胡蝶蘭につく虫、害虫と益虫の見分け方

胡蝶蘭を育てていると虫が湧いてくることがあるかと思います。折角綺麗なお花を迎え入れたのに、虫に悩まされたくないですよね。

胡蝶蘭にはどんな虫がつきやすいのでしょうか。そしてなぜ虫が湧いてしまうのでしょうか。胡蝶蘭と虫との関係についてみていきたいと思います。

胡蝶蘭につく虫の特徴とは

胡蝶蘭 虫

satschnt / Pixabay

胡蝶蘭につく虫は主に2種類います。

胡蝶蘭自体を食べてしまう虫や、虫を食べてくれる害がない虫です。

胡蝶蘭につく虫は、胡蝶蘭自身を食べてしまうこともあるので、胡蝶蘭が弱ってしまう原因にもなってしまいます。

どんな特徴があるのか見ていきたいと思います。

  • ハダニ

体長0.3mm~0.5mmの小さな虫。一気に大量につくことがある。その名の通り葉につくダニ。

  • コナダニ

目に見えない厄介な虫。あまり植物には寄生しないけど、花が一輪だけ枯れるなどの被害がある。

  • カイガラムシ

400もの種類があり、小さい貝のような殻みたいなものが付きます。一度に駆除できない厄介な虫。

  • コナイガラムシ

カイガラムシの種類の一つで、白く綿みたいなものが付きます。こちらも一度に駆除できないので根気が必要です。

  • スリップス(アザミウマ)

体長1~2mmで細長い虫です。葉っぱにつくことが多く、葉水で効果が出ない場合スリップスを疑います。幼虫は根っこの方にいて、根を食べることもあります。薬に強い。

  • ナメクジ

ぬるぬるしているナメクジです。ナメクジは胡蝶蘭を食べてしまいます。特に屋外の梅雨時期に出やすいです。銅板を胡蝶蘭の周りに設置すると予防になります。

胡蝶蘭につく無害な虫とは

胡蝶蘭に無害な虫

g3gg0 / Pixabay

植え込み材に住む虫の特徴は、水が好きな虫が多いです。

胡蝶蘭の植え込み材は、基本的にミズゴケを使用しています。ミズゴケは水を多く含むだけでなく、素焼き鉢と一緒になることで撥水性もあり、水を多く必要としない胡蝶蘭にとても最適な植え込み材です。

そんな植え込み材に住む害がない虫は、「コバエ」です。実はコバエは胡蝶蘭には害がない虫とされています。しかし、中にはつぼみを食してしまうものもいるので注意が必要です。

コバエは、腐った根っこなどから発生しやすくなっています。そのため、コバエが胡蝶蘭から発生しているなと感じたら、もしかすると根が腐り始めているのかもしれません。

2年、植え替えをしていないのであれば植え替えをするチャンスです。

植え替えの際に、腐った根っこを切り落としてくださいね。

また、テントウムシも胡蝶蘭自体に害はない益虫です。むしろ胡蝶蘭を弱らせてしまうカイガラムシやアブラムシを食べてくれます。しかし、発生しすぎてしまうと対策が必要です。もしかすると餌となるアブラムシが多く発生しているのかもしれません。その場合は薬剤を使って殺虫していきます。

胡蝶蘭に薬を使っていけないものとは

胡蝶蘭 薬剤

qimono / Pixabay

胡蝶蘭に害がある虫はたくさんあります。

虫が発生したら、駆除したくなりますよね。でもちょっと待ってください。その薬剤を使ったら胡蝶蘭が枯れてしまうかもしれません。

胡蝶蘭に使ってはいけない代表的な薬があります。

  • ガイガラ虫に効果があるとされる薬剤

「マシン由乳剤」や「石灰硫黄合剤」

  • カイガラ虫に効果があるとされる中性洗剤

プロピレングリコール(PG表記)が含まれているもの

  • スリップスに効果があるとされる薬剤

「オルトラン水和剤」

以上は胡蝶蘭にとって刺激が強く、薬害になる可能性もあります。

また、ハダニは薬剤に対しての抗体が早いため薬が効かなくなります。違う種類の薬剤を順繰りに使用するか、葉水で予防するようにしてください。

胡蝶蘭に虫を発生させない5つのポイントとは

胡蝶蘭 虫が来ない環境づくり

StockSnap / Pixabay

虫から胡蝶蘭を守るのには、環境を整えることが一番です。虫が苦手な環境にすればいいだけです。

【虫から胡蝶蘭を守るためのポイント】

  1. 風通しの良い場所に置いておく

胡蝶蘭は風通しがある場所が好きです。風通しがない空気が淀んでいる場所に置かないようにしてください。虫も風通しがあることで、一ヵ所にとどまることが出来なくなります。

  1. 葉水を定期的にする

胡蝶蘭の葉っぱは大きいので、裏と表どちらにも霧吹きで水を与えてあげるようにします。乾燥と葉っぱを好むハダニなどの虫がつくのを予防する効果があります。出来るなら一日に何度も葉水をするようにしてあげてください。

  1. 明るい日陰に置く

胡蝶蘭に直射日光を当ててしまうと光が強すぎて葉焼けをしてしまいます。葉っぱが焼けてしまうとそこから病気や虫などが発生してしまいます。レースのカーテン越しの光が当たる場所や、日が入るリビングの真ん中など、直接日の光が当たらない場所においてくださいね。

  1. 温度

胡蝶蘭は南フィリピンを中心にした亜熱帯地方で育った温かいところが大好きな植物です。そのため寒さには弱く、15度で成長をやめてしまいます。7度で凍ってしまうことからも、冬場でもなるべく15度以下にならないようにしてください。抵抗力が弱ってしまって、病気になったり虫が沸いたりします。また、室内なら30度以上にならないようにしてください。風通しがある場合は、35度までは耐えることが出来ますが、胡蝶蘭の負担になってしまいます。

  1. 水やり

胡蝶蘭の水やりは、基本的には頻度は少なく、5日から10日ほどしなくても大丈夫なほどです。胡蝶蘭の枯れる原因の多くは水のあげすぎによる根腐れなので、ミズゴケの表面から2~3センチ乾いていたらあげるようにします。頻度が高いと根腐れで虫が発生することがあります。必ず根っこは乾かし気味に育てましょう。

水受けにたまった水はすぐに捨てて、胡蝶蘭の根っこが息できるようにしておくのも大切です。

以上を守っていると、虫も発生しにくくなります。

家の窓とか閉め切っていたのに虫が発生することがあってびっくりしてしまいますよね。虫は人と一緒に玄関から入ってくることもありますし、エアコンや換気扇などのちょっとの隙間から侵入することもあります。完全に予防することは難しいですが、胡蝶蘭の環境を整えてあげることで、虫が住みにくい胡蝶蘭にすることが出来ます。

まとめ

胡蝶蘭にとって虫は厄介なものです。折角綺麗な胡蝶蘭を飾っているのに虫が発生するのは気分がよくありません。虫の中には、胡蝶蘭自体を弱らせてしまう虫もいます。

胡蝶蘭が弱ってくると、虫への抵抗力もなくなってしまい虫が発生しやすくなります。虫に抵抗する胡蝶蘭を作るためにも環境をしっかり作ってあげてくださいね。

しかし、それでも虫は発生してしまうものです。

虫の駆除の仕方が気になる方は、こちら「胡蝶蘭についてしまった害虫!どうすればいいの?」で虫の駆除方法などをまとめていますので、参考にしてみてくださいね。