お店の開店祝いなどのプレゼントなど、お祝いのシーンで贈られることの多い胡蝶蘭。
「もらったのはいいけど、どこに置けばいい?」「お手入れはどうすればいいの?」など、初めて育てる方は悩むことも多いですよね。
そこで今回は、初心者の方に向けて、胡蝶蘭の基本の育て方、花が終わった後の管理方法、などを詳しくご紹介します。
胡蝶蘭は乾燥に強く、頻繁な水やりは必要ありません。水やり忘れがちになってしまう方や、初心者でも育てやすい植物です。
この記事を参考に、胡蝶蘭を育ててみましょう!
目次
胡蝶蘭は初心者でも育てやすい
胡蝶蘭の原種は、アマビリスという品種です。
野生のアマビリスは、主に熱帯雨林の湿度の高いところに自生しています。とはいえ、乾燥に強く、とても丈夫な品種の蘭です。
乾燥に強いという点から頻繁な水やりは必要なく、胡蝶蘭は室内で育てる際も、あまり手間がかからずに育てやすいという特徴があります。
また、アマビリスは中輪胡蝶蘭に分類され、花径が4cmぐらいの比較的小ぶりな花です。
お祝いで贈る胡蝶蘭は大輪のものが多いですが、アマビリスでしたら置き場所が狭い場合でも、室内で育てることができるでしょう。
【 胡蝶蘭】 普段の管理方法【 基本の育て方】
「難しい」というイメージを抱かれがちな胡蝶蘭ですが、育てる際のいくつかのポイントを押さえておけば、初心者でも育てることができますよ。
胡蝶蘭を設置する場所や水やりは、季節によって、変える必要があります。
胡蝶蘭は、栽培する人自身が管理方法などを見極めながら育てることが大切です。
そこでここでは、胡蝶蘭の基本の育て方や管理方法について、要点を分けて詳しく解説していきます。
水やり
胡蝶蘭の水やりは、胡蝶蘭の設置場所や温度、湿度などによって大きく異なります。
水やりの目安としては、植え込み部分の表面が乾いてきた頃を見計らって、与えることです。
胡蝶蘭は根腐れを起こしやすい植物ですので、鉢がずっと濡れている状態にするのは厳禁です。必ず植え込み材が乾いていることを触って確認してから水やりをしてください。
特に冬場は水が蒸発するのが遅くなるため、水やりの頻度は落としましょう。
夏季の気温の高い時期は、朝晩2回、コップ1〜2杯分ぐらいの水を与えるといいでしょう。また、霧吹きで葉水を与えるのも忘れないようにしてください。
根は乾燥気味に、葉には適度な湿度を保たせて育てるのがおすすめです。
置き場所
胡蝶蘭の原種は、木漏れ日が差し込むような明るい日かげに咲いています。
胡蝶蘭は風通しの良い所を好むので、部屋の中に設置する場合は風通しの良い場所に置くようにしてください。
光が全く当たらないと成長が遅くなり、花が弱ってしまいます。かといって、直射日光が当たる場所に置いておくと、葉焼けを起こして枯れてしまいます。
したがって、直射日光を避け、適度に明るい光が長時間当たる場所に置くのが理想です。
冬の時期は、できるだけ暖かい場所に置きましょう。
夏季は、時間帯によって置き場所を変えるのがおすすめです。
肥料
胡蝶蘭の肥料は、一般的に園芸店で販売しているものを使用することができますが、基本的にはあまり必要ありません。
真冬や真夏は株が弱っている時期なので、肥料を与えても栄養として受け取れず逆に弱らせてしまう原因になってしまいます。
肥料を与えたい時は、必ず生育期にあたる5〜9月のみに与えましょう。
胡蝶蘭に使う肥料は、水に溶かして使う液肥 と、固体のまま使う固形肥料の2種類があります。
肥料は、窒素、リン酸、カリの配合比率が 10:10:10 というように、均等なもの、あるいは、ややリン酸が少ない比率のものを使うと良いでしょう。
花が終わった後の管理方法
ここからは、胡蝶蘭の花が咲き終わった後の管理方法についてご紹介します。
適切なお手入れや管理を行えば、胡蝶蘭の花は次の年以降も長く楽しむことができますよ。
ここでは、胡蝶蘭の花が咲き終わった後のお手入れの仕方や育て方、さらに元気に育てるためのコツについてご紹介していきます。
「胡蝶蘭の花を長く花を楽しみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
花茎は、根元から切り落とす
花を咲かせた状態は、胡蝶蘭の株にとってかなりの負担になっています。
寒い冬を越し、花をもう一度咲かせるためには、株に力を蓄える必要があるのです。
そのため、胡蝶蘭の花が落ち始めたら茎を切り落とし、株に栄養をまわして休ませてあげましょう。
胡蝶蘭の花をできるだけ長く育てたいなら、茎を根元近くでカットするのがおすすめです。
花が全部枯れてしまうまで待つと見た目も悪いですし、株の体力を奪われてしまうため、 次の年に花が咲かない可能性もあります。
花が半分くらい枯れ始めたら、茎を切り落としましょう。切り花にして花瓶に飾って楽しむのも素敵ですよ。
胡蝶蘭の花芽がつかない その原因とは?
