お祝いのシーンで贈られることの多い胡蝶蘭。貰ったあとは上手に管理を行えば、何度もお花を楽しむことができます。とくに、夏は胡蝶蘭を育てやすい時期でもあるので、胡蝶蘭の栽培にチャレンジするのにピッタリな時期と言えるでしょう。この記事では、夏の時期の正しい育て方や、ポイントを詳しく解説します。
目次
基本的な夏の胡蝶蘭の育て方
胡蝶蘭を夏の時期に上手に育てるには、以下の育て方を詳しく知っておく必要があります。
・水やり
・置き場所
・肥料
・植え替え
それぞれの育て方を詳しく見ていきましょう。
水やり
胡蝶蘭は本来、ほかの木に寄生をして成長する植物で、根から空中の水分を吸って成長しています。また、大きくて厚い葉には水分を蓄えておくことができるので、毎日の水やりは必要ありません。夏の時期でも、植木剤がしっかりと乾いたのを確認してから水やりを行うようにしましょう。
ただし、真夏日や猛暑日が続く場合は水が蒸発しやすいので、2〜3日に1度水やりが必要です。受け皿に溜まった水は、胡蝶蘭が枯れる原因になるので、必ずこまめに捨てるようにしましょう。
置き場所
胡蝶蘭は日光を好む植物ですが、真夏の直射日光は強すぎるためあまり良くありません。
外で管理をする場合は、明るい半日陰に置くと良いでしょう。
また、直射日光が当たるコンクリートの壁などが近くにあると、鉢の中の温度を上げてしまうため、あまり良くありません。涼しくて風通しの良い場所に置くことを心がけましょう。
肥料
少ない水と栄養でも元気に育つことができる胡蝶蘭ですが、夏の時期は花付きを良くする目的で肥料を与えることがあります。
肥料は液体肥料がおすすめです。与える量や薄さはメーカーや種類によって異なるため、液体費用の使用方法を参考に、適切な量を与えましょう。肥料の頻度は、2週間に1度のペースがおすすめです。
植え替え
胡蝶蘭の成長期でもある夏は、植え替えをするのに最も適している時期です。
根詰まりが気になる場合や、植木剤の汚れが目立つ場合は植え替えのタイミングなので、夏の時期に植え替えを行いましょう。
夏の時期に多い胡蝶蘭の害虫被害とは
夏は多くの虫が活発に活動をする時期なので、1年を通しても害虫被害が多い傾向が高いです。特に胡蝶蘭に悪い影響を及ぼす害虫を見ていきましょう。
・ハダニ
・ナメクジ
・アリ
それぞれの害虫を詳しく解説します。
ハダニ
梅雨明け頃から夏の高温多湿の時期に活発になってくるのが「ハダニ」です。
ハダニが発生すると、付着したところから吸汁をして、葉や株を弱らせてしまう可能性があります。ハダニは乾燥状態を好むので、霧吹きでこまめに胡蝶蘭に水をかけるなどをして、ハダニの発生を防ぎましょう。
万が一ハダニの発生を見つけたら、ダニ用の薬剤を胡蝶蘭に吹きかけて排除してください。
ナメクジ
湿気の多い夏に多く発生するナメクジにも注意が必要です。
暑い場所を苦手としているので、昼間は植木鉢の裏側や近くの石の裏などに身を隠していますが、日が落ちたあとの涼しくなるタイミングで、胡蝶蘭に付着します。
ナメクジは、胡蝶蘭の葉や根を食害する害虫なので、夜もこまめに見回りを行うようにしましょう。見つけたら、その都度排除してください。
ナメクジはジメジメとした場所を好むので、風通しの良い場所に胡蝶蘭を置いて発生を防ぐことを心がけましょう。
また、銅を嫌うとされているので、銅板を置くのもおすすめです。
アリ
暖かくなると活発になるアリですが、胡蝶蘭の葉から出る成分を吸うために、胡蝶蘭の近くへ巣を作る場合があります。
多くのアリが胡蝶蘭に付着すると、ハダニ同様に株が弱る可能性があるので、発見したら殺虫剤を撒くようにしましょう。
胡蝶蘭の近くにあるアリの巣にも薬を撒くのを忘れないでください。
夏に室内で胡蝶蘭を育てるときのポイント
