日本で、贈り物の花といえば胡蝶蘭と考える方は多いでしょう。
開店祝いなどの慶事から、お葬式などの弔事まで幅広く利用される胡蝶蘭ですが、中国でも贈り物の花として親しまれています。
花を贈る際のマナーなどご存知かと思いますが、中国では花の数に注意が必要です。
中国の胡蝶蘭の花言葉や、価格、贈る場合のマナーなどをご紹介します。
目次
中国の胡蝶蘭の花言葉
日本の胡蝶蘭と同様に、中国の胡蝶蘭も直射日光を嫌い、木もれ日ほどの光がある風通しのよい場所を好み寒さに弱いことが特徴です。
中国でも胡蝶蘭には、女性らしさや幸福に関する花言葉がついています。
中国での胡蝶蘭の花言葉は「美しい淑女」「優雅」です。
日本では「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」などがあります。
蘭の色ごとに花言葉に違いがあり、たとえば白い胡蝶蘭には「清純」・ピンクの胡蝶蘭には「あなたを愛している」などさまざまな花言葉で親しまれています。
花言葉の一つである「幸福が飛んでくる」という表現は、胡蝶蘭の見た目が蝶に似ていることから連想されたものだそうです。
たしかに、蝶のようなフォルムで今にも飛んで行ってしまいそうです。
紫や黄色の胡蝶蘭は、見た目が華やかなため贈り物に人気ですが、花言葉はないそうです。
紫や黄色の胡蝶蘭をプレゼントする際は、贈った相手とその花言葉を一緒に考えてみるのも楽しいかもしれないですね。
中国の胡蝶蘭が分布している場所は東南アジア
中国の胡蝶蘭が分布している場所は東南アジアの亜熱帯地域です。
野生の胡蝶蘭は、高温多湿な熱帯地方に自生し、土ではなく木や岩盤に根を伸ばして育ちます。木の表面に根を張って成長するのだそうです。
木から胡蝶蘭の花が咲いているのを想像したらとても神秘的ですね。
胡蝶蘭は夜に水分を吸収し、昼間は気孔を閉じて水分を蒸発させないようにするため、水やりは夕方行います。
湿度が低いと、夜でも気孔を開かず、枯れる原因になりますので、湿度の管理はしっかりする必要があります
中国では胡蝶蘭は高価な花
中国にも日本と同じように花を贈るという風習があります。
中国の生花店で蝶蘭を購入すると、価格が高くなってしまいがちといわれています。
それはどうしてでしょうか。
一般的に胡蝶蘭は苗の状態から栽培されるのですが、この「苗」が高価になってしまうことが理由です。
種からの栽培だと出荷するのに4~5年の時間が必要で、生育過程で全ての花が綺麗に咲くとは限らず、生産効率が極めて低いことから茎頂培養技術という苗生産が行われています。
この技術によって安定的に胡蝶蘭の苗が生産できるようになりましたが、それでも苗として出荷できるまでに1年ほどが必要です。
さらにタイやアジアなどの温暖な地域で栽培させるため、輸送費が他の地域よりも高額なのです。
高温多湿の東南アジア原産の胡蝶蘭は、寒さと乾燥に弱い植物です。
栽培には温度・湿度を24時間管理する必要があり、その環境を維持するための燃料や電力・水道代などさまざまな費用がかかります。
そういった理由で中国で購入する胡蝶蘭は高価になってしまうのです。
胡蝶蘭を贈るときの中国のマナー
中国でも、胡蝶蘭は優雅な姿・高級なイメージからお祝いやお供えなどのギフト用として人気です。
日本では、開業などの新しい一歩・新生活を始める人に向けてお祝いの気持ちを込めて胡蝶蘭を贈ることが多いです。
プレゼントとして花を贈るのは、その場を華やかにするので国を問わず喜ばれます。
胡蝶蘭に限ったことではありませんが、中国で花を贈る場合の基本的なマナーを確認しましょう。
花の本数に気をつける
花を贈る際、本数が多いほうが華やかでよいと思う方もいるかもしれません。
しかし、本数というよりも数が大切で、国によってはよくないとされている数字は使わないほうがよいでしょう。
ですので、アレンジや花束の際、花の本数に気をつけましょう。
中国の場合、不吉な数とされている、四、九、十三は避けましょう。
病気見舞いの際に相応しくない花の贈り物
病気見舞いの際に花を贈るのは一般的ですが、形状・見た目等から、タブーとされる花もあります。
- 椿:花がポロリと落ちる様が不吉さを連想させるので病気見舞いの贈り物に避けましょう。
- シクラメン:「死」・「苦」の語呂から、病気見舞いの贈り物には避けましょう。
- 鉢植え:「根つく」→「寝付く」の意から、病気見舞いの贈り物には避けましょう。
新築祝いの際に花を贈る場合
新築祝いに花をプレゼントする場合、鉢植えの花や観葉植物等が向いています。
贈る相手の新居に合った花を贈るようにしましょう。
祝賀会・発表会等に花を贈る場合
祝賀会・発表会等のパーティで花を贈る場合は、胡蝶蘭やカトレアなどの豪華な花を贈ると喜ばれます。
基本的に、鮮やかで豪華な色の花を選んで、会の華やかさを盛り上げる花をプレゼントしましょう。
花を贈る際のマナーは国によっても異なりますので、その都度確認するとよいでしょう。
まとめ
今回は中国の胡蝶蘭が高価であることとその理由、花を贈る際のマナーを解説しました。
中国でも日本と同じように、お祝いの際には胡蝶蘭を贈ると喜ばれます。
せっかくのお祝いの場ですから、マナーを守って相手に喜んでほしいですよね。
中国の胡蝶蘭も日本と同じ扱いだということは、胡蝶蘭がいかに美しく、人々を魅了し続ける花なのかということがよくわかります。
あの凛とした佇まいは、国境を越えて長く愛される花だといっていいでしょう。
そしてこれからも、国を問わず、人々の心に癒しを与え続ける花になるでしょう。