胡蝶蘭の花芽とは、花が出る芽のことを指します。
花が落ちてしまった後にこの花芽を育てることで、胡蝶蘭は翌年も花を咲かせてくれるのです。
花芽は、葉の間から顔を出します。
出てきたばかりの花芽は根にそっくりなので、初めは見分けがつかない方もいるでしょう。根と間違えて切ってしまった!なんてことがないように注意しましょう。
しかし、どんなにしっかり育てていても、花芽が出ないこともあります。
ここでは、胡蝶蘭の花芽がつかない原因を解説していきます。
「なぜ花芽が出ないのか」「育て方が間違っていたのか」などお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
栄養不足・育成不足
花芽が出ない原因 で、もっとも多いのが育成不足です。
花芽が出るとされているところまで株が成長していなければ、当然花芽は出ません。
また、株が成長していても花芽が出ない原因は、葉っぱの枚数が足りないことが挙げられます。
花芽が出るには最低でも、4〜6枚の葉っぱが必要とされているのです。
株を育てたり、葉を増やしたりするには、春から夏の終わりが最適なので、この時期に、しっかり育てるのが良いでしょう。
病気にかかっている
胡蝶蘭が根腐れを起こしていたり、葉っぱが病気にかかっていたりすると、花芽は出なくなります。
もし胡蝶蘭が病気にかかっていると気づいたら、早めに茎を切り落としましょう。
ただし、ウイルス性の病気にかかっている場合は、残念ですが処分することになります。
ウイルス性の病気が健康な胡蝶蘭に感染しないように、鉢を分ける作業が必要なケースもあるでしょう。
丁寧に育てて、次の年も花を咲かせよう!
胡蝶蘭農園では温室で育てているので、いつでも咲きごろの胡蝶蘭を用意できます。
しかし、一般の家庭ではそういった環境を用意することは難しいため、胡蝶蘭の育て時期や環境を考えての育て方が、次の年にまた花を咲かせるコツとなります。
胡蝶蘭の開花は、5月頃。
通常、花のつぼみは芽が出てから2ヶ月ぐらいで開花します。
しかし胡蝶蘭の場合、花芽を出すのは12月頃で、そこから半年近く経ってから、やっと花を咲かせるのです。
また、花芽が育ち始めるには、きっかけが必要です。
10月〜11月に、低温に当たることで、胡蝶蘭は花芽を作る準備を始めます。
それぞれの時期に、適切な置き場所や手入れ方法を変えてあげると、次の年も花を咲かせる可能性が高くなるでしょう。
まとめ
今回は初心者の方に向けて、胡蝶蘭の育て方について解説しました。
胡蝶蘭は上手に育てれば、翌年以降も何回も花を咲かせることができる花です。
花を咲かせるポイントは、咲き終わりを見極めて、全部咲き終わってしまわないうちに、花茎を切り落とすこと。
育つ環境と時期を理解した育て方をしなければ、翌年以降にまた花を咲かせることはできません。
今回ご紹介してきたように、胡蝶蘭の花を育てるには、水やりや置き場所など、いくつかのコツがあります。
あなたも、これらのコツをしっかり押さえて、ぜひ長く花を楽しんでくださいね。