胡蝶蘭を育てるのは難しいとか、よく言われていますよね。
胡蝶蘭自体は、育てるのはそこまで難しくないお花です。しかし、環境づくりの面で、日本では難しいのかなと感じる部分は多くなります。そこで、胡蝶蘭を育てるときに、本当に大切なところをまとめてみました。
胡蝶蘭を育てるときに難しいと思うこと
胡蝶蘭を育てるうえで皆さんが感じている「難しい」と感じるところはどういったところなのでしょうか。
よく難しいと感じているのは以下の5つです。
- 水やりのタイミング
- 温度の設定
- 保湿
- 置き場所
- 枯れやすい
この中でも一番皆さんが苦手とされているのが水やりです。
胡蝶蘭にとって水やりのタイミングはとても大切です。
他の植物を育てている方は分かると思いますが、水をあげないだけで枯れてしまいますよね。それと同じように胡蝶蘭も水をあげなければ死んでしまいます。
しかし、重要なのは水やりのタイミングです。
胡蝶蘭は他の植物が1日に1回から3日に1回が最適なタイミングなのに対して、胡蝶蘭は5日に1回から10日に1回の水やりでも十分な時があります。
胡蝶蘭は、毎日水やりをしてしまうと逆に根が腐って枯れやすくなってしまうのです。
胡蝶蘭を育てる大切な環境
胡蝶蘭を育てるうえで、胡蝶蘭の野生の時の環境に近づけるととても育てやすくなります。
なんで水やりもこんなに少なくなるのかも気になりますよね。胡蝶蘭はどういった環境で育っていたのでしょうか。
胡蝶蘭は、熱帯地方の南フィリピンを中心の温かい地方で育っています。野生の胡蝶蘭は北は台湾までしか咲いていないので、このことからも温かいところが好きなことが分かりますね。
熱帯地方には水も豊富にあります。しかし、水やりのタイミングが遅いのには理由があります。
胡蝶蘭は野生では木の上に着生して生きる着生ランです。そのため、いつでも水が飲めるわけでなく、雨が降ったタイミングや、霧からしか水分を補充することが出来ません。
そのため、胡蝶蘭はCAM型光合成という砂漠の植物がする光合成の仕方をしています。
CAM型光合成とは、「少ない水で栄養をためて、少ないエネルギーで光合成を行うこと」です。
そして、胡蝶蘭の根っこは水はけがよくなっています。
野生の胡蝶蘭の環境は、温かい地域で、木の上で、木漏れ日の下で、湿度が高いところにいます。
そのため胡蝶蘭を育てやすい環境は以下の通りになります。
- 水やりは表面がきちんと乾いてから与える
- 直射日光よりは、柔らかい光
- 空気の循環がある場所
- 空気中の湿度がある程度ある場所
- 温度は22度から25度あたりが最適
- 水やりは表面がきちんと乾いてから与える
日本で育てるときはミズゴケやバークで育てるので、常に水分に囲まれることになります。そのため、植え込み材が乾いたタイミングで水やりを上げるようになると、5日から10日に1回のタイミングで水をあげることが多くなると思います。
- 直射日光よりは、柔らかい光
胡蝶蘭は、着生ランなので葉の下に生きています。木漏れ日の中で生きているので、直射日光は苦手です。レースのカーテン越しなど日光を遮ってあげてください。
- 空気の循環がある場所
また、空気が淀んでいるところは苦手です。しかし、エアコンや扇風機の風が直接当たってしまうと乾燥しやすくなるので当たらないようにします。
- 空気中の湿度がある程度ある場所
胡蝶蘭が育った環境では湿度が高く、80%の湿度があるといわれています。しかし、建物のなかでそんなに高い湿度だと大変です。50~60%の湿度で、近くで加湿器を使うなどして工夫するようにします。
- 温度は22度から25度あたりが最適
胡蝶蘭が快適な温度は、22度から25度です。高すぎても低すぎてもいけません。22度から25度に設定して、18度から30度までで季節感を出すようにすると胡蝶蘭も成長しやすくなります。
慌てないで!胡蝶蘭を育てるのには時間がかかる
胡蝶蘭を成長させるためには、ゆっくりと時間がかかるものと思って世話をして下さい。
環境を整うことが出来れば、胡蝶蘭自体はゆっくりと、しかし確実に成長していきます。
胡蝶蘭はCAM型光合成を使って光合成をしているので、そもそもの成長速度が遅くなります。
胡蝶蘭の成長は遅いので、最初に花芽がつくまでに5年ほどかかってしまいます。これはどんなに環境を整えていても、最低でこのくらいの期間がかかってしまうのです。一番難しいのもこの、初めに花芽を付けることとも言われています。
しかし、一度花芽がついたら1年ごとに花芽が付きやすくなります。
売られている胡蝶蘭は花芽がしっかりとついているものが多くなりますので、環境を整えることが出来れば花芽はつきやすくなります。
胡蝶蘭を育てるのに大切なのは、花を咲かせることもですが、葉っぱの状態をよく見てみてください。
葉っぱが分厚くて、緑色して艶があれば健康です。
胡蝶蘭はラン科なのですが、胡蝶蘭は水分や栄養分を蓄えておけるところが葉っぱしかありません。なので、葉っぱをみると胡蝶蘭の状態がよくわかるようになって、育てやすくなりますよ。
まとめ
胡蝶蘭を育てるうえで一番難しいとされているのが、水やりのタイミングです。環境にもよって変わってきますが、乾かし気味に水やりをするとよいでしょう。しかも、水やりをするときは、たっぷりとしたから滴り落ちるくらいの量を与えます。
胡蝶蘭は、環境さえ整えて、水やりのタイミングを乾かし気味にしてあげるだけで他のお世話はほとんど必要ないほど強いお花です。まずは環境を胡蝶蘭が野生の時に近づけるようにするだけで、胡蝶蘭が育ちやすくなりますよ。