夏の直射日光が不安な人は、室内で胡蝶蘭を育てるのがおすすめです。室内で管理することで、害虫の心配も最小限に抑えることができるでしょう。
夏の室内で胡蝶蘭を育てるときは、2つのポイントに気をつけることが大切です。
ここでは、胡蝶蘭を室内で育てるときのポイントをご紹介します。
日光管理の徹底
室内で胡蝶蘭を育てる場合、どうしても室外と比べると日光不足になりやすくなります。
そのため、なるべく日光が当たる窓際で胡蝶蘭を育てるようにしましょう。
ただし、直射日光は胡蝶蘭を弱らせる要因となるので、室内でも注意が必要です。
レースカーテン越しに胡蝶蘭を置くと、ちょうど良い日光を取り入れる事ができるでしょう。
室温とエアコンの使い方に気を配る
胡蝶蘭は暑さに強い植物ですが、室内は風があまり通らないので、湿気や暑さが籠もりやすいです。そうなると、根腐れの原因にもなるので、エアコンを上手に使用して、胡蝶蘭に適切な環境を作ってあげましょう。
ただし、エアコンの風を直接胡蝶蘭に当ててしまうと、胡蝶蘭が乾燥してしまう可能性があります。
エアコンを使用する際は、風が直接当たらないように気を配ることが大切です。
夏に室外で胡蝶蘭を育てるときのポイント
夏に室外で胡蝶蘭を育てる場合、以下のポイントに気をつけてください。
・直射日光は避ける
・風通しの良い場所に置く
それぞれのポイントを詳しく解説します。
直射日光は避ける
先程も少し述べましたが、胡蝶蘭は直射日光が苦手なので、必ず避けた場所で管理をしましょう。そもそも胡蝶蘭は高い木が生い茂った熱帯雨林が原産地です。そのため、直射日光が当たる環境ではないので、強い日光は葉焼けの原因になります。
葉焼けを起こすと胡蝶蘭が弱ったり、そこからバイ菌が入って株自体が枯れる原因になるので注意しましょう。
風通しの良い場所に置く
風通しが悪い場所で管理をすると、胡蝶蘭の根が腐る「根腐れ」を引き起こすので注意が必要です。特に日本の夏は湿気が強く気温も高いので、胡蝶蘭の鉢の中は蒸れやすい環境になります。風通しの良い場所が確保できない場合は、鉢の下に板などを置いて、下から風が入るように工夫するのもおすすめです。
夏に胡蝶蘭を育てるときの注意点
夏に胡蝶蘭を育てる場合、以下の点に注意する必要があります。
・軟腐病に気をつける
・水のあげすぎに注意
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
軟腐病に気をつける
軟腐病とは、胡蝶蘭の葉が少しずつ変色していき、水が溜まったように柔らかくなってしまう病気です。葉の傷からバイ菌が入るのが原因で、異臭を放つようになります。
1年を通して気をつけなければいけない病気ですが、特に高温多湿の夏に多く見られる症状なので注意が必要です。軟腐病を見つけたら、消毒済みのハサミで病気の箇所を切り落として、傷口を消毒しましょう。このときに、葉に溜まった水がほかの健康な葉につくと、そこからまた軟腐病を発症することがあるので、慎重に腐った場所を除去してください。
水のあげすぎに注意
胡蝶蘭はあまり水を必要としない植物です。むしろ水が多いと、根腐れの原因になるため、暑い夏も水のあげすぎには注意しましょう。
特に、夏の暑い時期は鉢の中が蒸れやすいため、少しでも水が多いとすぐに根腐れを起こす可能性が高いです。
根腐れは胡蝶蘭を枯らす要因となり、1度なると復活が厳しい病気なので、上記で説明したように、水やりは植木剤が乾いたのを確認してから行うようにしましょう。
まとめ
胡蝶蘭にとって日本の夏は、非常に過ごしやすい環境であることがわかりました。また、夏は胡蝶蘭の成長期でもあるので、水やりや置き場所に注意して、丁寧に育てましょう。
害虫被害が一番多い時期でもあります。こまめに観察することで、害虫を早期発見することもできるので、胡蝶蘭と向き合う時間を増やすと良いでしょう。