お祝い事などで贈られる事の多い胡蝶蘭は、しっかりとした手入れをすれば長くその綺麗な花を楽しむ事ができます。
しかし、間違った方法でお手入れを行うと根腐れなどの枯れてしまう原因になる事もあります。また、胡蝶蘭の置く場所や環境、害虫にも注意をしなければなりません。
ここでは、胡蝶蘭を長く楽しむ為に知っておきたいお手入れの方法や、害虫対策について、また、胡蝶蘭を育てる為に適した環境などについて紹介します。
目次
基本的な胡蝶蘭の手入れ方法
胡蝶蘭を長く楽しむ為には、胡蝶蘭に適した方法でお手入れをしなければなりません。ここではその方法について紹介します。
置く場所
胡蝶蘭は、湿気に弱い繊細な植物です。その為、胡蝶蘭を置く際には、風通しの良い、根を乾燥させる事のできる場所を選びましょう。
扇風機やエアコンなどの風が直接当たってしまうような場所や、直射日光が当たるような場所は避け、日当たりの良い場所に置くようにしましょう。
また、カーテンなどが風になびいて胡蝶蘭に当たってしまうと鉢が倒れたり、胡蝶蘭自体が傷ついてしまったりする場合がある為、窓際に置くのは避けるようにしましょう。
水やり
胡蝶蘭の根はもともと外に出て成長し、乾燥しているのを好みます。その為、水のやりすぎには注意が必要です。水をやる時には、10日に1回を目安に行うようにして下さい。また、植え込み材などの乾燥具合を確認して、乾いていたら水をやるようにしましょう。
空調
胡蝶蘭は温暖な場所に生息している植物ですので、寒さに弱いという特徴があります。胡蝶蘭を置く時には、20℃程度の温度を保つようにしましょう。気温や室温が10℃を切ると枯れてしまう事がある為注意が必要です。
季節ごとに変わる胡蝶蘭の手入れ方法
大まかな胡蝶蘭のお手入れの方法は、置く場所、水やり、空調の3つですが、お手入れの方法は季節ごとに多少変化します。ここでは、季節ごとのお手入れの方法について紹介します。
春
春は胡蝶蘭が咲く季節になります。春でも夜は、まだ冷え込む事がある為空調に注意し、日中は、20℃前後、夜は、15℃ぐらいの温度に保つようにします。また、10日に1度の水やりをします。5月頃からは胡蝶蘭の成長期に入る為、肥料を与えるようにしましょう。
夏
夏は気温が高くなり、胡蝶蘭も乾燥しがちになります。水は1週間に1度程度やるようにしましょう。また、クーラーなどの風が直接当たらないように注意しましょう。肥料も併せて与えておきます。梅雨時は、雨の多い時期です。
雨にさらされると、根腐れの原因にも、なります。雨にさらされないように注意しましょう。また蒸れやすくなっているので、風通しの良い場所に置きましょう。
秋
秋も春と同じように夜の気温の低下に注意をし、水やりは10日に1度くらいにしましょう。また、秋になると胡蝶蘭は休眠期に入る為、肥料を与えるのは、やめましょう。肥料を与えていると、根腐れの原因になる事があります。
冬
冬は寒さに弱い胡蝶蘭にとって厳しい季節です。胡蝶蘭を置いておく場所の温度は20℃程度に保つようにしましょう。肥料は、秋同様与えるのはやめ、水は2週間に1度程度、様子を見て行いましょう。また、水は冷たすぎると胡蝶蘭が枯れてしまう事がある為、常温に戻してから与えるようにしましょう。
胡蝶蘭を虫から守る手入れ
胡蝶蘭は置く場所、水やり、空調などに気をつけないと虫がつく場合があるとお話ししてきました。胡蝶蘭には、どのような虫がつくのか、虫がついてしまった時の手入れ法を紹介していきます。
カイガラムシ
カイガラムシは風に乗ってやって来たり、外から持ち込まれたりした株に付着している事もあります。
カイガラムシは白くふわふわとした虫です。付着してしまうと胡蝶蘭の枯れる原因になります。もし、見つけたら、葉を傷つけないように、カイガラムシを爪楊枝などではがして下さい。その後、2000倍に薄めた中性洗剤で胡蝶蘭の株全体を洗い流して下さい。この時、水の温度は冷たすぎないようにして下さい。
ハダニ
ハダニは年中通して発生する虫です。特に梅雨明けなど、夏の高温期に繁殖が盛んになり、多く発生します。水のやり忘れなどによって起こる乾燥などもハダニの繁殖の原因になります。見つけた時は、ダニ用の薬剤を使用しますが、薬に耐性ができる場合がある為、3種類ぐらいの薬を交代で使用するようにして下さい。
アザミウマ(スリップス)
アザミウマは、夏の高温期に発生する事が多い虫です。花弁に寄生する虫で、花の淵の部分が黄色く変色してしまいます。見つけた時は、オルトランという薬剤を使用して駆除をしましょう。
アブラムシ
アブラムシは、外から飛んできて蕾や花につきます。風通しの悪い場所を好み、ウイルス病を媒介します。虫の少ないうちは水で洗い流すだけでも効果がありますが、大量に発生してしまったらテルスター・オリオン・アドマイヤーなどの薬剤を使用して駆除しましょう。
ナメクジ
ナメクジは、ジメジメした場所を好む虫です。また、胡蝶蘭がかかる病気として代表的な「軟腐病」の原因がナメクジです。見つけたらすぐに、割り箸で取り除いて下さい。薬剤は、マイキラーが一番駆除に適しています。
花が落ちた胡蝶蘭の手入れ
胡蝶蘭は育て方にもよりますが、寿命が長いお花です。花が終わった後のお手入れで、来年、再来年の花の成長や咲き方が決まってきます。胡蝶蘭の花を来年も咲かせる為には、花が終わったままの状態で育てていく事はできません。胡蝶蘭の「植え替え」をしなければなりません。
ここでは、花が終わった後の胡蝶蘭のお手入れについて紹介していきたいと思います。
植え替えに必要なのは水苔やバーク(樹皮を細かくしたものを使用したもの)などです。
植え替え
植え替えする場合、バークの鉢はポリポット鉢が最適です。また、ハサミは必ず、消毒済みのものを使用して下さい。
まずは、余分な花芽を取り除きます。そして、ポットから取り出して、腐っている根なども取り除きます。この下準備はバークの場合も水苔の場合も、共通になります。
水苔で植え替えする場合、水苔は水で湿らせて下さい。水苔の鉢は、素焼き鉢が最適です。ハサミは必ず、消毒済みのものを使用して下さい。
植え替えの時期は寒い冬などに行うのは避けるようにし、春などに行うようにしましょう。
水やり
植え替えを行った直後は、胡蝶蘭の根などが通常より敏感になります。その為、胡蝶蘭の植え替えを行ってから10日から2週間程度は水をやるのは避けましょう。乾燥が気になる場合には、胡蝶蘭の葉に霧吹きなどで少し濡れる程度に葉水を与えるようにしましょう。
また、胡蝶蘭に肥料を与える場合には、植え替えが終わってから1か月は間をあけてやるようにしましょう。
まとめ
胡蝶蘭は、花が終わってしまっても、置く場所、環境、害虫などに気をつけて、しっかりとしたお手入れをする事で、寿命を延ばし、長く綺麗な花を楽しむ事ができます。
もし、育てている胡蝶蘭が終わってしまっても、これらを参考にして胡蝶蘭を楽しんでみて下さいね。