胡蝶蘭の水苔での育て方

胡蝶蘭を育てていくと植え替えをする時期が来ると思います。その時に鉢をよく見ると、水苔を使用していたり、バークを使用していたりするかとおもいます。

水苔とバークはそれぞれどんな特性があるのでしょうか。

今回は胡蝶蘭の水苔を使用した植え替えの仕方から、胡蝶蘭の育て方まで、水苔を使った場合でまとめていきたいと思います。

胡蝶蘭の植え替えは水苔がおすすめの理由

胡蝶蘭を水苔

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胡蝶蘭を育てるうえで、水苔を使った植え替えが必要になってくるのはお花が落ちてしまった後の植え替えの時期です。

もともと胡蝶蘭は東アジア系の熱帯雨林地域に咲いていた花で、高い木の幹などに根を張って花を咲かせていました。土の中に根を張ると思いがちですが、実は木の上に根を張るなんて面白いですよね。

そのため胡蝶蘭の根っこは湿気を嫌がります。

胡蝶蘭をうまく育てたいとなると、なるべく自然と同じ状態で胡蝶蘭を育てないとうまく育ちません。

ということは、木の幹に根を張っている状況と同じで、水に濡れているときと乾燥気味の時のバランスが大切になってきます。そのため胡蝶蘭の根っこには空気が含まれるようにすることが大切です。胡蝶蘭を間違って土に植え替えてしまったら、根っこが湿気を排出することが出来ず腐ってしまいます。息が出来なくなるのと一緒ですね。

そんな時に使えるのが水苔とバークです。

バークは木の皮でできた植え込み資材で、水はけがよいので根っこが腐りやすい胡蝶蘭にとっては相性が良いといわれる近ごろ胡蝶蘭を育てるうえで人気の植え込み材です。

水苔は水はけと水持ちのバランスがとてもよく、胡蝶蘭にとって育ちやすい環境にすることが出来ます。

水苔は胡蝶蘭の生育で20年以上使用されてきた最もメジャーな用土になります。その分胡蝶蘭の育成での環境が整っていることになります。

水苔での植え替えの仕方

胡蝶蘭

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それでは水苔の使い方を説明していきます。

まず、胡蝶蘭を苗から出して根っこについている水苔を優しくほぐしながら取り除きます。

次に手順をまとめてみました。

  • 古いミズゴケはすべて外したあと、胡蝶蘭の黒くなっている根っこなどを清潔なはさみで切り落とします。
  • 根っこの周りに水で戻したたっぷりの水苔を巻き付けていきます。
  • 鉢の中に入れていきます。この時鉢がぎゅうぎゅうになるくらい水苔を押し込んでください。
  • しっかりと入れた水苔を指で押して入れ込む。

以上です。3つの工程で植え替えが出来るなんてすごく簡単ですよね。

全ての工程は、胡蝶蘭の根っこが折れてしまわないように気を付けてくださいね。

ここで一つポイントです。植え替えが終わったら水を与えないでください。

根っこが植え替えで弱っているため水を与えると腐ってしまったり病気になったりするリスクが上がります。水をあげないと心配と思われがちですが、胡蝶蘭は乾燥気味の方が育ちやすいので大丈夫です。

植え替え後、1週間ほどしたら、コップ一杯ぐらいのお水を上げるようにしてください。

この後も、水苔の表面が乾いたら水をあげるように乾かし気味に水を与えていきましょう。

水苔と相性の良い鉢?

胡蝶蘭を水苔で育てるときに相性がいい鉢があるのはご存知でしょうか?

水苔を使った栽培で一番相性がいいのは「素焼き鉢」と言われています。

素焼き鉢の特徴は、釉薬を使わずに高温で焼いた粘土を使って出来た植木鉢です。

高温で焼かれているため、目には見えない細かい穴が開いていて、鉢の中にある余分な水分を吸収し、蒸発させてくれるとても通気性の良い鉢なのです。湿気に弱い胡蝶蘭が湿気で根っこが腐ることも少なくなりますし、水苔の良さである水はけのよさを引き立たせるとってもいい鉢です。

間違っても、水苔で植え替えるときは、プラスチックなどの通気性がない鉢に植えないようにしましょう。水苔は吸水性が高いですが、発散するところがないといつまでも湿気がこもってしまいやすくなります。プラスチックとミズゴケの相性は悪いので、水苔で植え替えするときは素焼きの鉢を用意してくださいね。

水苔の戻し方や管理の仕方?

胡蝶蘭 植え替え後の水苔の管理

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水苔はもともと、水はけと水持ちのバランスが優れていてなおかつ、通気性も優れているので胡蝶蘭には最適ですよね。ですが、そんな水苔も痛みやすくなることやカビが生えてしまう事があります。そうなれば、せっかくの胡蝶蘭を台無しになりかねません。

そういったことを防ぐには、水苔の特徴を抑えておくことが大切ですよね。

もともと、日本に生えている水苔は、保護の対象になっているため採ることができません。

なので、胡蝶蘭などの用土に使用されているものは、ニュージーランド産のものが主流です。そして土と比べるとやわらかく、根っこを痛める心配も少ないです。

ですが、水苔はカビも生えやすいのが特徴です。

水苔は傷みやすいため、1~2年ほどで交換が必要になります。

どうして水はけと水持ちのバランスが良い水苔にかびが生えてしまうのでしょうか…。

水苔での栽培に慣れてない方は特に水やりのタイミングが早すぎたりして、タイミングがわからず水苔が湿っていることが続きカビが生えてしまうことがあります。

ですが、カビが生えてしまったからといって焦る必要は全くありません!

胡蝶蘭の様子をみて元気そうであれば特に処置をしないという方もいらっしゃいます。素焼き鉢にカビが少しついているくらいが、ちょうどいいともされています。

なので、カビが生えたからといってむやみに薬剤などをかけるのはやめてください。間違った薬剤によって胡蝶蘭が死んでしまうことがあります。

カビによって根腐れを起こして胡蝶蘭が死んでしまうことを防ぐには、きちんと1~2年で水苔を交換する。ということが大切になります。

余った水苔は、乾燥しているものであれば、密封できる袋に入れて保存してください。

濡れた水苔はしっかり日を当てて乾いたら密封できる袋に入れて保存しておきましょう。

胡蝶蘭の水苔での育て方のまとめ

水をあげるタイミングが分かりにくい胡蝶蘭ですが、水苔であれば表面が乾燥してから水をあげるということになるので一つの目安になりありがたいですね。

また、100均にも販売しているので手軽に買うことが出来るのですぐに栽培に挑戦できますよね。ぜひ、胡蝶蘭を水苔で育ててみてください。