お祝いごとでいただくことが多い胡蝶蘭ですが、一度、花が散ったあとも適切な育て方をしていけばもう一度、花を咲かせることができます。水やり、置き場所、植え替えなど、様々な手順がありますが、植物といえば気になるポイントが肥料についてですよね。そこで今回は胡蝶蘭に与える肥料についてお話していきます。
目次
胡蝶蘭に肥料をあげるときのタイミングとは?
胡蝶蘭の花が咲いているときに肥料はあげない
そもそも胡蝶蘭に肥料は必要なのでしょうか? 結論から言いますと肥料は必要です。ただし、肥料をあげる時期や量、タイミングがあります。
基本的に”胡蝶蘭の花が元気に咲いているうちは肥料は必要ありません”のでご注意ください。
もしもあなたが開店・開業をして胡蝶蘭を贈り物としてもらい、「今、咲いている胡蝶蘭がそれなりに長生きしてくれれば大丈夫」という人は下手に肥料を与えず、水やりや設置場所などの管理方法をしっかりとやるだけで十分です。
しかし、胡蝶蘭を二度咲きさせたい人や長期間(1年以上)に渡って胡蝶蘭を楽しみたい人は肥料を与えるということも考慮しなければいけません。
液体肥料は原液で使用しない!
胡蝶蘭の肥料に液体肥料を選んで使う場合は注意して欲しいポイントがあります。それは”液体肥料を原液で使わないこと”です。
液体肥料とは名前の通り、固形ではなく液体になった肥料のことで、略して液肥と呼ばれることもあります。吸収するのが早く、直接土に蒔くだけでいいので、ガーデニング初心者でも使いやすいタイプの肥料なのですが、原液を水で薄めて使用するタイプの場合は必ず水で薄めるようにしてください。
どれぐらい薄めるのかという割合に関しては、どの液体肥料を使うのかによりますので、きちんと液体肥料の説明欄を確認する必要があります。
なかには薄めずに使用しても大丈夫という液体肥料もありますが、水で薄めた液体肥料にしろ、そのまま使うタイプの液体肥料にしろ、肥料を与えるときは普段の水やりと同じタイミングで液体肥料を与えるようにしましょう。
濃い液体肥料や肥料のあげすぎは胡蝶蘭の寿命を縮める可能性がありますので注意してください。
肥料を与えるうえで間違えてはいけない大事なこと
チッ素・リン酸・カリが等分になっている肥料を使うこと
肥料といっても様々なものがありますが、成分として代表的なのがチッ素・リン酸・カリを含んだ肥料です。胡蝶蘭にもこのチッ素・リン酸・カリを含んだ肥料を使うのが良いのですが、胡蝶蘭に関してはこの”3つの成分の比率が等分になっているもの”が良いとされています。ですので、胡蝶蘭に与える肥料を購入する場合は、必ず成分の比率をチェックするようにしましょう。
もしも等分の肥料がなかなか見つからない場合はリン酸が若干少ないものを選びます。(例:チッ素<10>:リン酸<8>:カリ<10>)
また肥料の説明欄にはチッ素・リン酸・カリが元素記号で書かれていることが多く、それぞれチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)となっています。説明欄には”N-P-K”の並びで記載されていることが多いので、この並びを覚えておくと肥料を購入する際、とても便利です。
肥料は15℃以上のときに与える
胡蝶蘭は冬場、株が弱ってきます。株が弱っているとついつい肥料を与えたくなってしまう人もいるかもしれませんが、胡蝶蘭は冬場、肥料を与えなくても大丈夫な花です。むしろ肥料を与えると根腐りを起こし、寿命を縮めてしまう可能性があります。
ところで冬場といっても、どのタイミングから肥料を与えなくていいのか、わからない人も多いでしょう。暦上での冬なのか、それとも気温で判断するのか……
胡蝶蘭の場合は気温で判断します。具体的には”15℃”を基準にするといいでしょう。
もしもあなたが胡蝶蘭を置いている場所が15℃以下の場合は肥料を与えないほうが良いです。15℃以上の場所に胡蝶蘭を置いているときに肥料を与えるようにしましょう。
間違えないで!肥料を与える時期とは
肥料は栄養が必要になってくる春頃から与える
気温が15℃を下回るような冬場は肥料が必要ないことはわかりましたが、肥料が必要な時期はいつなのでしょうか?
正解は”花を咲かせるために栄養が必要になってくる春から肥料を与える”のが良いです。
季節ではなく、具体的な月でいうと5月から肥料を与えるのが良いと言われていますが、ひとつだけチェックして欲しいことがあります。それは胡蝶蘭の新しい根がきちんと伸びているかどうかです。
もしも新しい根が伸びていない場合は肥料を与えるのを待ちましょう。うっかり早めに肥料を与えてしまうと、枯らしてしまう可能性があります。
まとめ 肥料は与えすぎず、ゆっくり胡蝶欄を育てていこう
・花が咲いているときは肥料を与える必要はない
・液体肥料は水で薄めること
・肥料はチッ素・リン酸・カリが等分だと良い
・肥料を与えるときは15℃以上を保てているかチェック
・栄養が必要になってくる春(5月頃)から肥料を与える
植物を元気にさせるための肥料も量やタイミングを間違えてしまえば逆効果になってしまいます。とくに胡蝶蘭を育てる場合は慌てず、胡蝶蘭の状態をよく把握してから肥料を与えるようにしましょう。