しい胡蝶蘭の花を咲かせることができます。
そこで、胡蝶蘭のめしべについてや受粉方法・管理方法を紹介します。
目次
胡蝶蘭のめしべはどこにあるの?花の仕組み
胡蝶蘭の仕組みは他のお花と少し異なります。
3枚の花びらと3枚のがく片で形成されており、左右対称です。
- 花びら・・・左右に大きく展開している半月の花びら。
観賞価値が高く、非常に重要なパーツです。
- がく片・・・ドーサルセパル、アローセパルと呼ばれる2枚で構成されています。
- コラム・・・リップの奥にあり、おしべとめしべがついています。
- リップ・・・虫たちの到着する場所になるので、受粉にはとても重要な場所です。
- 花粉塊・・・おしべとめしべが入る重要な場所です。
胡蝶蘭のめしべは「花粉塊」と呼ばれる場所に入っています。基本的にお花の花粉は粉になっていることが多いですが、胡蝶蘭の花粉は「塊」になっています。
花粉塊が取れてしまうと、5日前後でお花が枯れてしまうので、とっても重要な場所となります。
胡蝶蘭を受粉させよう!その方法とは
自然界で植物の受粉を助けるのは「蜂・蝶」などの昆虫です。
胡蝶蘭のおしべは花粉塊の中にあるため、少し触るだけで花粉を確認することができます。
しかし、めしべは肉眼では確認できない場所にあるため、昆虫を利用して受粉をするのが非常に難しいとされています。
そのため、人工授粉が確実とされています。
人工授粉に必要なものは「つまようじ」です。
つまようじで花粉塊を取り、中からおしべを取り出します。白い花粉塊の中にある黄色の塊
がおしべです。
そのおしべが取れたら、めしべがあると思われる位置までおしべを押し込み受粉成功となります。
ここで必要なのは、めしべの位置をきちんと把握することですね。
おしべが取れてしまったお花は、まもなく枯れてしまうので確実に受粉を成功させたいですね。
受粉が成功したら、1か月ほどで「さや」ができて、新しい花を咲かせていきます。
めしべがしっかり育つ!胡蝶蘭の管理方法とは
胡蝶蘭の受粉が成功したら、確実に花を育てるように環境を整える必要があります。
元々胡蝶蘭は、日本ではなく東南アジアの熱帯雨林の地域に花を咲かせていたため、極端な暑さ・寒さには耐えることができません。
また、他の植物との大きな違いとして水を最低限でしか必要としないことがあげられます。
そこで、受粉後の胡蝶蘭を上手に育てる方法・環境はどんなものが良いのか、重要な方法を3つ紹介します。
温度・湿度
胡蝶蘭に適した温度は、18度~25度だとされています。そのため、1年を通して20度前後の環境で育てると良いでしょう。
温度が上がりすぎると花が早く枯れてしまい、逆に下がりすぎても早く枯れる原因になるので注意が必要です。寒さがピークになる冬の時期や暑さのピークになる夏の時期は室内で管理することをおすすめします。
しかし、ここで注意してほしいのが冷暖房です。胡蝶蘭は冷暖房の風を直接受けることで花びらにダメージを受けてしまい、早く枯れる原因になってしまいます。
また、冷暖房の乾燥も胡蝶蘭は好みません。
湿度もある程度高い環境で管理をするようにしましょう。
水やりの頻度
胡蝶蘭は、他の植物とは異なり根を土に張らない植物なので、根っこ自体の吸収性が非常に高く、長期間に渡って水分を蓄えることができます。
そのため、毎日こまめに水をあげたり必要以上に水を与えることは、根腐れの原因になるので注意が必要です。
水やりの目安として、鉢の中のバーグまたは水苔を手で触った時に、カラッとしていたら1株につき、コップ1杯の水をあげるようにしましょう。
1株なので、3株胡蝶蘭がある場合はコップ3杯が目安です。
だいたい7日~10日に1度の水やりが理想的です。
置き場所・光
本来胡蝶蘭は、ジャングルの高い木に生息しているので、その環境に合わせる必要があります。
日当たりが良く、風通しの良い場所を基本にして置き場所を考えてください。
ただし、カーテンや何か家具が花に当たる場所は、お花が枯れる原因になるので注意が必要です。
日光を沢山当てることが大切だとされていますが、直射日光は花に与えるダメージが非常に大きいので、日当たりが良いといっても直射日光は避けてください。
まとめ
胡蝶蘭は、自然の力で受粉するのが少し難しい仕組みになっていることがわかりました。
なぜ、めしべの位置がこんなにも奥にあるのか、詳しい理由はわかっていませんが、次の世代を残すために人の手を借りる工夫とも伝えられているそうです。
受粉は決して難しい方法ではないので、もっと胡蝶蘭を楽しみたい方や、仕組みが気になる方はぜひ受粉してみてはいかがでしょうか。
めしべがどうしても気になる方は、お花を分解してみるのも良い方法かもしれませんね。
受粉後は、確実にお花を育てることができるように管理環境に注意して育ててくださいね。