胡蝶蘭をいただいたり買ったりしてお家で育てている方も多いと思います。お花が咲いているときに手元に届くので次のお花が咲かないととても不安ですよね。
お花が手元に届いてからの簡単な育て方と、花が終わってからすることのコツ、気を付けるといい胡蝶蘭の管理の仕方や、次の春にお花が咲いてくれない原因も見ていきます。
目次
胡蝶蘭の花を咲かせている期間をのばすためのコツ
まず胡蝶蘭が咲いているときの管理方法です。
手元に来たらラッピングを外し、鉢に湿気が残らないようにします。きれいなラッピングでもったいないかもしれませんが、胡蝶蘭の根っこは蒸れやすいと病気にかかりやすくなってしまいます。健康な胡蝶蘭の育成のためにもラッピングはそうそうに外してしまいましょう。
ここで間違ってはいけないのが、胡蝶蘭に肥料を与えるときは花が咲き終わって茎を切ってから与えるようにします。
花が咲いているときに栄養を与えてしまうと、せっかく1~3ヶ月持つといわれる花がすぐにしおれてしまいます。
肥料を与える時期が花が終わった後なのは、花を落とした後は茎を成長させるために一番栄養を作るときだからです。
このときに洋ラン用の肥料を1000~3000倍ととても薄めて使用して下さいね。胡蝶蘭はもともと肥料がなくても育つことができる丈夫なお花です。
花が咲くのを楽しんだら、しぼんできた時点で花茎をきれいなはさみで根元の2~3節残して思い切り切ってあげます。余計な養分がかからないので、完全に咲くのが終わるのを待つより次の花が咲きやすくなります。
花茎を切る場所を変えると、3~5ヶ月後に次の花を咲かせてくれるようになります。
ここで葉や茎の状態を見ます。茎が太くて弾力があって、葉っぱの数も3~4つあって厚くて弾力があってツヤがある場合は、余力があるので花茎を長めに切っても大丈夫です。3~4節ほどを目安に切ります。
これを二番花といいます。
しかし、二番花は通常年に一回しか咲かない胡蝶蘭を強制的に2回咲かせることになります。
胡蝶蘭自身の体力をとても消耗するため、二番花を咲かせたあとまた胡蝶蘭が花を咲かせてくれるようになるには時間がかかる可能性があります。
胡蝶蘭が花を咲かせやすい環境とは
まず、胡蝶蘭の環境を整えましょう。
胡蝶蘭は3本立ちといわれているものには3つの株が、5本立ちといわれているものには5つの株がより合わさって一つになっていると思います。
胡蝶蘭の花が咲き終わったら、寄せ植えをしている鉢を一つずつ取って、一つの株ずつ管理していきます。
胡蝶蘭が最適な環境になるのに気を付けるのはたったの4つです。
- 直射日光が当たらない明るい場所(レースのカーテン越し)
- 優しい風が当たるところ(扇風機やエアコンの風があたらないところ)
- 湿度が50%から60%に保たれているところ(胡蝶蘭の最適な湿度は70%です)
- 18度から25度の間(胡蝶蘭は寒いのが特に苦手です)
ということに気を付けてあげてください。
また、水やりでも気を付けることが3つあります。
- 受け皿に水をためない
- 植え込み材の表面が乾いたらコップ一杯のお水を常温であげる
- 葉の裏と表に一日に何度か霧吹きで水を与える
たったこれだけです。水やりで鉢の中の空気の入れ替えをしてあげてくださいね。他の植物よりは水やりの頻度は低いはずですので乾いていることを確認してから水を与えて下さい。
葉っぱも水を吸いますので、葉っぱにも水を与えると、水やりがとても楽になりますよ。
胡蝶蘭が花を咲かせてくれない理由はどこを見ればわかるの?
今までは胡蝶蘭に最適な環境の作り方を簡単にまとめてお話しさせていただきましたが、お花が咲かない原因について書いていきたいと思います。
心当たりがないか見て下さいね。
- 葉っぱが2枚くらいしかない
- 葉っぱが黄色かったり黒くなっていたりする
- 葉っぱが弾力も艶もなく元気がない
といった葉っぱの状態で胡蝶蘭自体の栄養が足りていないかどうかがある程度分かります。
胡蝶蘭は葉が3枚以上になると花を咲かせる力があるといわれています。
まだ2枚から3枚しかないと栄養をまだ作っている途中な可能性もあります。
葉っぱの色が変わっている場合、何かの病気にかかっていることがあります。
葉っぱの特徴と病気を見極めて対処する必要があります。
葉に弾力もなくしわしわになっていて元気がない場合は、水不足が原因の場合が多いです。
ただ単に水が不足しているだけなのか、根腐れ病で根から水をくみ上げる元気がないのかは葉っぱだけでは判断ができません。
また、根腐れ病になってしまったら再生は難しくなってしまいます。
水のやりすぎは根腐れを起こしやすくなりますので気を付けて下さいね。
水不足の場合は、時間を空けて水をたっぷりと注いであげてください。
一度あげてから三日ほど様子を見ると元気になってくるはずです。水分不足の場合水の頻度をあげてあげましょう。
胡蝶蘭が花を咲かせない理由
また、花が咲かない理由も様々あります。
栄養が足りていないことや、季節感がないことでも胡蝶蘭は花を咲かせてくれなくなります。
お部屋の温度を良かれと思って一定にエアコンなどで調節されていると季節感がなくなってしまいます。
胡蝶蘭が花芽をつける季節は「冬」です。
胡蝶蘭は15度以下になると成長をやめてしまいます。7度以下になると凍ってしまいますので10度以下になる場所にはおかないでくださいね。
- 春先に開花する。
- 日本でいう梅雨の時期から夏にかけては節を伸ばして成長していきます。このとき一番胡蝶蘭が元気な時期ともいえます。
- 秋くらいから徐々に成長が落ち着いてきます。
- 冬になって胡蝶蘭でいう寒さが続いたら花芽を付けていきます。
- 温かくなって来たら花を咲かせます。
これが胡蝶蘭の一年です。
胡蝶蘭がいう寒さというのは18度といわれています。
18度という気温が3日続いたと胡蝶蘭が感じた場合、花芽を付けるといわれています。
しかし、22度くらいでも花芽はつけてくれます。その場合少し花が少なくなってしまうでしょう。
生産者では10度まで温度を下げて管理するところもあります。
しかし、それはきちんと温度を管理できる環境だからです。
温度が下がりすぎるかもしれない家などではなるべく15度以下にならないようにしてあげることが大切です。
この冬が花芽を付ける大切な時期になります。
また、いただいた胡蝶蘭が次の年に咲かないということは実はよくあることです。
というのも、胡蝶蘭は基本的に一年に一回咲くお花です。株から育てている場合、花が咲くまでに時間がとてもかかるお花としても知られています。
ということは、胡蝶蘭じたい成長がとても遅いお花です。
そして胡蝶蘭はお祝いの席などによく利用されるため生産者が一年中咲かせてくれてように調節して栽培しています。
春に咲く胡蝶蘭を秋にもらった場合、秋に花が終わって花茎を2節目で切ったら、その次の春に咲くのは時間が足りませんよね。
貰った時期というのも花が咲かない原因のうちの一つになることもあります。
まとめ
胡蝶蘭は、ゆっくりと栄養を作っていく植物ですので、葉っぱも元気があるのに花が咲かないなと思っている方は待ってあげると花が咲いていることもあります。
その次の年には立派なお花を咲かせてくれるかもしれませんので、花が咲かなかったからとあきらめないでまた愛情をかけて育ててあげてくださいね。